【2798】ワイズテーブルコーポレーション/相次ぐ三者割当と既存店回復でひとまず債務超過を脱出。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2798】ワイズテーブルコーポレーション(東証スタンダード) NT

現在値 2,872円/100株  P/E 178.7  P/B 34.7 2月無配株主優待 8月株主優待

配当基準日は2月・8月の年2回ですが、既に無配転落しています。

ワイズテーブルコーポレーション株主優待制度を継続しており、2月末・8月末に単元株を保有する株主に対して5,000円分の食事券を年2回進呈しているため、優待利回りは約3.84%となります。

業績を確認していきます。2023年2月期より新収益基準に移行しています。 

■2021年2月期 売上高 82.8億円、経常利益▲13.8億円 EPS▲564.6円 

■2022年2月期 売上高 81.4億円、経常利益 3.0億円 EPS 106.1円 

■2023年2月期 売上高 97.8億円、経常利益 1.4億円 EPS▲23.7円

■2024年2月期 売上高 111.8億円、経常利益 2.8億円 EPS 16.2円 ce修正

□2023年8月2Q 売上高 55.3億円、経常利益 1.3億円 EPS 23.7円
□2023年11月3Q 売上高 83.0億円、経常利益 1.9億円 EPS▲9.3円(1/15)

2023年8月中間期の売上高はYoY+22.0%の55.3億円、経常利益はYoY*2.2倍の1.3億円となり、概ね計画線の進捗となりました。予算は平時並みまで回復する前提としており、実際に訪日客や日本人観光客需要が増加したものの、夏場の猛暑によるマイナス影響を受けてXEX事業SSSは95%となりました。同様にサルバトーレ他事業も復調したものの、平常化の進展でデリバリー伸び悩み、SSSは95%留まりとなりました。他方、利益については売上高の回復にくわえて協賛金や持分法利益が寄与し、大幅増となっています。


なお2024年2月期の見通しは3Q時点で再修正しており、売上高はYoY+11.7%の109.2億円(期予:116.8億円)、経常利益はYoY+77.1%の2.8億円(期予:3.3億円)を見込んでいます。上期の売上凹み分と最新の月次動向までを反映させた上で、期末までの残り月は概ね平時並みに戻る前提で売上高予想を組み直しています。利益面についても、FC店舗への代々木店売却益を計上する一方、人材市況の悪化にともなう採用コスト積み増して減額しています。

 

当社は中長期的な経営計画を外部開示していません。ラグジュアリーレストランのXEX事業については旗艦の代官山の閉店後、愛宕・東京駅・大阪・日本橋の4拠点(六本木森本を除く)体制が継続しています。他方、2019年にシンガポールのマリーナベイサンズで有名な「CÉ LA VI Tokyo(セラヴィ)」を渋谷に開業しており、JVパートナーのLVMHやPEファンドらとともに、持分法適用会社(50%)としています。著名アーティストの招致が進んでいるほか、パーティー/BBQの受注も好調に推移しており、足許の持分取込利益が増加しています。

 

サルバトーレ他事業については、過当競争気味のピザ業界での差別化のため、肉業態の併設を進めるほか、15~20坪の小型フォーマット店の展開と居抜き出店により初期投資を抑制し、FC店舗の獲得を推進します。ディナー帯の回復は顕著であるものの、正常化にともなう都心の人流変化でランチ帯が低迷しており、SNS活用等によるネット販促強化を進める方針です。また全社的な取組として訪日客強化を推進しており、ホテルからの送客や外国人向け観光サイトへの露出を増やし、個人旅行の取り込みを図っています。

 

財務状況については、度重なる店舗の閉鎖とそれに伴う減損計上等で急速に悪化した経緯があり、その後の資本性ローンで9億円と度重なる創業者等への三者割当増資で延べ11億円程を追加的に調達しており、足許の自己資本比率は5.7%まで回復しています。このため、本年5月に債務超過による上場維持基準ヒットを解消し、5月26日に猶予期間から脱しています。


*参考記事①  2022-07-27 1,964円 NT

【2798】ワイズテーブルコーポレーション/財務状況は最悪期を脱するも、債務超過状態が続く。

 

*参考記事② 2020-07-10 1,859円 NT

【2798】ワイズテーブルコーポレーション/デリバリー絶好調だが、継続前提に重要事象が点灯。

 

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