【3493】アドバンス・ロジスティクス投資法人/運用良好だが、P/NAV低下で成長可視性が低下。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3493】アドバンス・ロジスティクス投資法人(東証REIT) NT

現在値 133,900円/1株 P/E 27.6 P/NAV 0.89 2月分配 8月分配 投資主優待なし

伊藤忠商事をスポンサーとする物流REIT。ポートフォリオの2割まではその他不動産も取得可。
予想分配金は年2回の合計5,626円のため、予想分配金利回りは約4.20%です。

業績を確認していきます。 運用会社の合併に伴い、2023年から決算期を変更します。

■2021年7月期_第6期 営業収益 30.6億円、経常利益 13.5億円 DPU 2,492円   

■2022年1月期_第7期 営業収益 31.8億円、経常利益 14.1億円 DPU 2,755円   

■2022年7月期_第8期 営業収益 31.8億円、経常利益 13.9億円 DPU 2,715円 

■2023年2月期_第9期 営業収益 40.2億円、経常利益 18.0億円 DPU 3,239円 変則

□2023年8月期_第10期 営業収益 37.2億円、経常利益 16.3億円 DPU 2,806円 ce

□2024年2月期_第11期 営業収益 37.7億円、経常利益 16.3億円 DPU 2,820円 ce

 

2023年2月期_第9期の落着については、計算期間が7ヶ月間の変則となるものの、営業収益は第8期比+26.6%の40.2億円、経常利益は同30.0%の18.0億円、分配金は同+524円の3,239円で着地しました。変則による1ヵ月分の見えがかり上の上乗せを除けば、POに期中取得物件が一部寄与した、運用報酬の減額変更(▲44百万円)やその他費用も想定以下となったため、運用実態はやや上振れました。なお、分配金は超過分配との“入れ繰り”で期初予想水準を据え置いて配当しています。

 

進行期である2023年8月期_第10期は変則決算明けとなるため単純比較出来ないものの、従来予想を微修正しており、営業収益は37.2億円(従予:36.8億円)、経常利益は16.3億円(従予:UNCH)、分配金は2,806円(従予:UNCH、うちOPD390円→389円)を見込んでいます。第9期取得の「市川塩浜」の当初取得分の70%がフル寄与、期中取得する残り30%分が部分寄与して増収するほか、固都税費用化開始も当初取得分となるため、実力ベースでは微増配予想となります。

 

今回初開示の2024年2月期_第11期の予想については、営業収益が第10期比+1.2%の37.7億円、経常利益は同0.5%増の16.3億円、分配金は同+14円増の2,820円(うちOPD391円)とほぼ横ばいを見込みます。既存物件が全て巡行稼働入りするほか、「守谷」の既存2テナントの賃料アップ再契約効果、「印西2」の太陽光屋根貸し等の上乗せで微増配を見込みます。

 

当法人は昨年10月に3nd_POを実施しており、約100億円(@139,620円)を調達し、「市川塩浜」218億円/鑑定NOI4.0%を取得しています。昨年10月に持分の70%、本年4月に残り30%持分の段階所得で完全所有権化しており、物流適地である市川塩浜(キーテナントはJP楽天ロジスティクスほか)での取得しています。本件取得により巡航期ベースの分配金年成長率はEPSで+5.3%(DPSで+4.2%)となり、アクリーティブなPOとなりました。

 

なお分配金の成長目標を年率4%→5%に分配方針を上方修正しており、「減価償却戻しFFO70%」から「当期利益+減価償却費の30%」に変更したほか、伊藤忠系の運用会社2社統合による合理化効果で、運用報酬Ⅰ(総資産連動)を0.1%→0.05%に半減させたほか、運用報酬Ⅲ(利益連動)を0.005%→0.004%に削減させたことで、第9期からは約60円分程の分配金が底上げされています。

 

財務面については、足許LTVは42.3%と従来よりもレバレッジを使用しており、45%までの取得余力は68億円程となっています。当面の目標としてAUMを目下の1,332億円から2,000億円まで引き上げる計画であり、伊藤忠商事等のパイプラインもまずまず溜まっているような状況(7物件・延床212千㎡弱)です。然しながら、目下の投資口価格はP/NAV0.9倍水準のため、次なるPOが難しく、成長可視性が低下している状況です。


*参考記事① 2022-06-21 147,900円  NT

【3493】アドバンス・ロジスティクス投資法人/伊藤忠系運用会社の統合で、約60円の増配効果。

 

*参考記事② 2021-12-08  172,800円 NT

【3493】伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人/分配方針変更により増配基調を維持。 

 

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