【7458】第一興商/人流回復で1Qはや増額修正、総還元性向は9割超に達する公算。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7458】第一興商 (東証プライム) NT

現在値  2,854円/100株  P/E 24.4  P/B 2.96  3月配当優待 9月配当優待

業務用通信カラオケ『DAM』で業界首位、直営でビッグエコー・飲食店。
配当金は年2回の合計57円のため、配当利回りは約2.00%となります。

第一興商は株主優待制度を実施しており、200株以上の3月末・9月末株主に対して、当社利用券(カラオケ店舗・飲食店舗で利用可)を5,000円分を進呈しておりますので、配当優待利回りを算出した場合は約3.74%となります。

業績を確認していきます。

■2021年3月期 売上高 933億円、営業利益▲26.9億円 EPS▲169.3円

■2022年3月期 売上高 947億円、営業利益▲2.8億円 EPS 47.6円 

■2023年3月期 売上高 1,281億円、営業利益 129億円 EPS 76.2円 

■2024年3月期 売上高 1,445億円、営業利益 180億円 EPS 117.6円 ce修正

□2023年6月1Q 売上高 353億円、営業利益 47.5億円 EPS 31.7円(8/9) 
□2023年9月2Q 売上高 710億円、営業利益 89.0億円 EPS 59.2円 ce修正


2023年3月期の売上高はYoY+35.2%の1,281億円、営業利益はYoY+133億円の129億円となり、1Qの増額見通しからも上振れました。主力のカラオケ機器は新型肺炎禍の一巡で、カラオケBOXやシニア施設の戻りがいまひとつながらも、スナック・バー等のナイト市場が顕著に回復し、期末の機器稼働台数も伸長(YoY+2%)しました。直営のカラオケ・飲食店事業についても、時短による営業制限が無くなったほか、個人向け業態への転換も進み、損益面でも均衡圏近くまで急回復しました。

 

進行期である2024年3月期通期の予算は1Q時点ではや増額しており、売上高はYoY+33.5%の1,445億円(期予:1,410億円)、営業利益はYoY+38.9%の180億円(期予:150億円)に修正しています。カラオケ機器については、低調だったカラオケBOXやシニア施設の回復が期待されるほか、4月に投入した新製品“LIVE DAM AiR”の寄与が見込まれます。また、直営店事業は新型肺炎禍前まで戻らない想定とするものの、カラオケ店と飲食店ともに店舗純増を計画しています。なお、8月9日開示済の1Qは売上高353億円&営業利益47.5億円で進捗しています。


当社は中長期的な経営計画を開示していないほか、業容を多角化せずに既存3事業(カラオケ機器、カラオケ・飲食店運営、駐車場)でのオーガニックな成長を志向しています。主力のカラオケ機器事業は最近10年で殆ど伸びていないものの、機器販売から賃貸へのシフトを進め、新製品の発売有無による業績のブレの平準化を図っています。また、売上の6割を占める配信料と賃貸料を合算したストック性の売上比率は実に9割に及んでおり、市場縮小するスナック・バー向けを、シニア施設の拡大で埋めてシェアを維持できるかどうかが投資論点となります。

 

カラオケ・飲食店事業については、駅周辺でのビル一棟借りと業態複合を特徴とした出店を進めています。これは単純な二次会需要の取り込みや社員配置面での最有効使用というだけではなく、繁華街に最新機種を配備することによる周辺飲食店への導入宣伝や、出退店のための不動産業者リレーションを駐車場事業の用地情報入手に二次活用しています。なお、当社の駐車場“ザ・パーク”は繁華街路地で不整形の狭小立地が多く、地上げ目的の種地保有というよりは、賃借でオーナーとの関係性強化を志向しているとみられます。


株主還元については、分割考慮後で年50銭の増配となる年57円(配当性向48.4%)を見込んでいるほか、別途9月末を期限に60億円規模(3.66%)の自社株買いを実施中のため、全部買った場合の総還元性向は約92%に達する見込みです。
 

*参考記事① 2023-03-22  4,220円 OP

【7458】第一興商/カラオケ機器賃貸の回復顕著、自社株買い60億円で総還元性向は120%へ。

 

*参考記事② 2021-02-19  4,155円 OP

【7458】第一興商/見通し再減額も、財務なお余裕残しで自社株買い進捗も順調。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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