【2798】ワイズテーブルコーポレーション/財務状況は最悪期を脱するも、債務超過状態が続く。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2798】ワイズテーブルコーポレーション(東証スタンダード) NT

現在値 1,946円/100株  P/E 11.4  P/B --.- 2月無配株主優待 8月株主優待

配当基準日は2月・8月の年2回ですが、既に無配転落しています。

ワイズテーブルコーポレーション株主優待制度を継続しており、2月末・8月末に単元株を保有する株主に対して5,000円分の食事券を年2回進呈しているため、優待利回りは約5.13%となります。

業績を確認していきます。2023年2月期より新収益基準に移行しています。 

■2020年2月期 売上高 137億円、経常利益 2.3億円 EPS 18.1円 

■2021年2月期 売上高 82.8億円、経常利益▲13.8億円 EPS▲564.6円 

■2022年2月期 売上高 81.4億円、経常利益 3.0億円 EPS 106.1円 

■2023年2月期 売上高 109億円、経常利益 5.2億円 EPS 174.1円 ce

□2022年5月1Q 売上高 22.6億円、経常利益▲0.8億円 EPS▲31.7円(7/14)
□2022年8月2Q 売上高 50.6億円、経常利益 1.8億円 EPS 63.7円 ce

2022年2月期の売上高はYoY▲1.7%の81.4億円、経常利益はYoY+16.8億円の3.0億円で着地し、10月の修正見通し比で未達となりました。XEX事業は上期の多くの期間で休業・営業制限を強いられたものの、本格再開した下期は値上げ効果もあり、新型肺炎禍前の水準をほぼ回復しました(実質SSS57.3%)。他方、サルバトーレ他事業については、好調なデリバリーの下支えがあったものの、ピザ宅配の競合激化により実質SSSは63.8%留まりとなりました。なお利益については、営業外で16億円の助成金を計上し、黒字転換しています。


進行期である2023年2月期の予算については、新収益基準移行で単純比較出来ないものの、売上高はYoY+34.0%の109億円、経常利益はYoY+72.6%の5.2億円を見込んでいます。前提の実質SSSについては、価格改定が通期で寄与するXEX事業で95%(上期88%→下期102%)を見込む一方、都心大型店が弱いサルバトーレ他事業は90%(上期82%→下期98%)でセットしています。また、新店3店の上乗せ(と札幌1店の閉店)を織り込むほか、営業外で受取助成金の受取も続くことから、経常増益を見込みます。

 

XEX事業については旗艦店だった代官山が立退閉鎖となったことから、愛宕・東京駅・大阪・日本橋の4拠点だったものの、2019年に東急プラザ渋谷17・18階に、「CÉ LA VI Tokyo(セラヴィ)」を出店させ、5拠点体制に復帰しています。同業態はLVMHとオーナーのベルナール・アルノ―氏とPEファンドが、シンガポールのマリーナベイサンズ等で展開している総合エンタメレストランであり、日本では当社が50%の持分法適用で取り込んでいます。“密”のクラブ性業態ではあるものの、換気の良いテラス席の強味を活かし、昨年10月は過去最高売上を記録しており、正常化後は本格復活が期待されます。

 

宅配ピザの下支えにより比較的底堅かったサルバトーレ他事業については、競合激化で成長が鈍化してきたことから、差別化すべく“肉市場”という肉業態を開発・併設し、既に48店への導入を済ませています。また、15~20坪の小型店フォーマットを開発し、居抜き活用により初期投資を10~25Mにまで抑え、FC加盟店を増やす方針としており、手っ取り早く加盟金収入を確保するほか、店舗数を維持する目論見です。

 

財務状況については、度重なる店舗の閉鎖とそれに伴う減損計上等で急速に悪化した経緯があり、その後に三者割当増資で6億円と資本性ローンを9億円を引いたものの、足許の自己資本比率は▲1.9%と事実上の債務超過状態に陥っています。それでも1年前の▲10億円の資本欠損状態から▲1億円まで改善していますが、依然予断を許さない状況が続いています。

 

*参考記事① 2020-07-10 1,859円 NT

【2798】ワイズテーブルコーポレーション/デリバリー絶好調だが、継続前提に重要事象が点灯。

 

*参考記事② 2018-06-14 2,809円 NT

XEX代官山の立退閉店?の影響は大きく、復配も遠く・ワイズテーブルコーポレーション(2798)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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