【文字起こし】八丈島STYLE 八丈島民インタビュー⑨(後編) | らいむの“ひょっこり八丈島”

らいむの“ひょっこり八丈島”

八丈島への「入口の入口」になれば、と始めてみました。

島のこと、島暮らしのことなど、書いていこうと思います。

#9 町営バス運転手 菊池洋雄さん

 

●旧庁舎に描かれたイラストとフリージアはどんな狙いで企画されたものですか?

(現在バス事務所の入っている、)旧庁舎は取り壊しが決まっています。なので、長い間お世話になった建物に感謝の気持ちを示したいということで、フリージアで明るくしてあげたいという気持ちと昨年まるまる、ほぼ1年、コロナ禍で大変だったと思うんですけども、その人たちを元気づけたいということで、あのような形で、運輸係の職員で展示をやらせていただきました。

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●洋雄さんはイラストが上手で、最近大島のイラストコンテストで入賞されましたね

 

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(伊豆)大島の椿まつりというのがありまして(大島観光協会主催、今年はオンライン開催)、その中に「出帆港イラストコンテスト」というのがあったんですけど、岡田港(おかたこう)と元町港(もとまちこう)に船が着くのが毎朝違うらしいんですけど、それをSNSで知らせるイラストを募集しますというので、私もそれに参加しまして、投稿しましたら、“椿の女王賞”というのをもらうことができまして。その件は本当にありがとうございました。

 

 

 

●とても良いイラストでしたが、何を使ってどれくらいの時間で描いていますか?

イラストを作るのは、一番最初は、鉛筆で描くんですけど、これ(下描き)が1時間半くらい。で、これをパソコンに取り込みまして、自分はSAIっていうソフトで色を塗ったり描いたりしているんですけど、そのあとPhotoshopっていうので、細かい調整をして、その絵でコンテストに応募したところ、完成品がこちら(画像上、さるびあ丸)。ここまで描くのに5時間。あともう一個(画像下、セブンアイランド結)。こちらの方は船を変えたやつで、これは船の部分に3時間。っていう感じでした。

 

●得意なイラストはどんなジャンルですか?

描いているイラストは、見てもらった通り、かわいらしい感じのがメインです。劇画みたいなのがあまり描けないので、ほとんどこういう感じになってしまうんですけど、あとはもう、船とか機械…、車、バイク、そのへんがあるような絵を、おもに描いています。

 

●いつからイラストを描いていますか?

中学、高校って美術部にいたんですけど、そこからずっと、そのまま、趣味として続けていて、向こう(東京)に行ってからも、あくまでも趣味で、ずっと、ここまで続けてきた感じになってます。

 

●休日はどんなことをなさっていますか?

休日は子どもと妻と、島の中を出かけたり、あとは自分の家の車やバイクを弄ったりしているのがほとんど。そんな感じで過ごしてますね。

 

●八丈島での子育てはいかがですか?

東京に比べたら、絶対的に(人数が)少ないので、わりかし地域の人が子どもを気にかけてくれるので、そこはすごい助かるかなって感じがします。普通に、歩いていても、“おはよう~”とか、“子どもいくつになった?”とか、話しかけてくれるので、そこはすごいいいなとは思いますね

あとは、八丈島は自然がとにかくすごいあるので、ちょっと(外に)出るとすごい自然とふれあえるので、そういうのを学ぶという点では、すごいいい環境だなと思います。

 

●お子様とはどんな所へ遊びに行きますか?

よく行くのが、飛行場(空港)。これはほかの飛行場とかに比べて飛行機が結構近くで見られる環境らしくって、実際(ウチの)子ども飛行機見るの大好きなので、よく行きます

 

あとは植物公園のビジターセンターですね。あそこは喫茶店、というか売店が中にあって、アイスクリームが食べられるんですけど、これを子どもが結構喜んで食べたりとか。あと、海の生物がいる水槽が展示されているので、それ見せると喜びますね。

 

 

あとはもう、底土の(船客)待合所なんですけど、そこも船が出ていくのがわりかしよく見られるのと、室内も空調が効いているので、すごい(建物の)環境がいいので、子ども連れて行ってます。

 

●八丈島にUターンして良かったですか?島暮らしは楽しいですか?

自分自身がここ(八丈島)で生まれ育っているので、もともといろんなところを知っていて“勝手知ったる”ところがあるので戻って来て良かったな、とは思ってます。あとはもう、基本リゾート地なので、どこ行っても景色はすごくいいので、それは誇れるところかなって思うのと、そこに住んでいるっていうのはすごいいいことかなって思います。ただ、うちの妻が、もともと福島の人なんですけど、(彼女と一緒に)来た時には、不便なところも多いので(店が少ないとか…)、そこはすごい苦労をかけてるなとは思ってます。

 

●フランチャイズの飲食店が少ないですもんね

コンビニがないのを筆頭に、スタバがないとか…、ユニクロがあればいいって感じか(笑)

 

●八丈島に子連れで移住する方にアドバイスがあったらお願いします

子連れに限らずかも知れないんですけど、とにかく島に移住する場合には、車があったほうがいいです。できれば両親(旦那さん・奥さん)両方運転できると更にいいかなと思います。保育園の送り迎えとか、歩きでっていうとなかなか大変ですし、また島も風や雨が強かったりするので、やっぱり車があったほうがいいですね。坂も多いので自転車でも大変だと思いますし。あとは、(島に)知り合いがいたほうが心強いといいますか、寂しくないと思います。妻もこちらに来て知り合いがゼロだったんですけど、ツイッターとかブログとかで知り合いが増えたので、そこですごい助かったとは言ってましたので、そういうネットでもいいですし。あとは子どもがいれば、ちっちゃい子同士で集まる「ひよこクラブ」っていうのがあったりとか、あとはイベントなどに行ったときに、子連れがいたりしたら話しかけてみたりとか、あとは小中学校、保育園で父兄の方に会うと思うので、そこで知り合いを作っていくと、結構いろいろ助かると思います。

 

 

●他に話したいことがあればどうぞ

移住してくる方になんですけど、島に漫画家さんが1人住んでいらっしゃいまして、その方が描いている、『流されて八丈島』という単行本が、非常に島のことをよく描いてくれているので、あれは本当に、移住する時に参考になると思います。あの先生も、移住してきた時にはアシが全くない状態から、バイク(原付)の免許を取って、そのあと(運転免許を取って)車を買ってっていう風な順番を経ていたりとか、町の地域の人にインタビューしたりとか、島の情報を集めてくれているのがあるので、あれは非常にいい情報源なので、見つけたらそれを読むと参考になるかなと思います。

 

(編注:流されて八丈島は、お近くの本屋さんになくても、ネットで注文したり、電子書籍でも読めます。八丈島に旅行の際には、島の本屋さんには間違いなく置いてあるので、そちらで買うのもおすすめです)

(編注2:著者のたかまつやよいさんは2022年の春に八丈島を出ています)

 

あとは島は比較的ほかの地域に比べても、TwitterとかSNSの情報が豊富で、特にTwitterは情報の更新が早かったりするので、島に移住してきた場合の情報集めるのにはすごく便利だと思うので。検索で“八丈島”って入れるだけでも、その日の情報が結構手に入るので、活用してみるといいかも知れません。

 

 

(編注:Twitterのほぼ八丈島民リスト。6/22現在登録アカウント277件)

 

 

この動画を紹介する、スーパーあさぬまのブログ記事。

 

 

インタビュー動画。リンク先などはこちらの動画説明欄から。 

 

(あとがき)

島に住んでいると、ほとんどの人が自家用車で移動するので、路線バスも(観光バスはなおさら)、乗る機会が少なく、特に島の人に知ってもらう機会になれば幸いに思います。自分は何回か乗ったことはありますが、いまだに慣れないです。

余談ですが、自治体の運営するバス事業というのは、日本全国でも珍しいのだそうです。(都バスも、今は事業の一部をはとバスに委託しています)なので、若い島民のかたの利用だけでなく、バス目当てに来島してくれる人が少しでも増えたらいいなぁと個人的には思います。

 

 

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