【文字起こし】八丈島STYLE 八丈島民インタビュー⑧(前編) | らいむの“ひょっこり八丈島”

らいむの“ひょっこり八丈島”

八丈島への「入口の入口」になれば、と始めてみました。

島のこと、島暮らしのことなど、書いていこうと思います。

#8 キッチンカーBANDWAGON 浅沼碧海さん

 

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浅沼碧海、32歳、末吉出身です。母方の故郷である大阪で産まれて、八丈島で育ちました。大学(進学)を機に八丈島を離れて、2018年、3年前に戻ってきました。戻ってきてからは、 (インタビューの場所である)リードホテル&リゾート株式会社という場所に就職して、今現在に至っています。

 

●大人気のキッチンカー・バンドワゴンを企画したきっかけを教えてください

まずは去年の緊急事態宣言が3月に発動されて、(みんな苦しんだのでしょうけど)僕たちはホテル業ということで、観光業界はコロナの影響で大打撃を受けました。その中で、ホテル業を続ける意味でも、大事なことだとは思ったのですが、やっぱり、個人のスキルが求められる時代じゃないかなと思ったときに、自分の力で収入を得られるようになりたいなと思ったのがひとつ。あとはコロナ禍によって楽しみを奪われたと、自分の中で感じました。ライブもできない、飲食店にもなかなか行けない、といった中で、八丈島で何か楽しいことができないかと考えた中で、そのふたつを自分の中で考えた時に、“八丈島の中でキッチンカーをやりたい”という話は、自分の知り合いから結構聞いてはいたのですが、その時に、キッチンカーを持っていれば、それを活用して、八丈島でイベントなど楽しいことができるんじゃないかと思い立ったのがきっかけです。

 

●バンドワゴンは、ウルクラフトさん、ワイルルさんとのコラボ企画ですよね

BANDWAGONというユニットを組んでいるのは、僕自身、浅沼碧海ひとりだと、八丈島でイベントを起こしても、力不足だと思っていた、というのと、以前からURUCRAFTのえりこさんとワイルルのカルーチさんとは知り合いで、3人で何かやれたらいいね、という話は、前々から少ししてたんですね。で今回、キッチンカーをやるとなって、お二人にお声がけさせていただいて、自分の中の構想(を伝えたところ)で、お二人とも快諾してくれて、3人でやろうと、キッチンカー事業を始めたのがスタートです。

 

(編注:同じような表現が続いたので、いくつか省いています。)

 

●お二人が作るスイーツはもとより、碧海くんのコーヒーも大好評ですが、どこかで勉強したことがありますか?

コーヒーに関して言うと、僕はコーヒーが大好きで、おそらく中学2年生頃から毎日ひとりでインスタントコーヒーを飲んでいて。大学時代に、(コーヒーが本気で好きだったので)まずは自分で機材を全部買って淹れ始めました。アルバイトもなるべくコーヒー関連にして、基本的なコーヒーの勉強をしました

少し話は飛びますが、大学を卒業して就職先を福島にしたんですけど、そこで素敵なコーヒー屋さんをたくさん見つけて、そこの人たちにも良くしてもらって、(後日)僕がキッチンカーでコーヒーを出したいと話をしたところ、その福島の店から“ウチの豆は使っていいよ”とお声がけいただいて、今そこの豆を使って、キッチンカーでコーヒーを淹れさせていただいています

 

●以前にライトハウスという出張カフェをされていましたが、今後はバンドワゴンに吸収してやっていく方向ですか?

キッチンカー事業の前に、まず、いつか自分がカフェをやりたいという目標があって、先にどうしても「屋号」みたいなものが欲しかったので、

最初は、末吉の灯台が好きだったので「ライトハウス」と決めて、看板を作ってもらったのが(ライトハウスの)きっかけです。自分がコーヒーを出す時には、なるべくライトハウスという名前で出そうと思っていて、今は一応キッチンカーバンドワゴンとして運営はしているんですけれど、ライトハウスというカフェの看板を、キッチンカーの横に置いて、コーヒーを淹れている、という感じですね。今後はキッチンカーでやるのか、自分でカフェを持つのか、まだ決まってないんですけど、なるべくやりやすい、楽しいほうに持っていけたらと考えています。

 

●最近バンドワゴンで高齢者向けのお弁当配食サービスを始めましたね。それはどのような内容ですか?

お弁当配食サービスは、キッチンカーとは直接つながらないんですけど、バンドワゴンのメンバーに今現在、高齢者で車を持っていない人たちが八丈島には多数いると、それで今、社協さんなどは週1回、お弁当を持って行っているんですけど、坂上地域(※)にお弁当を持っていく、みたいなサービスはできないか、という提案がこのバンドワゴンチームにありました。僕たちも(その話に対して)どうしようかと思って、1回、実験的に9件ほどお弁当を坂上の人達に配達して、実際にご高齢の人たちに話を聞いたり、会ってお弁当を手渡してみたら、(自分自身が)個人的にとっても嬉しかったんですよ。それプラス、お弁当を持っていくことに喜んでもらえたり、“会えて嬉しい”と言ってもらえたり。そういった意味では、楽しい、ももちろんそうなんですけど、すごく、社会的意味を感じたというか…、これは八丈島にとって必要なサービスではいかな、という思いが、3人の中に出てきて、これはやってみてもいいんじゃないか、という状態で、今は実験的なんですが、毎週1回なんですが、坂上の買い物ができない人たち限定で、お弁当を配っているという状況です。

 

※坂上地域…島の南部。樫立・中之郷・末吉

 

●素晴らしいですね!お買い物代行サービスなども検討中と聞きましたが?

まだ実験的ではあるんですけど、例えば日用品(紙おむつやトイレットペーパー等)を、希望者の方に、お弁当を渡すついでに買って一緒に持っていく。なるべく八丈島のお店で買って、どこどこのコレがいいというのが(ご年配の方は長く住まわれているので)そういった場所を自分たちが代わりに買い物に行って、お弁当を運ぶついでにお渡しする、みたいなことがやれたらいいね、と思っています。

あとは、広い話になるんですけど、例えばゴミを捨てて欲しい、例えば有明(※)に持っていってほしいとか、そういったことは、なかなか車がないとできない。あとは親族の人たちが手助けをしてあげないとできない。ということが、現状八丈島にはあると思っていて、そういった手助け等を、今後広めていくのであれば、(自分たちも)やれたらいいなと思っています。

 

※有明…有明興業。島のごみ処理業者。リサイクル家電、粗大ごみなどを持ち込む

 

 

●リードパークにお勤めされていますが、どんなホテルか教えてください

 

 

 

自分の島の中での印象なんですけど、観光の人たちの入口であり、玄関であると思っています。それはシーピロスさんもビューホテルさんもそうだと思うんですけど、やっぱり、入ってきた瞬間に、いいなって思ってもらえたら、八丈島の観光も楽しみになると思っています。なるべく観光の方たちに楽しんでもらえるように。あとはホテル業全部そうなんですけど、ここが活性化することによって、八丈島の観光全体も活性化する、潤う、と思っていますので、そういう玄関先(プラットフォームの意味?)だと思って、僕はリードパークをとらえています。

 

 

八丈ビューホテルさんと、リゾートシーピロスさんの公式サイト。

 

 

●リードパークの中ではどんなお仕事をなさってますか?

リードパークは大きく、フロントスタッフ、レストランの配膳スタッフ、厨房スタッフ、客室清掃スタッフ、施設管理スタッフという5部門があって、僕はその中の、レストラン配膳スタッフと、客室清掃スタッフのマネージャー部門の管理者として携わっています。

 

●ホテルのお仕事の喜びや楽しみはどんなところですか?

たくさんの人に出会えることだと思います。もちろん観光で、多くの人が来てくれて、(八丈島ではない)毎日違う人と会う、ということで、意見や感想をもらったり、刺激を受けたり、時にはお叱りを受けたりして、新しい価値観をもらえるのと、あとは、お客様のほかに弊社(リードホテル&リゾート株式会社)というのはリゾートバイトという形で派遣のスタッフが年に何人も来てくれます。そういった意味では、八丈島の中の毎日同じ人と接する職場ではなくて、新しい人たちと、空気が入れ替わるように、いろんな人たちに出会える職場、というのが、働いていて楽しい。喜びですね

 

●緊急事態宣言でホテルが休館しましたが、その間はどのようなことをしていましたか?

弊社は、ホテル事業もそうなんですが、系列として八丈島乳業であったり、ジャージーカフェであったり、あとはビジターセンターにあるジェラテリア365も含んだ、複合的な会社です。今はホテルが止まっていて、仕事がない中で、八丈島乳業の牧場スタッフをいただいて、今後、牧場の敷地を増やすために、開拓でしたり。あとは牧場の牛たちが食べるマグサ(八丈ススキ)を、広大な敷地に植え替えて、2年後、3年後に牛の餌となるように、マグサの補植作業というのを、この1ヶ月間、続けてきました。(ここから見えると思うんですけど、)このホテルの敷地一帯に、マグサを植えたりして、今完成したばかりですので、そこは、リードパークの成長を見ていただけたらなと(思います)

 

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●緊急事態宣言中はどんなことを考えましたか?

今回は2度目の緊急事態宣言(2021年1月8日~6月21日)ということで、自分自身では、それを精神的に受け止める強さをつけなければいけないかなと思って、12月の終わりくらいから禅の本をたくさん読みました。前回(2020年4月7日~5月25日)の時は、キッチンカーを始めたりして、なるべく活動的に動こうとはしたんですけど、やっぱりスタッフの不安もあり、自分自身も“今後どうなるんだろう…”という不安がある中で、葛藤が続いたので、今回はしっかり受け止めて、まずは現実的に、やるべきことをやっていこうと思って、なるべくポジティブに、スタッフと一緒に、牧場作業であったりをしています。

 

この動画を紹介する、スーパーあさぬまのブログ記事。

 

 

 

(後編に続く)

 

 

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