【3493】アドバンス・ロジスティクス投資法人(東証REIT) OP
現在値 127,300円/1株 P/E 26.1 P/NAV 0.81 2月分配 8月分配 投資主優待なし
伊藤忠商事をスポンサーとする物流REIT。ポートフォリオの2割まではその他不動産も取得可。
予想分配金は年2回の合計5,660円のため、予想分配金利回りは約4.45%です。
業績を確認していきます。 運用会社の合併に伴い、2023年から決算期を変更します。
■2022年1月期_第7期 営業収益 31.8億円、経常利益 14.1億円 DPU 2,755円
■2022年7月期_第8期 営業収益 31.8億円、経常利益 13.9億円 DPU 2,715円
■2023年2月期_第9期 営業収益 40.2億円、経常利益 18.0億円 DPU 3,239円 変則
■2023年8月期_第10期 営業収益 36.8億円、経常利益 16.4億円 DPU 2,826円
□2024年2月期_第11期 営業収益 37.4億円、経常利益 16.4億円 DPU 2,830円 ce修正
□2024年8月期_第12期 営業収益 37.8億円、経常利益 16.4億円 DPU 2,830円 ce
2023年8月期_第10期の落着については、変則決算明けで比較出来ないものの、営業収益は第9期比▲8.4%の36.8億円、経常利益は同▲9.0%の16.4億円、分配金は同▲413円の2,826円で着地しました。第9期取得の「市川塩浜」の当初取得分の70%がフル寄与、期中取得の30%も部分寄与し、6ヵ月換算では実質増収となりました。また、固都税費用化開始も当初取得分に留まるほか、水光熱収支もプラスとなり、ATAを活用して分配金も予想比20円増となりました。
進行期である2024年2月期_第11期は、従来予想を微修正しており、営業収益は第10期比+1.5%の37.4億円(従予:37.7億円)、経常利益は同+0.1%の16.4億円(従予:16.3億円)、分配金は2,830円(従予:2,820円、うちOPD391円→392円)を見込んでいます。「市川塩浜」を含め既存物件が全て巡行稼働入りするほか、「守谷」の既存2テナントの賃料アップ再契約効果、「印西2」の太陽光屋根貸し等の上乗せで微増配を見込みます。
今回初開示の2024年8月期_第12期の予想については、営業収益が第11期比+1.0%の37.8億円、経常利益は同▲0.2%の16.4億円、分配金は同変わらずの2,830円(うちOPD397円)とほぼ横ばいを見込んでいます。
当法人は2022年10月の3nd_PO以降、株価低迷によりPOが事実上出来ない状況になっています。その一方で、分配金の成長目標を年率4%→5%に分配方針を上方修正しているほか、「減価償却戻しのFFO70%→75%」&「当期利益+減価償却費の30%」に変更しています。また伊藤忠系の運用会社2社統合による合理化で、運用報酬Ⅰ(総資産連動)を0.1%→0.05%に半減させたほか、運用報酬Ⅲ(利益連動)を0.005%→0.004%に削減させたことで、第9期から約60円の分配金が底上げされており、これ以上は自助努力や方針変更による分配金上昇は見込みにくい状況です。
財務面については、足許LTVは42.4%と従来よりもレバレッジを使用しており、45%までの取得余力は65億円程となっています。当面の目標としてAUMを目下の1,332億円から2,000億円まで引き上げる計画であり、伊藤忠商事等のパイプラインもまずまず溜まっているような状況(10物件・延床318千㎡弱)です。然しながら、目下の投資口価格はP/NAV0.8倍水準のため、成長可視性は低い状況が継続しています。
*参考記事① 2023-07-01 133,900円 NT
【3493】アドバンス・ロジスティクス投資法人/運用良好だが、P/NAV低下で成長可視性が低下。
*参考記事② 2022-06-21 147,900円 NT
【3493】アドバンス・ロジスティクス投資法人/伊藤忠系運用会社の統合で、約60円の増配効果。
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