どうも、僕です。
【私がゴミ人間をやめた話。】
今日も私は、
自己否定の材料になりそうなゴミを集めては家に持ち込んでいる。
来る日も来る日も。
来る日も来る日も。
いつしか家はゴミ屋敷になった。
よくニュースで見かけるあれだ。
私が会社を休んだ金曜日のこと。
役場職員:
「さとこさん、お片づけしましょうね〜!」
サトコ:
「触んじゃね〜よ!!!おメーがゴミだろボケェ!!!」
役場職員:
「(めんどくさ)」
サトコ:
「あ〜っ!?今なんつったぁあ!?」
役場職員:
「いやいや、お片づけしましょうね〜!!
(いっそ、お前を片付けてやろうか?)」
サトコ:
「てめえこのブサイク近寄んじゃね〜ブスブスブスぶすっ!!!!!!!」
数日後、
私はゴミで埋もれてしまって置き場所も忘れていたゴミ箱から、
一枚の写真を見つけた。
そこには、
別れた旦那と、子供と、
そして少しハニカミながら笑っている私がいた。
そこには、私がゴミ箱に捨てた愛が、
あった。
私は涙が出てきた。
ただただ、泣いた。
翌日。
私は、汗だくになりながら、
家にあるゴミを全部捨てた。
部屋を綺麗に掃除して。
私自身もお化粧して綺麗になって。
そして、ある一枚の写真を、
写真立てに入れて、
玄関に飾った。
そう、ハニカミながらも笑っている私と、
私を愛してくれた家族の写真だ。
それからは私は、
今までゴミ箱に捨てていた他人の優しさや、
日々の幸せ、
自分ができること、
好きなこと、
そういう些細な幸せと喜びを拾ってくるようになった。
家はゴミ屋敷になるどころか、
不要なものが何もなくなって、
他人から見たら少し寂しいくらいかもしれない。
心なしか少し、痩せた。
おやつを食べたいと思わないからかもしれない。
「あれ、少し綺麗になったかな。」
3ヶ月後、私は役場職員として働いている。
あのあと実は、
役場職員に当時の迷惑行為を謝罪しに行って、
なんか意気投合してしまって。
今日は、
片付けられないゴミ屋敷に住んでいる、
とある中年女性を訪問する。
サトコ:
「おばちゃん。
お片づけしようね。
大丈夫。
私も片付けられない時があったよ。
でも大丈夫。
世界は優しいからね。
ゆっくりでいいから。」
終わり。