で・・・マッターホルンをやっぱりあきらめきれない夫・・・
翌朝早朝5時半から起きて情報収集していたらしく、私が起きるのを待ち構えていて開口一番「今日の夕方から天気が崩れるらしい」
今日はマッターホルンのあるツェルマットに行く予定だけれど、ツェルマット到着まで天気は持ちそうにないといい「ここから午前中、裏側からでもいいからどうしてもマッターホルンが見えるところまで行きたい」と言い出しました。
ううむ…昨日付きあってドライブしたのに、まだあきらめてなかったんだな。
それはすなわち、途中まで来ていたアオスタ街道をいったん引き返し、北上してマッターホルンの裏側であるチェルビニアに行くということ。つまり、イタリア側でもいいから見たいということです。
このイタリア側から見えるマッターホルンを「モンテ・チェルビニア」と呼ぶそうで、こちら側は日が当たる南側なので雪は溶けています。
そのため、同じマッターホルンでもあの雪を頂いた優美な姿ではないのですが、何が何でもマッターホルン(モンテ・チェルビニア)を観たいという彼の熱意にほだされて、可愛いコテージを早々に後にすることに(涙)
もっとこの素敵なコテージで、ゆっくりしたかったよぉー( ;∀;)
そんなわけで、元来た道を戻り、午前中にチェルビニアに到着しました。
先程書いたように、スイス側と違ってこちらは南側にあたるので雪が解けて、普通の高い山の風情。
山の頂上付近に雲がかかってますね。
どんよりとしたお天気。観光客も少なくて閑散としています。
チェルビニア行きのロープウエイ
雪が積もっていたら、こんなふうに見えるらしい
三本のロープウエイを乗り継いで到着した終点付近はスキー場が広がっており、マッターホルン山頂を背に大人も子どもも滑っています。
※ここは頂上ではないのです。
この暑さで雪はじゃりじゃりだけど・・・
スイス側からゴンドラリフトを乗りついで、イタリア側に回り込んで来ることも出来るそうです。
国境はどうなっているのかな~
ただ、やっぱり雪が解けているところはあります。
うーむ。
暑いんだよね、この時期は。
でも、山の上からの眺めはやっぱり素晴らしく。
山が蒼い!
近くには食事できるところが一軒あったので、ランチにしようと思って入っていきました。
小さな売店も兼ねているようなお店。
ここはそのお店の隅っこの食べるコーナー。
カウンターでメニューを見てパスタを注文すると、店員の若い女の子がイタリア語で何かまくし立てています。
イタリア語が通じないと分かったのか、近くにいた若い男の人が英語で説明。
「だーかーらぁ。お湯沸かすのに10分か15分かかるだろー、だからさー、時間がかかるからできないの。わかるー?」ってな調子。
日本だったら「お客様、お時間を少々戴きますが、それでよろしいでしょうか」とでも言われるところなんだろうけれど、ここはイタリアだからね。
でも、この際日本のことはさておいても、他の客もいないのに作るのに時間がかかるからダメっていう理由。できないメニューは載せないでよ~と内心思って、仕方なくパニーニを頼みました。
こっちは値段はそんなに高くないので、まあいっか。
味はまあまあ。パニーニ、失敗しようがないもんね(笑)
それにしてもイタリア人って(こういうステレオタイプのいい方は良くないんだろうけれど)手抜きに関しては情熱を持ってるなぁ~
※あくまで私個人の感想です。
コルティナダンペッツォでも自分たちのシエスタのために、デパートのお客さんをみんな追い出していたし、ヴェネツィアでもヴァボレットのルート質問した時も不親切で思ったけど…。
あ、イタリアの文化に対してはリスペクトしていますよ。私。
古代ローマ人は、ある程度まで版図を広げた後は怠惰ではあったかもしれないけれど、征服した国々で英知を結集して自分たちの娯楽施設を奴隷にせっせと作らせ、水道橋などを建築して都市計画を綿密にたて、道路を整備して統治をなしてローマ帝国を作り、パックスロマーナを実現し、学問も技術も抜群だった。
そしてその子孫たちは、祖先の作り上げた(作ったのは奴隷ね)建築物を観光資源にして、こうして2000年以上その恩恵にあずかり続けているわけですから・・・
生真面目すぎる国民性の我が国とは、当たり前だけどずいぶん前提が違うんだなー
そんなことをつらつら考えながら付近をのんびりと散策しました。
今日はこれからぐるっと山のすそ野をまわってツェルマットまで行かなければならないので、そろそろ山を下りることにしました。
夫も一応満足したようだし。
まだ雲がかかってるなー。
私たちが行ったのは、チェルビニアのプラト・ローザという展望台です。
標高は3480メートル。
今から考えてみると、富士山と同じぐらいの高さ。
ロープウエイで一気にそこまで登れるなんて、やっぱりすごいなぁ。
そして、その山の上でスキーするなんて、、、
ちょっと雲がかかっているけれど、やっぱり迫力があります。
でも廃墟なんかもあったりして・・・寂れた観光地って感じ。
この後いったマッターホルンのスイス側とは、同じ山でも雰囲気も全く違います。
そうこうして山を下りてくる時に、ロープウエイで一緒だった男の子が「コンニチハ」ってもじもじしながら話しかけてきました。
「日本語知ってるの?」と聞いたら彼のお父さんが「彼はニンテンドーDSの大フアンなんだ」と解説してくれました。
そのおかげでこんな小さな子でも「ありがとう」と「こんにちは」は言えるらしい。
恐るべし、日本文化。
そういえば、ライオーンでも「コンニチハ」っていわれたなー。
小さな子はニンテンドーで日本語を覚えるのかー。
ここに来る日本人の観光客はあまりいなさそうだから、珍しかったのかな。
きっと勇気を出して話しかけてくれたんだろうな。ありがとね。
さて、マッターホルンへ向けて、来た道を戻りつつ向かいます。