【3991】ウォンテッドリー/新規獲得鈍く横ばい圏が続く、余剰キャッシュ過多でついに初配当。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3991】ウォンテッドリー(東証グロース) OP

現在値 1,473円/100株 P/E 13.9  P/B 4.37  8月配当 株主優待なし

ビジネスSNS“ウォンテッドリー”運営。人材募集掲載ツール利用料が収益源。
配当金は8月一括の20円配当のため、配当利回りは約1.36%となります。

ウォンテッドリーは株主優待制度を導入しておりません。


業績を確認していきます。  

■2021年8月期 売上高 35.7億円、営業利益 4.1億円 EPS 25.3円   

■2022年8月期 売上高 44.9億円、営業利益 12.5億円 EPS 79.0円  

■2023年8月期 売上高 47.4億円、営業利益 15.8億円 EPS 140.9円  

■2024年8月期 売上高 48.2億円、営業利益 16.0億円 EPS 105.2円 ce   
□2023年11月1Q 売上高 11.6億円、営業利益 3.9億円 EPS 25.5円(1/12)    

□2024年2月2Q 売上高 24.0億円、営業利益 8.0億円 EPS 50.5円 ce    

2023年8月期の売上高はYoY+5.5%の47.6億円、営業利益は同+27.0%の15.8億円と概ね計画並みの着地となりました。福利厚生のPerkなどを中心とするEngagementは概ね計画線だったものの、採用型の“Visit”は新規獲得が伸び悩み、スカウトオプション売上が減少しました。そのため、下期から新規獲得のための営業体制の強化や広告宣伝費を積み増したため、4Qにかけて利益率の悪化がみられました。

 

進行期である2024年8月期の予算については、売上高がYoY+1.7%の48.2億円、営業利益は同+0.7%の16.0億円と微増益を見込みます。採用型の“Visit”は昨今の採用環境の状況や、新規獲得営業の立て直しに一定の時間を要するため横ばいを見込むほか、Engagementも福利厚生強化といった新規メニューの拡充にリソースを注ぐため、種蒔きの一年となります。利益面についても、宣伝費を含め投資先行となるため横ばいとなります。

 

当社は中計を開示していないものの、フォーカス事項として内外利用者拡大を掲げています。推定TAMを1兆円(採用4,500億円+エンゲージ5,500億円)と推計し、全労働者人口内ユーザーシェア(11%/389人)と企業シェア(7.0%/4.0万社)の拡大を志向する一方、会社側ではこの現状の顧客基盤の最大活用、つまりARPU引き上げによる収益改善方向にシフトします。

 

“Visit”を中心とする採用は、当社の顧客層がZ世代やミレニアル世代など若年層が多く、かつ成長性と人材需要が旺盛なWeb領域が特に多いため、解約企業をネットしても最低でも横ばい確保が見込まれます。そのため、苦戦中の新規営業を梃入れしつつも、ひとまず既存顧客へのアップセルで収益確保を図る方針であり、Engagementの車内報の“Story”や、Slackを活用したチームマネジメントの“Pulse”などのオプション拡販を推進します。


財務の状況については、無借金ながら37億円の現金を丸抱えしており、自己資本比率は7割程と高水準となっています。特にM&Aによる外部成長を志向するでもなく、資金需要のないビジネスモデルで無駄積み状態となっているため、終わった期から年20円の初配に踏み切っており、進行期も横引きの年20円(配当性向19%)を予想しています。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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