“一息絶命”クンダリーニと共にあらん我がヨガ道

 

 
そもそも力まない動作とは何なのだろうか?
 
私が思うに,上半身,特に胸から上,肩,
 
特に上腕を強く使った動作のことだと思っています.
 
胸から上といったのは,多くの現代人は骨盤と肋骨の間の筋肉(わき腹の辺り)が癒着し,
 
それぞれ単独で動かすことを苦手とし,まるで上半身が一枚の硬い鉄板の様な身体になっています.
 
少しイメージしずらいと思いますが,逆に骨盤と肋骨が分離できている好例は,
 
イチロー選手のレーザービームと呼ばれたスローイングです.
 
肩が強いといった誤った表現が日本では昔からされています.
 
しかし,肩の筋肉だけをみれば,他の外国人選手に比べればイチロー選手の筋肉は大きいとはいえません.
 
あれは,骨盤を中心とした胴体が凄まじく動くために足からのエネルギーが骨盤で増幅され,
 
肩や腕に力みがない為にそのエネルギーが手先まで失速せずに伝わっているのです.
 
その胴体の動きに気づかなければ,結局,胸や背中,上腕や肩の筋肉をつけようと考えてしまいます.
 
しかし,胸や背中の筋肉を付けすぎては,当然,骨盤や肋骨等の胴体の動きは阻害されてしまいます.
 
以前にも書きましたが,逆に胴体がしっかりと動くのであれば,出力的に筋肉はあればあるほど有利です.
 
筋肉量と胴体のしなやかさは,ある程度までになると反比例になっていきますので,
 
理想的には胴体の動きが阻害されない範囲での筋量の増加が望ましいと個人的には考えています.
 
私が胸や背中,特に広背筋の筋肉をあまり過度につけたくない理由は,
 
経験的に明らかに肋骨を中心とした胸の動きと,ひねり動作の邪魔になるからです.
 
水泳や陸上等の単関節動作の繰り返しの場合は,
 
広背筋の筋量を上げて,腕を引き付ける動作のトルクを上げることは間違いなく有効的ですが,
 
球技や格闘技等の複合的な動作が不規則的に繰り返されるものの場合は,その効果は謎です.
 
………
 
マイケル・ジャクソンの周りのバックダンサーは選ばれし者の集まりだと思うのですが,
 
屈強な彼らよりも華奢なマイケルの方がスピードや切れが明らかにあります.
 
それは,胴体が凄まじく動いているからなのです.
 
胴体の力に比べると,腕の力はとても小さいですし,消耗も激しいのです.
 
それは,腕や足は胴体の動きの延長に過ぎないからです.
 
エンジン部分のエネルギーを使わず,末端の筋肉だけを使っているのでトルクが上がりません.
 
………
 
先程から,胴体の動きと書いていますが,具体的にこれは
 
故・伊藤昇先生が過去にバレエや能,サッカー選手,格闘家などの一流の達人たちの動きを観察し,
 
それをヨガやフェルデンクライスなどの身体学から
 
人体の動きは,胴体のたった3つの動きの組み合わさったに過ぎないと提唱された理論です.
 
私も伊藤先生のワークショップに20年ほど前に参加させていただいたことがありますが,
 
大変盛況で,ダンサーや空手家など様々な分野の人たちで埋め尽くされていました.
 
それほど,人気のワークショップで当時は目からうろこだったのですね.
 
私は今もこの理論ほど,分かりやすく,人体の動きについて語られているものはないと思っています.
 
そして,伊藤先生は,胴体力を向上させる基本の3つの動きから応用編と,様々なエクササイズをご紹介下さいましたが,
 
この基本の3つの動きがクンダリーニヨガの代表的な骨盤,背骨の運動と全く同じなのですね.
 
私の知る限り,この3つの動きはクンダリーニヨガでしか確認したことがありません.
 
伊藤先生はヨガ実践者でしたが,沖ヨガの門下生でしたので,どこでこの動きを発見されたのか?
 
それとも研究熱心でしたので,クンダリーニヨガの研究をされていたのか?
 
今となっては知る由もありません.
 
この3つの動きについては以下の過去記事をどうぞお読みください.
 
 
………
 
最近,ユーチューブなどで話題のジークンドーの石井先生が相当な胴体使いの達人だと私は思っています.
 
どうして,小柄で一見華奢そうな先生のパンチがあれほど速く,威力が絶大なのか?
 
これも胴体がめちゃくちゃ動いているからです.
 
それも一瞬で…
 
3つの動きのどれもが高いレベルです.
 
拳や足の動きをただ見ていても何も分からずです.
 
筋肉のある格闘家の方が同じようにやってみてもスピードや威力が出ないのは,胴体がほとんど使えていないからなのです.
 
これは,胴体をうまく使う練習をしていないので仕方がありません.
 
私は,イチロー選手や,マイケル・ジャクソン,石井先生のように誰から教わることもなく
 
しっかり胴体を使える人たちは普段の練習を通じて無意識のうちに体得していったのだと思っています.
 
ですので,逆に自分たちの動きの良さを言語化できないと思います.
 
ただ,センスのある人たちは,古武術や空手の型稽古を通じて無意識のうちに体得していったのだと思います.
 
………
 
柔術に関しては,驚くほど3つの動きの中の「丸める反らす」がほとんどの動きで構成されています.
 
胴体が使えないと結局ステロイドで筋量アップを図ろうとし,
 
さらに胴体が使えなくなるので,さらにそれを補うべく筋肉をつけようとしてしまいます.
 
これはこれで強いのですが,若い時にしか通用しません.
 
UFCのコナー・マクレガーもフェザー級の身体の方が断然に胴体が動いています.
 
彼も相当,胴体が動いていますが,上の階級に上がるとやはりいつものしなやかさが落ちてしまいます.
 
彼が筋量と胴体力の関係を探るには格好の例かもしれません.
 
最後にジークンドーの石井先生の動画リンクと伊藤先生のお勧めの書籍を以下に紹介させていただきます.

胴体が動く人とそうでない人の違いが明確に分かる動画です.

 

プロだからといって胴体がしっかり使えているかと言えば,そんなことはありません.

 

元々の体格だったり,筋量だったり,他の要素で補っているケースが多いといえます.

 

あるいは,3つの動きの内,競技別にどれか1つが得意なケースがほとんどです.

 

【伊藤昇先生のお勧めの書籍】(※旧版は中古でも買う価値ありです)

この書籍は胴体の3つの動きから達人の優れた動作を解明していくという大変素晴らしい書籍です.
 
ヒクソン・グレイシーのマウントポジションも優れた一例として出てきます.
 
P.S.
 
先日のUFCでマクレガーもカーフキック(ふくらはぎへの蹴り)でのKO負けとなりましたね.
 
ちょうど先週,UFCファイターは,どうやってカーフキックを防いでいるのだろうか?と知人と話していたとこでした.
 
そして,マクレガーならどう防ぐのか?とタイムリーに話していたのですが,
 
やはり,防げないと年末の朝倉海選手と同じ展開になってしまうのですね.
 
これでカーフキックが一時的に流行り,またそれに対する手立ても出てくるとなると,
 
総合格闘技は色々な技が使えて面白い競技だと思います.
 
マクレガーの肩パンチなんかも,中国拳法みたいですよね.
 
まあ,かれは,ブルース・リーが好きなので,影響受けているかもしれませんね.
 
あとは,意外にもヒクソンを崇拝しているのも面白い点です.
 
実際,独特な彼のストレッチはヒクソンのそれと何となく似ていますね.
 
“May the Kundalini be with you” - Guru Prasad Singh -
 

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