【3544】サツドラホールディングス (東証一部) OP
現在値 2,206円/100株 P/E 50.6 P/B 1.19 5月配当株主優待
北海道地盤のドラッグストア。道内2位、食品・日用品強い。
配当は5月末一括の9.34円配(1:3分割後)予想のため、配当利回りは1.26%となります。
サツドラホールディングスは株主優待制度を導入しており、5月15日時点で3単元株を保有する株主対して、1,500円分のカタログギフトを進呈していますので、その場合の優待利回りは約2.11%となります(このほか9単元・45単元・90単元で優待進呈額の拡充あり)
業績を確認をしていきます。
■2019年5月期 売上高 846億円 経常利益 4.4億円 EPS 6.4円
■2020年5月期 売上高 893億円 経常利益 8.8億円 EPS 25.1円
■2021年5月期 売上高 832億円 経常利益 6.0億円 EPS 125.1円
■2022年5月期 売上高 850億円 経常利益 7.0億円 EPS 43.5円 ce
□2020年8月1Q 売上高 213億円 経常利益 0.6億円 EPS 7.6円 (9/17)
□2020年11月2Q 売上高 430億円 経常利益 3.2億円 EPS 39.1円 四e
2021年5月期の売上高は前期比6.8%減の832億円、経常利益は同31.4%減の6.0億円で着地し、売上高は予算を下回ったものの、利益は期初予算を大幅に上回りました。主力のサッポロドラッグストアー(SDS)の展開するDS業態の既存店売上高については、新型肺炎禍の継続により衛生関連用品や食品・日用品の売上が好調に推移し、99.4%と高水準を維持しました。他方、訪日客の激減によりインバウンド業態は同9.1%に留まり、従前の10分1にまで低迷したことから、全社トップラインを大きく押し下げました。なお出退店については、純減7店計画のところ、実際は純減10店(出店4店・退店14店)となり、概ね計画並みでした。
進行期である2022年5月期の見通しについては、売上高が2.1%増の850円、経常利益は15.2%増の7.0億円を計画しています。主力のSDSについては、出店6店・退店3店の純増3店を見込んでおり、インバウンド業態の閉鎖を進める一方で、DS業態で出店超を見込みます。足許のSDS既存店売上高は、前年ハードルの高い6月・7月は100%を切ったものの、8月・9月は前年クリアとなっており、インバウンド業態は相変わらず低迷しているものの、横ばい圏をキープしています。9月17日に開示済の1Qについては、売上高が213億円&経常利益が0.6億円で進捗しており、概ね予算水準の推移と解されます。
終わった2021年5月期は5年中計の最終年度であり、計数的には売上高を627億円→1000億円、経常利益を10.1億円→30億円に其々引き上げる計画をしていました。が、実際は上述のとおり売上高832億円&経常利益6億円と大幅未達に終わり、主力のSDSや調剤薬局を始めとしたCIの一新(店ロゴ・MD・フォーマットの変更)、自社のハウスポイントカード「EZOCA」の加盟店及び会員獲得など一定の成果もあったものの、積極的に取り組んでいたインバウンド対応店舗の道外および海外展開が新型肺炎禍で全て裏目に出る形で中計前より利益水準が潰れてしまった格好です。
そして当社は今般、新たな5年中計を公表しており、最終年度となる2026年5月期に売上高832億円→1,200億円、経常利益を10.1億円→30億円(CAGR24%)を目指すこととしています。基本戦略は①本格的なESLP(≒EDLP)の推進、②「EZOCA」を核とした地域戦略、③コラボ戦略の3点が掲げられているものの、出店増による量的成長については特に触れられていません。そのため、向こう5年間は“広げ過ぎた風呂敷”を畳むための位置付けであり、目標とする数字感的にも過大感があり、インバウンドが完全復活して強烈な追い風が吹くなどしない限りは達成不可能とみられます。
財務面については、足許の自己資本比率は21.4%と一定の水準を維持しており、配当も11月に予定されている1:3の株式分割考慮で横ばいとなる年9円34銭を予定しています。当社については単独での生き残りは難しいと考えており、大手からの被買収や同業他社との資本業務提携が否応なく意識され、株主還元云々よりもその辺が当社株への投資論点になろうかと考えています。
*参考記事① 2019-10-17 1,749円 OP