【文字起こし】八丈島STYLE 八丈島民インタビュー⑨(前編) | らいむの“ひょっこり八丈島”

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八丈島への「入口の入口」になれば、と始めてみました。

島のこと、島暮らしのことなど、書いていこうと思います。

#9 町営バス運転手 菊池洋雄さん

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こんにちは、菊池洋雄と申します。年齢が38歳で、坂上の中之郷というところに住んでいます。生まれがその中之郷で、高校まで八丈島で、そこから、(東京の)車の整備の専門学校に2年行ったあと、向こうで8年ほど、自動車の整備工場に勤務してから、島に戻ってきて、ちょこっと整備の仕事をやったあと、今はバスの運転手をやっています。

 

●ご出身の中之郷地区はどんな地域ですか?

結構、昔から土地がある所なので、土が案外いい土なので、農業をやっている人がすごい多いです(うちの父も農業をやっています)。住んでいる人とかはすごい、裏表がない人が多くて、明るい人が多い気がします。(坂上地区の)庁まつりというのが年1回あるんですけど、そういう祭りの催し事とか熱心に取り組んだりとか、そういう感じなんで。あとは(中之郷地区の)人数自体がそんなに多くないところなので、ほとんどの人が顔見知りというか。基本的に明るい人が多いのでもう、声をかけてくれたりとかして、個人的には好きな地域ですね。

 

●バスの運転手になろうと思ったきっかけは?

保育園の卒園の時に何になりたいか、といった時に、バスの運転手と言った記憶がちょっとあるんですよ。そのぐらいから、中学、高校で機械のほうはもとから結構好きだったんですけど、高校の時でも、どのバスのエンジン音が好きだとか、この運転手の運転いいなとか、そういうのを気にしている高校生で。そのあと車の整備の専門学校に行くんですけど、ずっと車とかいじって、その間も乗り物とかすごく好きだったんですけど、島に戻ってきて、衝撃的だったのが、クジラの絵が描かれているバスが走っている!(ということ。)今まで見てきた路線バスと系(デザインの系統)が違ってて、すごく可愛いというか、“いいな!”って思ったんで。それで写真とか撮ったり気にしていたんですけど、しばらくしてバス(運転手)の求人があるってことで、それでもう、やりたいってことで、バスの運転手になりました。

 

●イラストのバスは全部で何台ありますか?

主に路線バスになるんですけど、4台あります。ほかに、トビウオの絵が描いてある、水色のラインが入っているのがあるんですけど、あれは主に観光で使っているバスで、7台あります

 

●最新の素敵なバスはどなたが考えたのですか?

一番新しく購入した路線バスなんですけど、あの絵はウチの企業課運輸係の職員全員で案を出し合って決めた絵になります。

 

(編注:上記1枚目の画像)

 

●バスの運転をしていて楽しいことは何ですか?

バスに乗ってくるお客さん、結構何回も乗ってくるお客さんなので、そうすると顔を覚えてもらえて、(バスの中で)ちょっとした会話をするんですよね。そうした会話をするのが結構楽しかったりとかしますね。あとは、島の端から端を走るので、季節が変わってくるとどこの花が咲いたとか、あと、(冬場は)クジラがぼちぼち出始めてるとか、そういうのが結構、見てわかるので、そういうのにいち早く気付けるのはすごくいいとこかなと思います

今のは路線バスの話なんですけど、観光バスも運転するので、観光バスは、乗っている人がもう、島に観光に来ている方なので、そういう方とじかに喋れるのがすごくいいですね。島のことを好きになってもらえるように、ファンを増やそうという気持ちで、そのお客さんと喋ったりとか、あと、知っている島の情報を話してあげると喜んでくれるので、そういうのを見ているとすごい楽しいですね。

 

●バスの運転で大変なのはどんなことですか?

見ての通りバスはすごい大きいので、あれを島の道で運転するというのは、一番気を遣いますね。中にお客さんも乗ってますし、お客さんに、なるべくこう、揺れないように走ったりしながら、大きいバスを動かすっていうのは、精神的にきます。あとは、車体が大きいっていうのもあるんですけど、走っていると、上から木の枝がよく出てくるんですよ。島はすごい緑がいっぱいなんで、その出ている枝を避けなきゃ行けないし、対向車も来るし、というところがあるので、そうしたところに気を遣いながら(走る)というのが、大変だったりしますね。

 

●わたし達がバスを利用する際に気をつけてほしいことがあったら教えてください

(路線)バスを利用したことのない方がいるかも知れないので、一応軽く(乗り方の)おさらいなんですけど、路線バスに乗るときは、前方のドアから乗ってもらって、どこまで行きたいかを運転手さんに伝えてもらって、(距離別で運賃が変わるので、)運転手が運賃を伝えますので、その金額を運賃箱に入れてもらうシステムになってます。ちょうどの小銭がなくても、一応両替機はあるんですけど、出来れば細かいお金を用意してもらった方がスムーズかなっていうところですね。あとは、降りたい停留所に近づいたら、降車ボタンがあるので、それを押してもらえばバスは止まるので、バス中央部にあるドアから降りてもらうというような流れですね。そういう中で(よく)あるのが、停留所にバスが止まるんですけど(なるべく降りるのに時間をかけないようにという親切心かなと思うんですけど)止まる前に席を立ってしまうお客さんが結構いるんですけど、あれだけ大きいバスを丁寧に止めるってなかなかな技術なもので、バスが止まる寸前に何か(動物・人)が飛び出るとか、車が急に出て来るとか、そういう予測が難しいことがたまに起こることがあるので、そういう時、急ブレーキを踏まなきゃいけないんですよ。急ブレーキ踏むと、その時に立っていると、結構な勢いで身体が持っていかれるので、バスの中で転んでけがをするということがあります。なので、なるべくなら、停留所でバスが止まってから、席を立って降りるというのを、やってもらいたいな、ということですね。

 

●Suicaなどの電子マネーは使えますか?

交通系の電子マネーは、バスの中では使えないので、現金を用意してご利用ください

 

●運賃の目安を教えてください。役場から底土、また、最長距離はいくらですか?

(いずれもおとな片道の運賃)

旧町役場から底土(※)だと、200円。最長が、洞輪沢(ぼらわざわ)というところで、そこから神湊(かみなと)で、610円。

 

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(編注:令和4年度から、通年底土まわりになりました。)

 

 

●わたし達が道路でバスとすれ違う際に気をつけた方がいいことはありますか?

車であれば、すごい緊張すると思うんですよ。でっかいものとすれ違うので。ちょっと(端に)寄せてくれたりするんですけど、カーブのところで待ってくれる運転手さんがいらっしゃるんですが、意外と大きいバス…、に限らず大きいトラックでもそうなんですけど、カーブ全体を使って曲がるので、カーブで止まってしまうと、こちらが逆に曲がれなくなってしまったりするので、出来れば直線で待っていただけると、(バスも大型トラックも)すごい助かると思うので、そこはお願いできたらいいかなって感じがしますね。あとは交差点とかの停止線があると思うんですけど、あそこを(信号があると急に変わって停止線で停まれないことがあってはみ出してしまったりとかあるかと思うんですけど、)停止線より前に出てしまうと、交差点で曲がる大型車は交差点目一杯使って曲がるので、停止線からちょっとでも出ていると、そこをぎりぎりで避けるみたいになる場面が出てきちゃうので、停止線になるべく停まってもらえると助かるかなという感じですね

 

●運転していてヒヤッとすることや運転しづらいポイントはありますか?

バス大きいので、走ってて、ちょっと緊張するのは、大里の狭い道ですね。あそこは(道沿いに)玉石があって、道幅が広げられない状況になっているんですけど、(一応だんだん広がるみたいなんですけど、)現状あんまり広くないので、あそこを通るときには、あまり先が見通せないので、なかなか元気よく(車を)走らせて来る方もいらっしゃるので、そういう時はビックリしたり。あとは(その狭い道沿いに)電柱が建っているので、そこを縫うように走る感じになるので、大里の狭い区間は緊張しますね。

(編注:大里付近の道。バスなど大型車はセンターラインを超えてしまうことが多いので、すれ違う車は電線の前に寄せて停まったりしているようです。)

 

あとは各駐車場のロータリーですかね。病院の車寄せのところのロータリーはとかは、(送迎で)結構混んだりとか。あとは見通しもあまりいいところではないので、すごい緊張しますね。あとは学校(八丈高校)に行くのとかでも、朝の通学時間帯とかはもう、お子さんを連れてきたりして殺到するので、車がたくさんになってしまうと緊張感は増しますね

 

●バスの便利な利用法や楽しい利用法があったら教えてください

バスに乗るときに便利なのが、2日間、温泉とバスが使い放題になる

「BU・S・PA(バスパ)」というものがあるんです。

これは、乗り換え案内をやっているジョルダンというところがやっているサイトで、電子決済で買うという方法もあるんですけど、あとはバスの車内と、バスの事務所で購入できる紙のチケットがあるので、1000円払っていただければ使えます。実際のバスの料金で行くと、(バス事務所がある)旧町役場から、末吉のみはらしの湯に行きたいってなると、(おとな運賃で)片道470円かかるんですよ。そうすると往復だけで940円。かつ、温泉に入るので500円かかっちゃうので、その時点で1000円超えてしまうんですね。なので、そこに行くだけでもバスパを買って乗って行くだけでもすごいお得に使えますし、フリーパスなので、乗る時に“いくらですか?”というやり取りが不要で、バスパに書いてある日付を運転手さんに見せてもらえば、それで“あ、どうぞ”となるので、すごい便利だと思います。観光客の人は特に、使っていただければ、温泉めぐりをするのには最適な方法ですし、使っていただきたいと思います。

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あともうひとつ、便利なものが、シルバーパスというものがありまして、これは70歳以上であれば、年間1000円で手に入れることができます。(シルバーパスは)町営バス乗り放題でもあるんですけど、東京都が出しているものなので、都営バスでも使えますし、都営地下鉄も乗り放題になりますので、70歳を超えていらっしゃる方であれば、手にしていただくことでいろいろ使えると思いますので、使ってみてください。シルバーパスは収入によって(購入)金額が変わってしまうので、そこは、バス事務所に問い合わせていただけたらと思います。

 

あともし、小さなお子さんがいるんだったら、バス乗ると、結構目線が上がるので、いつも通る道とかが全然違う風に見えるので、お子さんと一緒にバスを利用していただけると結構楽しめるかと思います。ウチも子ども2人いるんですけど、よくバスに一緒に乗っているんですけど、子ども結構喜んでくれます。なので、子供いる方ぜひ、バス利用していただいて、乗ってみると、島を違う目線で見られるかと思うので、おすすめです。

 

 

●バスの運転手さん目線での島内おすすめスポットがあったら教えてください

バスで島の中を走っていて、結構気に入っているのは、やっぱり定番ではあるんですけど、横間(よこま)ですね。あそこの景色はやっぱりすごいですね。あとは末吉に「名古の展望」というところがあるんですけど、あそこ最近手入れとか進んで、あそこから見る景色は結構いいものです。(景色を)独り占めできたりするので、行くとホッとできます。あとは個人的に末吉は全体的になんとなく、個人的に好きです。

 

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横間から望む景色。

 

(後編へ続く)

 

この動画を紹介する、スーパーあさぬまのブログ記事。

 

 

 

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