【7581】サイゼリヤ/苦戦の国内も底入れ気配、ドル箱の海外急拡大で利益成長に弾みがつこう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7581】サイゼリヤ(東証プライム) OP

現在値 5,190円/100株 P/E 30.9 P/B 2.50 8月配当 株主優待

低価格イタリアンを直営展開。自社豪工場で食材生産。中国など海外事業が利益柱。

配当基準日は8月であり、年18円配のため配当利回りは約0.35%となります。
 

サイゼリヤは株主優待制度を導入しており、8月末現在の1年以上継続保有する単元株主に対して2,000円分の食事券を進呈していますので、配当優待利回りは約0.73%となります。

業績を確認していきます。  

■2021年8月期 売上高 1,265億円、営業利益▲22.6億円、EPS 36.3円  

■2022年8月期 売上高 1,442億円、営業利益 4.2億円、EPS 115.9円  

■2023年8月期 売上高 1,832億円、営業利益 72.2億円、EPS 105.6円  

■2024年8月期 売上高 2,100億円、営業利益 131.0億円、EPS 168.0円 ce 
□2023年11月1Q 売上高  526億円、営業利益 34.5億円、EPS 55.1円(1/10)

□2023年2月2Q 売上高  1,009億円、営業利益 61.0億円、EPS 85.9円 ce

2023年8月期の売上高はYoY+27.0%の1,832億円、営業利益はYoY*17倍の72.2億円と大幅な増収増益となり、修正見通しを超過しました。予算前提のSSS(既存店売上高)は国内110.1%・海外112.2%でセットしていたところ、実績は国内で118.8%と計画線を確保したほか、中国を中心とする海外も下期から急回復しました。出退店については、純増42店を計画していましたが、実績は国内が純減14店、海外純増7店となりました(全1,540店)。


進行期である2024年8月期の予算については、売上高がYoY+15.1%の2,110億円、営業利益はYoY+81.4%の131.0億円を予想しています。予算前提SSSは国内113.6%・海外110.3%、セグメント売上高は国内1,350億円・海外760億円ながら、セグメント利益は国内20億円に対して海外111億円を見込んでいます。出退店についても、計画純増数は国内▲8店・海外+50店と海外中心となります。なお1月10日に既開示の売上高526億円&営業益34.5億円と超過ペースで好調に推移しています。

 

当社は中長期計画を開示していないものの、当面は国内では構造改革に注力し、成長は海外での新規出店に焦点を当てています。国内事業は同業他社と異なり値上げは殆ど実施していないものの、メニュー改定時に大盛り廃止や子供向けメニューの一部廃止、一部調味料の無料サービス終了するなど採算性良化策にくわえ、GMOFG(4051)の提供するカード等決済端末“stera”の導入などDX化を進めています。また、足許では深夜人流が回復してきたことから、一部店舗では深夜営業を復活させ始めています。

 

海外については、主力の中国市場がロックダウン影響から脱却しているほか、国内とは異なり値上げ出来ているため(客単価566円→850円/5y)、国内とは比較にならない採算性を維持しています。店舗数は全社の3割強に過ぎないものの、利益は全社の8割を叩き出しており、進行期からはアジアで純増50店と増店に大きく舵を切ります。依然として全社ベースでは円安不利影響の方が大きいとみられるものの、内外売上比の大転換で為替影響も平準化する見込みです。

 

なお財務的には長らく無借金経営を続けてきましたが、新型肺炎禍の予備資金として125億円を長期借入で調達しているものの、営業外で高水準の助成金収入もあり、ネット553億円の現預金を抱えています。配当は横引きの年18円配が予想されているものの、剰余金の積み上がりが激しく、いよいよ増配が視野に入ったものと解されます。


*参考記事① 2022-12-27 3,000円 OP

【7581】サイゼリヤ/ドル箱の中国事業が底入れ気配、足許の円安是正はトータルで追い風。

 

*参考記事② 2021-12-13 3,030円 OP

【7581】サイゼリヤ/足踏みする国内事業を尻目に、海外事業の成長は続く。

 

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