【4819】デジタルガレージ(東証プライム) OP
現在値 3,360円/100株 P/E--.- P/B 1.56 3月配当 株主優待なし
決済事業、広告、ベンチャー投資など多角展開。持分にカカクコム。
配当金(実績)は3月一括配当の35円配当で、配当利回りは約1.04%となります。
デジタルガレージは株主優待制度を実施しておりません。
業績を確認していきます。
■2020年3月期 収益 369億円、税前利益 100億円 EPS 161.3円
■2021年3月期 収益 404億円、税前利益 143億円 EPS 212.4円
■2022年3月期 収益 729億円、税前利益 453億円 EPS 654.7円
■2023年3月期 収益 (未定)億円、税前利益(未定)億円 EPS(未定)円 ce
◆2023年3月期 収益 559億円、税前利益 228億円 EPS 344.8円 cos.
□2022年6月1Q 収益 177億円、税前利益 112億円 EPS 158.4円(8/10)
□2022年9月2Q 収益 230億円、税前利益 160億円 EPS 228.6円 四e
2022年3月期の収益はYoY+80.2%の729億円、税前利益はYoY3.2倍の453億円となり、予算比は無いものの大幅な増収増益となりました。フィナンシャル(FT)事業については、順調なEC向けのほか、飲食向けモバイル注文や公金関連等が好調に推移し、決済取扱高はYoY+18%の3.6兆円、取扱件数も同+10%の7.2億件と2桁増となりました。マーケティング(MT)事業についても金融向けデジタル広告が好伸したほか、インキュベーション(IT)事業についても、米国BlockstreamやGrubmarketが円安や追加調達による公正価値の洗替効果が大きく発現し、(評価益ではあるものの)セグメント利益は3倍の312億円を叩き出しています。
2023年3月期の通期予算は例年通り非開示となっているものの、コンセンサス上の収益はYoY▲23.4%の559億円、税前利益はYoY▲49.6%の228億円程が観測されています。広告主の出稿意欲が回復途上のMT事業がモタつくものの、旅行やEC向けの堅調持続やインバウンドの高額対面決済の復元や各種アライアンス効果の発現が予想されるFT事業は2桁増が続く見通しです。また、カカクコムの20%持分損益を取り込むLTI事業も「食べログ」の回復が見込まれるほか、IT事業も急激な円安による公正価値の増額公算が高いことから、表記の減益幅はかなり縮小するものとみられます。
進行期は2025年3月期を最終年度とする5年中計の3年度目であり、計数目標として、MT事業・FT両事業のCAGR20%、LTI事業を同15%、収益性指標としてROE20%を定めています。FT事業は急速な“非現金化潮流”の流れに乗る形で、向こう5年で取扱高を2.6兆円→10兆円まで急拡大させる計画です。昨年初にはPOSレジ最大手の東芝テック(6588)と資本業務提携に踏み切るとともに、各種QRコード等のマルチ支払ソリューションの提供や、飲食・小売業向けの配達・在庫連携も兼ねたSaaSを開発し、トランザクションの受け皿を広げたほか、本年2月にはカード大手のJCBとも新たに資本業務提携を締結しています。
IT事業はブロックチェーンの汎用化技術に強みを持つ米Blockstream(3.8%)が、業容拡大と相次ぐファイナンスラウンド、円安効果により公正価値が150億円まで増額されたほか、個人資産管理ツール提供の米MX Technologies(3.2%)も同74億円、食品B2B・B2Cの米GrubMarket(1.8%)も同45億円まで増額されています。国内のpre-IPOはスマートセキュリティのSecual(3.5%)、国内外不動産テックのGOYOH(5.0%)、相続DXのAGE Technologies(12.4%)、工事コスト削減コンサルのTHIRD(13.3%)等が控えるほか、アジア圏ではインド最大手の自動車マーケットプレイスのDroom(2.0%)が既に上場申請済となっています。
株主還元については、今次中計期間においては「税引前事業CFに対する」配当性向を20%と定めています。この修正フォーミュラについては減価償却費こそ配当原資に戻るものの、支払家賃相当額のリース権償却費や、評価益がP/Lに顕在化される投資先の含み益、持分法利益(要はカカクコム)を控除した値に対して20%掛け目となるため、キャッシュインをともなう纏まった株式売却が無い限り、大きな増配は望み薄となります。
*参考記事① 2022-03-12 3,995円 NT
【4819】デジタルガレージ/米Blockstreamの新ラウンド実施で、評価額だけは急伸。
*参考記事②2021-09-04 4,995円 NT
【4819】デジタルガレージ/旧上場のベリトランスとイーコンテクストを統合、一段と金融色強く。
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