グリーンランドの融解進む
yahooでもトップページで紹介されていましたが、グリーンランドのペテルマン氷河 から巨大な氷山が分離するという事件が起きました。
http://www.udel.edu/udaily/2011/aug/greenland080610.html
その面積は260km^2。これは石垣島よりやや大きいほどの面積です。
ここまで巨大な氷山の分離は観測以来初めてのことだそうです。以前にも 紹介しましたが、グリーンランド氷床の融解は予想を上回る速度で進行しています。
ペtベルマン氷河の場所およびそこから分離した氷山。Environment Canada
、The New York Times
より。
一方、北極海。こちらも融解が進んでいます。今年の7月の海氷面積は観測史上2番目に狭くなりました。より問題なのが、今年は古くて分厚い氷の融解が進んでいることでしょうか。
風や海流の影響が大きい海氷です。温暖化のみに帰せられるものではないかもしれませんが、温暖化の影響はないとするのも無理なものでしょう。
7月の北極海海氷面積の推移。2010年は過去2番目に面積が狭くなった。特にアラスカ沖などで融解が進み、古い氷まで喪失している。NSIDC
より。
フィット・ハイブリッド
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010080701000448.html
私、フィットに乗っています。そろそろ買い換え時期かなあ、と思っているのですが、いよいよフィット・ハイブリッドですよ。
フィットは燃費ホントにいいです。信号があまり無い道なら、燃費は25km/lを超えます。これをハイブリッドにして燃費向上するんだろうか、などと思っていましたが、だからこそホンダはハイブリッド化するわけですし。
ハイブリッド化で30km/lに達するようですね。これは楽しみです。
雨のにおい
職場で「雨降ってる?雨のにおいがする」と言って驚かれたのに驚きました。雨のにおいは普通にみんな分かるものと思っていました。
調べてみると、雨のにおいとされる物質は二種類。ジオスミンとペトリコールだそうです。
ジオスミンは分かります。水道水のカビ臭の原因物質で、水中の藍藻などが生産します。というか、自分でGC/MSで分析したことありますし。
ジオスミンの構造。わずか5ppt(1トンの水に5μg)のジオスミンがあれば感知できる。人間の鼻が最も敏感に感知できる物質のひとつ。
しかし、もう一つのペトリコールとは一体何なんでしょう?ちょっと論文検索した程度ではよく分からないです。植物由来の油分のようですが。精油なのかな?
細かく分けると、ペトリコールは雨が降る前のにおいで、ジオスミンは雨が降っている最中のにおいだとか。私はどちらも感じますが(雨のにおいだ、と思って気象庁レーザーを見ると、近くに雨雲があることはよくあります)、研究室の人に聞くと、どっちも感じない人、雨が降っている最中のにおいしか感じない人、それぞれでした。
私も含め、田舎出身の人は雨のにおいが分かる傾向があるような・・・。
みなさんは雨のにおいを感じますか?
白頭山に噴火の兆候
中国と北朝鮮の国境に、白頭山 という火山があります。写真は白頭山山頂にあるカルデラ湖「天池」。なんとも美しい山です。
この白頭山が数年のうちに噴火する可能性が高い、というニュースがScienceに掲載されました(doi:10.1126/science.329.5991.498-a )。
かなり重大なニュースですが、私はこのScienceの記事で初めて知りました。検索してみるといくつか報道はされていたようです。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100619/kor1006191910005-n1.htm
これはかなり「気持ち悪い」ニュースです。遠い外国の火山と思う無かれ、白頭山の噴火は全世界に影響を与えうるものです。
西暦1000年前後、白頭山は大噴火を起こしています(8/4追記:最近の研究ではもう少し早くて、AD950年前後ではないかとする報告が多いようです)。この時の火山爆発指数(VEI)は6ないし7。今年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火規模の、実に1000倍に達します。この2000年間で2番目に巨大な噴火だったとされています。この時の火山灰は、約1000km離れた日本にも到達し、東北地方では10cmほども堆積したと言われていますから、その規模が実感されます。
http://www.volcano.si.edu/world/volcano.cfm?vnum=1005-06-&volpage=erupt
現代文明、特に先進国は、この規模の噴火を経験していません。風向きによっては東京などでも火山灰は到達するでしょう。そのとき何が起きるのか、なかなか想像ができません。交通障害はもちろん、細かい灰による健康被害や、灰の堆積による農業への被害、電子機器の障害なども起きうるでしょう。
また、VEI=7ともなると全世界の気候に多大な影響を与えます。1815年、有史以来最大規模だったタンボラ山の噴火が起きました。これは白頭山の噴火よりやや大きいくらいの噴火でしたが、この時、全世界の平均気温は1℃近く低下したと考えられています。しかもそれは10年近く続いたと考えられています(近年、別の噴火の影響も加わっていたと指摘されているようですが)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%8F%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%84%E5%B9%B4
今回の噴火が1000年前の噴火ほど大規模なものになるとは限りませんが、注視する必要があるかと思います。