憂愁の作曲家チャイコフスキー
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- 志鳥 栄八郎
- 憂愁の作曲家チャイコフスキー
この本では、前半でチャイコフスキーの生涯を、後半では主要楽曲の解説を掲載している。
昔むかし、CDが出始めの頃、初めて購入したCDがチャイコフスキーの交響曲第5番だったし、モスクワで初めて足を運んだコンサートも二夜連続で、「交響曲第5番」と「交響曲第6番『悲愴』」だった。それから、弦楽四重奏曲第1番の2楽章は、モスクワでのある演奏会でユーリ・バシュメントというビオラの名手がアンコールで奏でた美しさに感動、暗譜して帰って、次のレッスンでチェロの先生に曲名を尋ねたほどのお気に入りの曲。
ということで、チャイコフスキーという作曲家にはわりと興味があり、彼のことは、わりと知っていたと思う。けれども、生まれてから亡くなるまでの生涯を通して読むと、思い描いていたのに輪をかけて、変わり者だったのだなぁと思った。そして思い出したことがある。
モスクワにいた頃、月に一度開催される「ロシア音楽の歴史」という演奏付きセミナーに参加していた。ロシアを代表する作曲家を時系列に並べ、毎回1人を特集する。その作曲家の生涯をモスクワ音楽院の先生がレクチャーし、モスクワ音楽院やグネシン音楽教育大学の生徒、時にはボリショイ劇場等の市内有名劇場のソリストが、主な楽曲を演奏するという豪華なセミナーだった。
このレクチャーを午前中に受けたある午後、ロシア語の家庭教師が来た。いつものように近況を話しているうちにこのレクチャーの話にもなり、どんなことを聞いてきたのか説明したことがあった。どの作曲家のレクチャーだったかは忘れてしまったが、この日は確かチャイコフスキーではなかったと思う。鮮明に覚えているのは次のやりとりだ。
「彼は、子どもの頃から病的で青白く、頬はコケ落ちて、暗く陰鬱な性格だった・・・」と私が始めると、すかさず、「作曲家っていうのは、彼に限らずみんなそうよ」と家庭教師が返してことだ。
本を読んで改めて思ったのだが、チャイコフスキーもまさにそのタイプだ。あんなに味わい深く、そして甘い数々の名曲を創った彼だが、その私生活はかなりの変わり者、しかも同性愛者だったらしい。同じ時代、同じ街に生きていたとしても、なかなかお友だちになれるようなタイプではなかったようだ。
素晴らしい芸術っていうのは、ギリギリのところまで追い込まれた極限状態で、初めて生まれるものなのだろうか?そういえば、新進画家にしても新進作家にしても、「イマドキ」青少年というのはあまり耳にしない。
マトリョーシカになったムルカ
知り合いのロシア人で、似顔絵マトリョーシカが得意な人がいたので、家族のマトリョーシカを描いてもらったことがある。
本人に聞いた話では、昔、とても若い頃、マトリョーシカ工場で働いていたらしい。大学卒業後、絵を描くのが好きだったのでマトリョーシカ描きの専門学校に行き、2年(と聞いた記憶がある)間訓練を受け、その後、マトリョーシカを大量生産する工場で働いていたということだ。彼女の描く似顔絵マトリョーシカは顔がそっくりということで評判がよく、いつも注文待ちの状態だった。
モスクワに住んでいたときは、まわり中にマトリョーシカがあふれていたので、大した有り難味もなかったが、今、こうしてみると、いかにもロシアらしくて懐かしい。
ムルカのピース
ムルカのピースのモデルとなった写真
月齢7,8ヶ月の写真だと思う。数ある写真の中で、当時はこれが一番の「美人」に撮れている写真ということで選んだのを覚えている。
全体の後ろ姿
左から、ワシリー寺院、農村の風景、ロシアの典型的クレムリン様式の風景、宮殿の内装、そしてムルカの後ろは田舎の家の内装。
他の4ピースは、あまりにもモデル本人たちに似ているので、残念ながらお見せできません。あしからずご了承ください。 m_ _m
寝顔
肌寒くなり始めてから、ベッドの上に(ムルカのために)置いた毛布で寝るのが習慣になったので、接写のチャンスも増えてきた。ということで、今日は寝顔をズームアップ。フラッシュをたかないと、シャッターを切ってもまったく気づかずに眠り続けているので、ほんの間近まで近寄ることができる。これから色々な表情に挑戦してみよっと。
午前中はこのように「天使の寝顔」を見せてくれたムルカだが、夕方は、夕食の準備中に「遊んでくれ」の駄々が始まって大変だった。あまりにもうるさいので、何回か中断して追いかけてやったり、釣りをしてやったりしたが、それでもずっと遊んでいるわけに行かない。2,3分相手をしては料理に戻っていたら、「にゃっ」と睨みつけに来て、他の部屋に全速力で走り去った。
料理のキリがついてから、家中何度も探し回ったのだが、とうとう見つけることができなかった。拗ねてどこかでふてくされていたのだ。何度も何度も名前を呼びながら家中探して歩いている様子を、さぞ気分よく聞いていたのだろう、私がまだ見つけていない「隠れ場所」のどこかで。
今も十分かわいいのだけれど、私の日々の日程に合わせて、寝たり起きたりしてくれると、もっとかわいいんだけどなぁ~、ムルさん・・・。
主婦たちのささやかな冒険~キオスクでのお買い物
モスクワに来る駐在員夫人のほとんどは、あまり乗り気ではないのではないだろうか。モスクワという街についての情報が日本では少なすぎる上、耳に入ってくるのはテロや政情の不安定な話などろくなものはない。その上、英語が通じない。通じないどころか、アルファベット文字自体が違う。悪い先入観いっぱいでモスクワ入りする。
来てみて驚くのが、外資による大規模ショッピングセンターの豊富な品揃えや先進国並みの施設、大々的な外資系企業の街頭広告などだ。・・・もしかして、やっていけるかも、という気持ちになれる。
と言っても、大規模ショッピングセンターというのは、だいたい幹線道路沿いにあるので、週末に家族と車で、というパターンが一般的だし、最初からロシア語がバンバン話せるわけではないので、家の近所を歩けるようになるまでには、個人差はあるものの少しの時間が必要だ。24時間警備体制の敷かれたアパートから出るのは勇気のいることだし、また、「地元の人」にロシア語が通じるかどうかも不安だ。
私自身も最初の数ヶ月は、ひとりでアパート敷地内から出たことはなかったし、中心街を歩くようになったのは、中心街に何人か知り合いができ、夫にも休みの日に何度も一緒に歩いてもらい、ある程度地理を把握してからのことだった。春に赴任してすでに秋だったように記憶している。
そんな状況の主婦たちの最初の冒険、それは近所のキオスク(在モ邦人の間では「箱店」と呼ばれていた)で買い物をすることだ。ロシア語を使う度胸試しにもなるし、西側文化に感化されていないロシア人と直に話すよいチャンスでもある。
中には自家製の質のよい野菜を安く売る店があったり、馴染みになると顔を見ただけで「いつもの品」を出してくれるような店があったりもして、「箱店で買い物をするのが好き」という人も結構いた。
私は買い物をしたのは最初の頃のみだったが、箱店で売っている「シャウルマ」というスナックが好きでこれは結構愛用していた。シャウルマは、味のないクレープで、鶏肉(本当は羊らしいが、モスクワ市内ではほとんどの店で鶏肉を使っていた)と野菜を炒めて特製ソースを絡めたものを巻き、マヨネーズをたっぷりかけて食べる。ボリュームがあり、栄養のバランスもそこそこ取れているので、学生もよくお昼に利用するらしい。 (元々はアルメニア料理らしい。)
自分たちが気に入っていたので、後から来る人にも結構勧めていた。店によって味が異なるので、自分の気に入った味を探すのも楽しかった。
ただ、ひとつだけ苦い思い出がある。モスクワに来て早々の方たちを連れて「シャウルマっていうのがあってね」っと箱店に行った。そこのシャウルマは結構「アタリ」で、連れて行った友人たちにもそこそこ喜んでもらえた。・・・けれど、その夜、私はそれまでに経験したことのないようなひどい下痢に襲われたのだ!
箱店の食べ物全部がそう、というわけではないが、食費衛生法による取締りは日本のようにきっちりとしたものではない。以前お話ししたシャシリク
(串焼き)
も然り、個人営業店で食べ物を買って食べる場合は、それなりのリスクを理解した上で店を選び、購入しましょう!っというよい教訓になった。
「シャウルマ-шаурма」の店。地下鉄駅や大学、市場周辺に多い。
「カルトーシュカ-картошка」は、蒸したポテトの中を繰り抜き、ツナやチキン、各種野菜などの中から好きなものをトッピングしたものを売っているファーストフードチェーン。中心部に多い。
近所にあった野菜屋さん。ここは質がよく値段も手頃なため人気の店で、私が帰国する頃にはガラスショーケースのついた上の2店舗のようなちゃんとした店に変身していた。
画質が悪く見づらいけど、飲料水、タバコ、テレカ販売店。
住宅地には、薬局や乳製品店、ソーセージ専門店、パン屋などの箱店が並ぶ。
近頃夢中なこと
すでにムルカが飽きていた「釣りタイプ」のおもちゃが復活した。段ボール箱と合わせて使うのだ。数日前に偶然思いついて、空き箱の中に入れたり出したり、さらに大きめの箱
の上に飛ばしたり床に落としたりしてみたら、これが大ヒット!今、ムルカはこの遊びに夢中だ。
また、昨日、外出して濡れた傘を玄関に開いたまま干していたら、偶然、その下にムルカが座っていたので、ふと思いついて、傘との合わせ技でも遊ばせてみた。これも大ヒット!!
どんぐりにも飽きて、新しいおもちゃにも飽きたところだったので、当分はこの遊びにハマるのだろう。こちらとしては座ったままで満足してもらえるので、結構ラクな遊びのひとつだ。(鬼ごっこやかくれんぼはこちらもしんどい・・。)ただひとつ困るのは、だんだん箱が増えて書斎が狭くなってきたことだ。
★写真をクリックすると、ムルカのいたずらっぽい表情がよりわかりやすくご覧いただけます。#^-^#
箱から見え隠れするのが、たまらなく面白いの。
えいっ、ほら、捕まえたっ!
何か動いてるけど・・・。
あ~っ、いつものアレだ~っ!!












