「一息絶命」クンダリーニと共にあらん我がヨガ道
呼吸は吐くことが大事…
ヨガや呼吸法をしている方なら,一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか?
自分としては,
いや,吸うことも大事でしょ!
というスタンスです.
吐くことが大事だという根拠は,
まず,「しっかり吐かなければ,吸えないからだ」という理由だそうですが,
これでは,少し説得性に欠けるといえますし,
あくまでも,吐くことが前菜で,吸うことがメインディッシュとも捉えることができます.
火の呼吸などの速い呼吸に関しては,たしかにしっかり吐くことが大事ですが,
これは呼吸法の中でも極めて特殊な部類に該当しますので,
今回は呼吸法のカテゴリからは外して考えたいと思います.
一般的にも呼吸法とは,ゆったりした呼吸法を指すことが多いと思われますので.
私の意見は,
発端はやはり,お釈迦様の影響で仏教,禅で,吐く息を大事にしたことが理由だと思われます.
そこから,呼吸と自律神経の関係性から,息を長く吐くことは,副交感神経を優位にし,
リラクセーションを促すというストレス社会とマッチしたこちから,その重要性が説かれることになったのだと思っています.
吐く息が長い呼吸法は,瞑想前や,リラクセーションには,効果的な呼吸法です.
ただ,伝統的なヨガにおける呼吸法は,リラクセーションや自己コントロールを目的としたものだけでなく,
本来は,空気中のプラーナ(気)を取り込んで,体内のナーディ(気道)を浄化し,
尾てい骨に存在する潜在的な気「クンダリーニ」を覚醒させるという別の目的もありました.
実際,中国の道教でも息を深く吸うことを重視しています.
ヨガには,片岡鶴太郎さんやヒクソングレイシーが行っているお腹を極端にえぐる技法「バンダ」がありますが,
あれも本来,お腹のマッサージのためではなく,エネルギーを脳に上昇させる目的で行っていました.
肉体的健康を追求するハタヨガが台頭してきて今のような身体浄化法になりました.
そして,このバンダには,息を吐いたものだけでなく,息を吸って行うものがあります.
どちらもそれぞれ目的が異なりますが,息を吸ってのものは,いわゆる逆腹式呼吸と呼ばれるものです.
このように,吐くことを重視するのは,リラクセーションや自律神経に基づいた考え方であり,
それだけを目的とした場合は,吐く息が長い呼吸法だけで構わないのですが,
一方,プラーナ(気)を体内に巡らせ,クンダリーニを目覚めさせるには,
息をたくさん吸い,プラーナのパワーを借りなければ,到底達成することはできません.
①リラクセーションや自律神経調整のための呼吸法か?
②気を巡らし,心身パワーアップのための呼吸法か?
私の所では,理論的にここら辺をきっちり分け,目的別にバランス良く呼吸法を行っています.
ヨガの経験則は何千年と続いてきた先人たちの宝の結晶ですが,
一方である程度,可能な範囲で科学的なメスも入れていくべきだと私は考えています.
それには,先人の教えを鵜呑みにするのではなく,徹底して自分の身体で検証し,
さらに測定できるものは実際に数値化してみることだと思っています.
“May the Kundalini be with you” - Guru Prasad Singh -
P.S.
ピノさんからのコメント
“最強のメンタルを購入させて頂きました。
少し、質問なのですが私は小学校の低学年からてんかん持ちで薬を飲んでいます。
発作は、もう17年ほどでておりませんが定期健診の脳波では、ほんの少し尖がった脳波の波形になるようです。
定期健診では、発作を起こしやすいように光を当てたり、早めのテンポで深呼吸を5分ほどし脳波の様子を見ているようです。
辻先生の本では高覚醒であがり症タイプとなりました。
その為リラクセーションの呼吸法がよいのかとおもいましたが、てんかん患者でも行なっても良いのでしょうか?”
【回答】
ピノさん,はじめまして.
拙著『最強のメンタル』,ご購入頂きまして,誠にありがとうございます(*v.v)。
結論から申し上げますと,リラクセーションや自律神経を整えるゆったりした呼吸法はむしろお勧めの呼吸法といえます.
脳波検査の場合,光刺激や,開眼閉眼,呼吸を深く繰り返したときの脳の状態をよくみます.
その時,てんかん持ちの方には特有の尖った脳波がよく見受けられます.
これは,「棘波」と呼ばれる脳波の波形です.
てんかん発作時は,過呼吸のような状態になっていることが多く,
これは,そのような心理的,身体的状態がてんかん発作を誘発するのか,
もしくは,てんかん発作がそうした呼吸状態にさせるのかはよく分かっていません.
ただ,両方向の関係性があると思われますので,
火の呼吸のような脳波に速い波形をつくり出す呼吸法よりも,
大きくゆったりした波形を生じさせる,ゆったりした呼吸法の方がお勧めといえます.
日常的には,5,6秒で吸って5,6秒で吐く呼吸法を,半眼で,可能であれば朝晩5~10分間行い,
心理的不安感がある場合や,ここ一番では,4秒で吸って,8秒で吐く呼吸法を閉眼で,5~10分間行うことをお勧め致します.
また,油断して薬の量を自己判断で減らした場合に再発するケースを度々聞きますので,
処方に関しては,きちんと担当のお医者さんのアドバイスに従われることをお勧め致します. 辻
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