【文字起こし】八丈島STYLE 八丈島民インタビュー⑥ | らいむの“ひょっこり八丈島”

らいむの“ひょっこり八丈島”

八丈島への「入口の入口」になれば、と始めてみました。

島のこと、島暮らしのことなど、書いていこうと思います。

#6 あいがえスタンド 音楽食堂うたとごはん 大澤萌さん

 

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みなさんこんにちは。大澤萌です。29歳です。

 

●略歴を教えてください

高校を卒業して、東京に出まして、そちらで飲食店の仕事などをして昨年(2019年)、八丈島に帰ってきました。

 

●昨年、ミス八丈島を務めていかがでしたか?

1年間、結構大変なことも多かったんですけれども、感想としてはすごく楽しかったです。というのもですね、ミス八丈島になってから、島のことがすごく知れた、といいますか、今まで住んでいたのに、全然知らなかったということが多かったのと、何よりたくさんの人に出会えたことですね。本当にこんなにいろんな人が島にいるんだな、というのがとてもビックリしました。ということで、楽しかったです。

 

●八丈島への認識や思いが変わったことはありますか?

そうですね、とても変わりました。

学生時代は家と学校を往復だけで、あまり(家の)外には出なかったのもあって、あまり島のかたと関わるというのはなかったんですね。なのですごい自然のいい島だなというぐらいにしか感じていなかったんですけれれども、ミス八丈島(になったこと)を通してですね、すごく島の“人”がいいんだなというのをすごく実感する1年でした。

 

●あいがえスタンドはいつオープンしましたか?

お店をオープンしたのが(2020年)9月15日です。

 

 

 

●営業時間と定休日を教えてください

オープン時間が11時から17時までで、定休日が月曜日と金曜日で、祝日は営業しております。

 

(編注:2021年6月現在、不定休のようです。詳しくは最新の情報をご確認下さい)

 

 

●あいがえスタンドはどんなお店ですか?

テイクアウトがメインでお席がないんですけど、ドリンクと軽食とお弁当、それから八丈島のおみやげや雑貨(タオルや日用品など)を置いている、結構小さいお店です。

 

●あいがえスタンドの人気メニューを教えてください

ドリンクでしたら、藍ヶ江ブルーというクリームソーダが人気です。藍ヶ江の海をイメージして、青いソーダを作りまして、その上にアイスクリームがのっています。インスタ映えです(笑)

ごはんものだと、海鮮フライのお弁当が人気がありまして、八丈島のお魚を使っていたりします

 

●藍ヶ江に人を集める目的は達成できそうですか?

まだまだ全然、というところなんですけれども、島の中でも、「久しぶりに坂上に来た」と言ってくださるかたもいて、そういう意味では、ちょっとずつでも来ていただけて、いるのかなと思う反面、まだまだ藍ヶ江の滞在の仕方というのを提案できていないのかなと思うので、これから散策マップだったり、情報の発信をして、たくさんの人が来てくださればいいなと思っています

 

●旧蓮華にオープンした「うたとごはん」の営業日程は?

「うたとごはん」は毎週土曜日の夜のみ営業しておりまして、営業時間が18時から22時までで、ラストオーダーが21時半、となっています。

 

●うたとごはんはどんな狙いのどんなお店ですか?

もともとは蓮華のオーナーさんとお話しして、「毎日違う人がお店やっていたら面白いよね!」という話と、(旧)蓮華は夜使っていないので、

(取材当時は「食堂とカフェ くず」を営業していました)なにか活用したいということから、使わせていただくことになりました。

現在私がお試しという形で、やらせていただいてまして、今後、もっとたくさんの人に使ってもらって(いただけたらと)なかなか毎日飲食店は大変なので、1日だけでもやってみたいという方がやっていただく場所だったり、八丈島で開業したいけどまだ八丈島のことがわからなくて不安だなという方のお試しの場所になっていけばいいなということで、オーナーさんと逐一やりとりをして、「こういうところは、こうだよ」「ああしたらいいよね」と詰めている状態です。「うたとごはん」というお店自体は、私がもともと音楽が好きなので、音楽好きの人が、交流できる場所だったりとか、あとはカラオケや弾き語りができるので、まだライブハウスは心配…、なかなかちょっと難しいというかたのチャレンジの場所になればいいということで、学生さんにも出ていただく予定があったりとか。あとはアーティストさんに投げ銭の方式をとってまして、自分が(演奏したり歌ったりしたこと)に対してお金になる体験をしていただける場所になればいいなと思っています。

 

●うたとごはんでも自分のやりたいことを実現されていますね

そうですね。自分がライブハウスで長く働いていたり、バンドをやっていたりと、音楽がずっと好きなので、それに携わっていられるというのはとても嬉しいですね

 

●お店で萌さんも歌っていますか?

するときも、あります。基本的には料理を作っている側なので、本当に時間が空いた時とか、お客様にリクエストをいただいた時に、ちょっとだけ歌わせてもらってます。

 

●萌さんがよく歌うベスト3を教えてください

だいたい同じくらいの頻度になっちゃうと思うんですけど、1番お客さんにリクエストをもらえるのが、 Charaの率いるバンド、YEN TOWN BANDの「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」 。映画の主題歌にもなっていた曲なんですけど、こちらをリクエストいただいて歌うことが多いです。あとは個人的にYUKIがすごく好きで、「2人のストーリー」って曲をよく歌います。あともうひとつだと、RADWIMPSのボーカルの方がやっているillionというソロ活動の「BANKA」という曲がありまして、これは「東京喰種」の映画の主題歌となっているんですが、こちらも良く歌います。お気に入りです。

 

●萌さんのあいがえ企画で今後予定していることはありますか?

今、屋内で滞在できるスペースがないので、まだこの建物に空いている部屋とかがちょっとあるので、そちらを改装しつつ、イベントのスペースだったり、ちょっと泊まれるような場所を作って、島暮らしの体験だったり、リモートワークの体験イベントだったりを、やっていきたいを思っています。

 

●生まれ育った藍ヶ江の魅力を教えてください

まず、圧倒的な自然ですね。やっぱりこう、毎日見てても飽きないです。東京とかで家の中でボーっとしている時間がもったいないとか損した気分になるんですけど、藍ヶ江でボーっとしていると、全然そんな(損した)気持ちにならなくて、“許される場所”だなと思います。あとはそういう自然の中に温泉があるというのは魅力のひとつだと思います。

 

●藍ヶ江がある中之郷地域はどんな地域ですか?

島の魅力が凝縮されていると思います。昔ながらの玉石垣だったり、とか、黄八丈の工房だったりとかもありますし、集落の中の人間関係がまだ間密で、昔ながらの島が残っている反面ですね、新しいお店ができていたりとか、しいたけの農園があったりとか、新しい風も吹いていて、すごくおもしろい地域なんじゃないかと思います。

 

●島暮らしを楽しむポイントを教えてください

“不便をおもしろがる”ことですかね。やっぱりコンビニもないし、オシャレな洋服屋さんがあるわけでもないし、台風が来ちゃうと停電しちゃうし、と、結構不便なことが多いんですけど、例えば「夜中にコンビニスイーツが食べたくなったら自分で作ってみたらいいじゃん!」とか、「台風で停電しているんだったら、この機会にデジタルデトックスしてみたらいいじゃん!」とか。

悪天候で船が1週間とか来なくなるんですよね。そうすると生鮮食品とかがスーパーから消えてなくなるんですけど、そうなったらもう、自分で魚を捕りに行けばいい、山に行けばおいしい野菜が発見できたりしますし。あとは思ったのは、お店でお豆腐のハンバーグ弁当をウチでやっているんですけど、お豆腐がずっと手に入らなくて、お豆腐をイチから作ってみようかなとか、大豆を作ってみようかなという、どんどんチャレンジが生まれていくというか、そういう風に不便を楽しんでいると、いろんなおもしろいスキルが自分に身についていく、というか、そういうところがおもしろいので、「島って不便でやだなぁ」と思うんじゃなくて、「(不便ならむしろ)じゃあどうしよう」という風に考えていくと、島はおもしろく感じられると思います

 

●趣味は読書だそうですが、おすすめの本を教えてください

最近読んだ本でおもしろかったのは、團伊玖磨さんの「八丈多与里(はちじょうだより)」というのがありまして、エッセイなんですけども、(今から)50年くらい前に刊行されたものでして、やっぱりその頃の八丈島って、全然違うんですね。例えば飛行機は1日5便飛んでいたりとか、船は毎日は来なかったりとか。でもそういう違う中でも、全然変わらない八丈島というのも書かれてて、例えば黒砂(砂丘)から見る夕日がキレイだとか、しまの四季折々の自然ですね。もう、読んでいるだけで、目の前にはそれが見えているような、そごく繊細な

執筆をされてまして、とても身近に感じるのとともに、とてもおもしろいなと感じました。

 

 

 

 

●得意料理はどんなお料理ですか?

私はパスタがすごく好きですね。昔パスタ屋さんでバイトをしていたのもあって、よくパスタを作ります。学生の頃から(おいしいかどうかはさておいて)、友達にカルボナーラをよくふるまってました。なので、パスタはよく作っております。

 

●あいがえスタンドにもパスタメニューはありますか?

一応、1種類だけなんですけれども、島レモンとタラコのパスタ、というのがあります。

 

●最後に何かPRしたいことがあればどうぞ

中之郷藍ヶ江地区、結構八丈島の中でも遠いところになってしまうかと思いますが、とても、のんびりスポットだと思っておりますので、是非皆さん、遊びに来ていただけたらと思います。これからの時期(インタビューは11月)、特にクジラも、夕日も見えるスポットになっていきますので、いまちょうど、クジラの観察セットをつくろう、というのを目論んでおりますので、是非皆様、クジラを見に来てください!

 

●クジラ観察セットとはどのようなものですか?

双眼鏡と、あとはクッションですね。それとブランケットと、飲み物が1杯ついて…というのを今考えていて、まだ決定ではないんですけど、いま詰めている状態です。(2020年)12月くらいからできたらいいかなと思ってます。

 

 

追記。インタビュー後の2020年12月5日から、くじら発見セットのレンタルが始まりました。また、11月~4月ごろのクジラ観測シーズンが来たら、レンタルが再開されるかもしれません。

 

ありがとうございました!

 

 

 

インタビュー動画。リンク等はこちらの説明欄から。

 

(あとがき)

中之郷地区の中でも藍ヶ江という場所は、温泉がいくつかあったり、釣り場があったりはするのですが、観光という視点ではあまり取り上げられないような気がします。その場所で生まれ育った萌さんがお店を開いたのは(もともと祖父母の代がお店をやられていた?)当時の賑わいを取り戻したいと考えたのだろうと思います。旧蓮華にオープンした「うたとごはん」も、新たな交流の場になっているようです。今は自粛期間中でレンタルスペースのみになっていますが、営業再開が待ち遠しいです。

 

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