【7458】第一興商/正常化に伴い順調な回復が進む、需要変容で飲食店舗の業態再転換も。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7458】第一興商 (東証プライム) OP

現在値  2,022円/100株  P/E 17.1  P/B 2.07  3月配当優待 9月配当優待

業務用通信カラオケ『DAM』で業界首位、直営でビッグエコー・飲食店。
配当金は年2回の合計57円のため、配当利回りは約2.82%となります。

第一興商は株主優待制度を実施しており、200株以上の3月末・9月末株主に対して、当社利用券(カラオケ店舗・飲食店舗で利用可)を5,000円分を進呈しておりますので、配当優待利回りを算出した場合は約7.76%となります。

業績を確認していきます。

■2021年3月期 売上高 933億円、営業利益▲26.9億円 EPS▲169.3円

■2022年3月期 売上高 947億円、営業利益▲2.8億円 EPS 47.6円 

■2023年3月期 売上高 1,281億円、営業利益 129億円 EPS 76.2円 

■2024年3月期 売上高 1,445億円、営業利益 180億円 EPS 118.8円 ce
□2023年9月2Q 売上高 712億円、営業利益 93.7億円 EPS 60.9円(11/9)


2023年9月中間期の売上高はYoY+17.4%の712億円、営業利益はYoY+71.5%の93.7億となり、増額後見通しを上振れて進捗しました。主力のカラオケ機器はシニア施設への営業再開のほか、新製品“LIVE DAM AiR”の投入により、上期末の機器稼働台数は計画超となる(YoY+2%)となりました。直営店事業も正常化にともなって入客が回復し、カラオケ店SSSは平時比90%、宴会需要が復元した飲食店に至っては同110%まで良化し、新規出店のダーツ店も寄与しました。

 

なお2024年3月期通期の予算は1Q時で増額しており、売上高はYoY+33.5%の1,445億円(期予:1,410億円)、営業利益はYoY+38.9%の180億円(期予:150億円)を予想しています。カラオケ機器は稼働台数が順調に伸長しているものの、設置台数増に伴う人件費・物流経費増で増収減益となる見込みです。カラオケ店と飲食店も同様に光熱費増加が見込まれるものの、企業コラボやアーティストコラボで集客が堅調に推移しているほか、出店純増による増収効果もあり、増収増益を見込みます。


当社は中長期的な経営計画を開示していないほか、業容を多角化せずに既存3事業(カラオケ機器、カラオケ・飲食店運営、駐車場)でのオーガニックな成長を志向しています。主力のカラオケ機器事業はずっと横ばいが続いているものの、機器販売から賃貸へのシフトを進め、新製品の発売有無による業績のブレの平準化を図っています。ストック性売上比は依然9割と安定しているものの、シニア施設への営業再開による稼働台数増や、アーティストのライブ活動再開にともなう本人出演動画の獲得といったコンテンツ力強化に取り組む方針です。

 

カラオケ・飲食店事業については、駅周辺でのビル一棟借りと業態複合で出店します。配置社員の最有効活用だけでなく、旗艦のBIG ECHOは法人需要が多いことから、一次会の飲食店も法人利用に馴染む個室業態中心とし、一気通貫で需要獲得を図ります。新型肺炎禍ではハイボールバーやパブのような酒類提供中心の業態に寄せていたものの、食事目的需要の方が回復が早いことから業態再転換等で対応します。


株主還元については、分割考慮後で年50銭の増配となる年57円(配当性向48.4%)を見込んでいるほか、昨年9月までに60億円規模(出来上がりで2%程)の自社株買いを実施したため、総還元性向は約92%に達する見込みです。

*参考記事① 2023-09-08 2,854円 NT

【7458】第一興商/人流回復で1Qはや増額修正、総還元性向は9割超に達する公算。

 

*参考記事② 2023-03-22  4,220円 OP

【7458】第一興商/カラオケ機器賃貸の回復顕著、自社株買い60億円で総還元性向は120%へ。

 

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