模擬国連 無印会合 -2ページ目

続々拒否権

でぃれくです。

こもりゃが拒否権について書いていたので、続きで。


拒否権と聞いたらなぜか中国を思い出してしまいます。

90年代初頭、冷戦崩壊、米ソという大きな対立が消滅し、米という超パワーが誕生しました。

その影に隠れたロシア、中国は拒否権をもう使えないだろうとささやかれていた感じでした。あれはウソでした。


たとえば2006年、ハイチのPKOを延長する決議案に中国だけは拒否する姿勢を示しました。公式の理由では「すでにPKOが必要ないくらいに治安が回復している」と。そうやって拒否権をちらつかせたわけです。しかし、最終的には拒否権を使わず、PKOは延長されました。その影にはこんなことがあったのです。


1999年、マケドニアのPKOを延長する決議案に中国が拒否し、PKOの任務は中途半端に終了することになりました。そして、当然のことながら、治安状況は急激に悪化、というよりもぼこぼこで目が当てられない状態。政府は困ってしまったわけです。中国が拒否した理由は「PKOが不要なくらい治安は回復してきている」でした。が、治安は悪化していますね。


中国には誰の目から見てもわかる本当の理由があったのです。


台湾問題。


1999年、マケドニアは台湾と外交関係を樹立し、それに中国が反対したわけです。単純ですね。そして、2001年には急激に治安が悪化して、困ったマケドニアは中国と国交を結び、台湾との関係を切ることで、何とか事態を国連に打開してもらおうと考えたのでしょう(あー、でも実際に動いたのは国連ではなくてNATOとOSCEなんですよねw)。


さぁ、ハイチ。

ハイチは台湾と国交があり、総会において台湾加盟に関する討議を開始するという提案を一部の国にしていました。それに中国が反応したわけです。でも、マケドニアのように拒否権を使ったわけではありません。なぜでしょうか。

ハイチは中国にこういう書簡を出したそうです。

「今後、ハイチは台湾の加盟を支持しません」

それで拒否権は使わなかったわけですね。要するに、先の理由なんてどうでかったわけで。ただ単に台湾問題に口出しするなよというわけで。そういうこと。

拒否権は自国を守って、国際の平和と安全を守る行為を拒否することにもなる可能性があるわけですね。


でもまぁ、使うといっても、実際には使わないで使う、みたいな。

拳銃は、実際に撃たなくても、持っているだけでも怖いし、構えるだけでもっと怖いし、しかも過去に撃ったことがあるとなると余計に怖い。そういう使い方をしているのでしょうね、きっと。



でぃれく


拒否権って何?

ども、ちぇあです。


今回の会議は、論点が「議席拡大」にのみ限定されているので拒否権の話はあまり出てきませんね


ですが、もちろん安保理改革においては既存、そして新規も含めて拒否権は非常に重要な論点です。


以下の記事はいずれもIPSより


安保理:拒否権発動に疑問の声

以下引用


” 安保理における拒否権行使の傾向を研究しているサンフランシスコ大学のスティーブン・ズーン教授は

「1970年以降、米国は86回もの拒否権を発動しているが、そのうち63回は米国のみが単独で発動したものである。

さらに、このうちの40回以上はイスラエル軍の攻撃に関するものだ」と指摘した。


 米国の民間シンクタンクInstitute for Policy Studies(政策研究所)の主任研究員フィリス・ベニス氏は

「米国の安保理における拒否権発動は、自国の戦争遂行のほか、イスラエル擁護のためにも行われてきた」”


譲れない一線 イスラエル非難決議を米国拒否権行使

以下引用


”国連安全保障理事会は11日、イスラエル軍の軍事行動の停止や撤退を含む決議案を採決したが、

米国による拒否権行使で決議案は否決された。”


”中東のカタールが提案し、中国、ロシア、フランスなど10カ国が賛成。

日本、英国、デンマーク、スロバキアの4カ国は棄権した。

7月にカタールが提出したイスラエルによるパレスチナ住民殺害を非難した決議案も、 今回同様に常任理事国である米国に拒否権を行使されている。”


仮に常任理事国を新設するとして、その理事国は拒否権を持つべきか否か。

そうした問題も安保理改革には絡んできます。


また、興味深いのはイスラエル非難決議に関して日本、英国、デンマーク、スロバキアが棄権したこと。

デンマークとスロバキアはなんで棄権したんでしょうね?

そういうところを深読みするのも模擬国連の面白いところだったりします。


こもりゃ

何で安保理改革なの?

でぃれくです。
明日から学校が始まります。気分は今日の天気のようです。
といっても、私は明日オフですし、そもそも学校は週1なんですけどね。だけど週に5日くらいは学校にいますし、このGWはほとんど学校に住んでいた気がします。カップラーメンと大きめのペットボトル(緑茶)を持参して。


さてさて、「何で安保理改革なの?」について。

安保理改革っていう議題、実は『国連』に興味がある人にとってはあまり興味がない問題なのかもしれません。特にここ最近は新聞などのメディアでも下火ですからねぇ、近くもないし、視覚的効果もないし。『議論のための議論』が嫌いな方も多いようですし。安保理の議席に関する話し合いって、言い換えると『議論のための議論』ですからね。

さてさて、『議論のための』ということで少し。
アフリカとかを中心に国内紛争なるものが起こっていて大変なのは皆さん聞いた事があると思います。あれ、理由の1つは『議論のため』なんですよ。国内政策の議論をするための議会や政府での議論で自分たちが優位になるためには議席をちゃんと持っていないとダメだし、そのためには奪い取ったりしないとダメなので、そのためにみんなで戦うわけですね。とまぁ、ちょっと強引な感じもしますね。だって、教科書には『貧しいから』とか『資源や土地を奪うため』とか書いてあったからね。あれはウソではありませんが、多くの紛争を見る限り、『どのように国を築きたいのか』という意見の対立、言い換えると『国を築き上げる議論で優位に立つ』ための対立だと思います。それでイメージが沸かない方は17世紀から欧州各地で起こった市民革命だとどうでしょうか。あれも「僕らも議論に入れてくれ」っていう市民による『議論のため』の戦いだったわけです。
私は『議論のための議論』をバカにすることが大嫌いです。
『議論のための議論』ができるのは、『議論のため』に戦わなくて済むのは、多くの方の努力があるからで、その努力をバカにするようで大嫌いです。逆に、『議論のための議論』ができるということに喜びを感じます。安保理改革も、そんな『議論のための議論』なわけです。私は、安保理の議席という巨大な権力を議論で解決しようという試みに感動すら覚えます。


といっても感動を共有できる人が少なそうなので、面白そうに書きます。

模擬国連が扱う多くの議題は「国際社会(もしくはグローバル社会)共通の利益」なるものと「国益」の間で悩むように仕組まれています。公共の利益を後ろ盾にした国が、国益を守ろうとする国と議論して。それはそれですばらしいことです。
一方、安保理改革の議論はそれが『ない』に近いです。公共の利益は「改革したほうが良い」くらいなもので、どのようにという部分に関しては、学術的にも感情的にも理屈が成立していません。そんな安保理改革。会議としての安保理改革をひとことでいうと、「視覚化できない『公共の利益』なるものを議論によって作り上げる過程」なんですね。だから、既存の、しかも目に見える形での『公共の利益』を説明するよりも遥かに難しく、そして楽しいんですよ。どこかの本に書いてあったようなことを繰り返し説明しても、あなたの考える力にはならんでしょう。

ということで、多くの新メンが会議に参加するこの時期だから、どうせなら議論で楽しいと感じて欲しいし、どうせなら鍛えてほしいと思ったわけです。









というのは実はウソで、4月20日の記事を見て『この会議やりたい☆』って思っただけなんですけどね(どーん)。
だって、安保理改革は一番『交渉』できる議題だから、『駆け引き』ができる議題だから。


でぃれく◎


新聞記事リサーチについて


でぃれくです。
BGで修正が一箇所あります。ごめんなさいm(_ _)m
23ページの最後の1文。

国連総会本会議非公式会合 → OEWG会合


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 【ニューヨーク4日共同】安全保障理事会改革をめぐる国連総会作業部会が3日開かれ、大島賢三国連大使はこれまでの議論を踏まえ、安保理拡大に向けた本格的な「政府間交渉」に移行するよう加盟国に要請。交渉のまとめ役となる「調停人」を任命するようハヤ・ラシド・ハリファ総会議長に促した。
 ハリルザド米国連大使は日本の常任理事国入りを支持する一方、安保理拡大の具体案については加盟国の立場が大きく隔たっているため、合意形成に「時間がかかることは疑いない」と明言。早期の改革実現に疑問を呈した。
 ハリルザド大使はさらに「安保理改革を促す環境をつくるため(安保理以外の分野で)変革実施を加速させるべきだ」と表明。他の国連改革を優先し、安保理改革を後回しするよう事実上求めた。
 総会議長は4月、現段階では暫定的な改革にとどめ、最難関の常任理事国拡大を事実上先送りする「暫定方式」を明記した報告を全加盟国に配布。(2007年5月4日15:47-47News)
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【ニューヨーク3日時事】国連安保理改革に関する総会作業部会が3日開かれ、先に全加盟国に送付され、暫定的に再選可能な非常任理事国を追加するなどとした「改革担当」の国連大使5人による報告書について、約30カ国が発言した。常任理事国の地位を求める日独など4カ国グループ(G4)は自らの立場が「明確に反映されていない」(大島賢三大使)と不快感を表明、2人程度の調停役を再度指名し、拡大に向けた具体案を提示するよう議長に要請した。(2007年5月3日11:13-時事ドットコム)
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(どこを探しても日本語だと共同と時事の記事しか出てきませんでした。日本の新聞社のみなさん、だいじょーぶですかぁ)



○チャンネルでも話題になってましたよ。
「また中○新聞か、どうして国益損ねるような記事書くかね」ってw
いや、あそこの新聞社が安保理改革関係で独自の記事を書くはずが・・・(失礼)
ちなみに中○新聞は共同の記事を載せていました。

まぁ、それはいいとして。
新聞記事に書いてあることは確かに事実である可能性が高いです。
仮に新聞記事が100%事実であるとして、ではその事実のみで対象としている問題のすべてを表現できているのかといわれると、これはまた別問題なわけです。文書という限られた表現手法である以上、事実から何かを切り抜いて、伝えようとしているわけですね。で、どこを切り抜くかということによって、新聞の色が出てきたりするわけです。ついでにいうと、事実の切り抜きから何を思うかは人それぞれなわけで、それを十分に認識する必要があるのでしょう。

例えば、時事の記事を見て「外務省は不利な状況の中でも国益とために頑張ってるなぁ」と思う人がいるかもしれませんね。例えば、共同の記事を見て「アメリカがあれじゃあ、外務省はそろそろ諦めたほうがいいなぁ」と思う人がいるかもしれませんね。それぞれそういう言い回しなのではないかと私は思います。あなたはどう思いますか。まぁ、私がどう思うかはどうでも良いんですけど。
要するに、模擬国連に限らず多くの場合において、事実の一部のみしか見ていない状態で価値判断することがあるから、そのことを十分に認識してくださいということです。価値判断が特定の事実の切り抜きに基づくものならば、切り抜かれていない箇所を見たときに修正が必要ですよということです。言葉にすると当然で、やってるよ~というかもしれませんが、一度やった価値判断をくるくる変えるのはとっても難しいものですよ。
特に新聞やニュースベースでの情報を見る場合(特に後者)、情報にはその会社の色が出ていますから、事実に近づきたいのであれば、同じことを対象とした記事であっても、複数の会社の記事を読むことが大事です。だから、リサーチって大変で、でもそれがまた面白いんですよ。ということで、頑張ってください。


まぁね、私としてはそんなことどうでもよくて
他の30カ国のスピーチがどこにあるのかわからんということがいいたかっただけなんです。

見つけた方、教えてくださいm(_ _)m


あ、もう6時だ。
おやすみなさい☆




でぃれく

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