【2501】サッポロHD/今次中計で300~400億円の不動産を流動化、含み益顕在化に期待。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2501】サッポロホールディングス(東証プライム)  NT

現在値 3,777円/100株  P/E 53.4  P/B 1.81 12月配当 株主優待あり

ビール類国内シェア4位。海外は北米が柱、不動産事業が強い。外食・飲料も展開。
配当金は12月一括の年45円の配当のため、配当利回りは約1.19%となります。

サッポロホールディングスは株主優待制度を導入しており、12月末現在の単元保有の株主に対して、1,000円相当のビールまたは食品・飲料詰め合わせを進呈しておりますので、配当金と合計した配当優待利回りは約1.45%となります。なお、3年以上長期保有した場合は優待品が1.5倍となりますので、その場合の同利回りは約1.58%となります。

業績を確認していきます。

■2020年12月期 売上高 4,347億円、営業利益▲159億円 EPS▲206.3円

■2021年12月期 売上高 4,371億円、営業利益 220億円 EPS 158.3円  

■2022年12月期 売上高 4,784億円、営業利益 101億円 EPS 69.9円  

■2023年12月期 売上高 4,900億円、営業利益 135億円 EPS 70.6円 ce 
□2023年3月1Q 売上高 1,087億円、営業利益▲32.8億円 EPS▲46.1円(5/11)

□2023年6月2Q 売上高 2,200億円、営業利益 20億円 EPS 8.3円 四e

2022年12月期の売上高はYoY+9.4%の4,784億円、営業利益はYoY▲54.1億円の101億円となり、計画比ではやや上振れました。国内酒類事業については、業務用需要が回復し、特にビール類が同110%に大きく伸長したほか、発泡酒やRTD缶も引き続き堅調に推移しました。また、大幅赤字だった直営外食事業も売上倍増で均衡圏近くまで戻ったほか、海外酒類事業もプレミアムラインが好調で同110%と過去最高の売上をマークしました。他方で利益面については、コスト高(同▲110億円)と恵比寿ファーストスクエア売却益剥落(▲230億円)影響が大きく、実態の回復とは裏腹に大幅な減益で落着しています。


進行期の20223年12月期の通期予算は、売上高はYoY+2.4%の4,900億円、営業利益はYoY▲6.0%の95億円を予想しています。国内酒類事業はビールやRTDの回復基調継続を前提に平時比73%水準で微増収を見込むほか、直営外食事業については同87%で2桁増収(黒字転換)まで急回復する前提となっています。また、海外事業・不動産事業ともに増収を見込むものの、全社利益については、原材料価格高騰影響を更に▲125億円分追加的に織り込むことから微減益想定となります。5月11日に開示済の1Qは売上高1,087億円&営業益▲32.8億円と計画線で進捗しています。

 

当社は昨年11月に新しい4年中計を策定しており、最終年度の2026年12月期までに事業利益ベースで93億円→250億円(EBITDA299億円→500億円)まで拡大させる計画です。基本戦略としては、①ビール&RTD強化、②海外事業再編&シナジー創出、③不動産事業強化&物件売却等を挙げていますが、従来中計を踏襲しており目新しい取組はありません。①については、本年10月に業務用の再値上げで原料高転嫁を進めるほか、家庭用のRTDへの流出を食い止めるべく、26年の酒税一本化を睨んでビールのブランド戦略を再構築します。

 

②の海外については、昨年米国・加州でIPAの醸造を行うストーンブリューイングを220億円で買収しているほか、サッポロプレミアムが北米No.1アジアビール(※36年連続)の地位を維持して成長を続けていることから、これらの生産・流通の一本化によるシナジー創出を図ります。③の不動産事業は、恵比寿ガーデンプレイスのリニューアルや空調更新工事により稼働率低下が見込まれるものの、私募REITやファンドへの拠出を含め、300~400億円程度の流動化を行う計画です。

 

株主還元に関しては、これまで配当性向30%水準を維持しつつも、42円配当を下限目途に3円増配の年45円配当を見込みます。会社側では上述の不動産流動化による含み益の顕在化と、進行期では政策保有株式の売却を40億円程度(自己資本の2割以内目途)見込んでいることから、業績の如何によらず一定の配当原資が確保出来るものとみます。

 

*参考記事① 2022-05-27 2,686円 NT

【2501】サッポロHD/カフェ・ド・クリエを珈琲館に売却、原価高の価格転嫁どこまで。

 

*参考記事② 2021-11-17  2,343円 OP

【2501】サッポロHD/ビールだけ好調も、食品・外食・不動産が軟調。低アルが活路?

 

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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