【4381】ビープラッツ/東京センチュリー傘下効果で、とりあえずトップラインは好伸。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4381】ビープラッツ(東証マザーズ)  OP


現在値 1,705円/100株 P/E 81.7 P/B 10.0 3月無配 株主優待なし
 

サブスク(定額課金)サービスに必要な各種機能を基盤として提供。トヨタ「KINTO」も採用。
配当基準日は3月末ですが配当実績はありません。株主優待制度も実施していません。

業績を確認していきます。  
■2018年3月単 売上高 5.6億円、営業利益 0.4億円 EPS 20.7円

■2019年3月単 売上高 6.3億円、営業利益 0.0億円 EPS 3.7円 

■2020年3月連 売上高 5.3億円、営業利益▲1.7億円 EPS▲80.1円

■2021年3月連 売上高 7.5億円、営業利益 0.3億円 EPS 13.3円

■2022年3月連 売上高 9.0億円、営業利益 0.8億円 EPS 20.8円 ce

□2021年9月中 売上高 4.0億円、営業利益 0.0億円 EPS 0.0円 四e

2021年3月期の売上高は前期比40.4%増の7.5億円、営業利益は黒転の0.3億円となり、概ね期初予算水準で着地しました。主力のサブスク事業において、顧客毎にカスタムを要する「Bplats Channel Edition(BCE)」から、汎用型新製品の「Bplats Platform Edition(BPE)」への商品切替が進んだため、ストック収入が同16%増と成長しました。また前期に販売パートナー(OEM供給/代理店)を拡大したことも奏功し、新規契約社数が増加(113社→146社)し、導入時のスポット収入が上伸しました。利益については、積極的なシステム開発継続により償却負担が増加しているものの、販管費削減により黒字化を果たしています。


進行期である2022年3月期の予算については、売上高は19.9%増の9.0億円、営業利益は2.1倍の0.8億円を予想しています。新型肺炎禍による顧客業績の影響より、DX潮流による追い風の方が上回るとみられ、引き続き当社サブスクのような非接触型営業モデルが選好されることが期待されます。また、協業パートナー4社、販売パートナー7社に拡大させたことによる汎用型のBPEの新規導入の積み上がりや、各種機能拡充による既存顧客ストック収入のアップセルによる上乗せが見込まれます。

 

当社は中長期的な業績目標として、5年以内(2025年3月期まで)に売上高20億円を数値目標にかかげており、戦略として①商品力向上、②販売力向上、③市場展開スピード向上、の3点が挙げられています。①の商品力については、昨年10月に「サブかん」と称するサブスク社内手配・管理システムをローンチしており、属人的に紐付いていた商品・顧客管理等をオンラインで一元化する仕組みの提供を始めています。②の販売力については、筆頭株主の東京センチュリー(TC)をはじめ、NTTコムや富士通といったネームの強いSIer等へのOEMや、代理店としてはISIDや、SCSK、都筑電気、GMOPGと提携を済ませたほか、本年3月には大手SIerである伊藤忠系のCTCとも新たに協業を開始しています。

 

特に筆頭株主であるTCとの関係性については、2018年8月に同社が当社株の22.1%を買い付けて持分法適用に収めたほか、2019年には当社創業者から追加買取をして持分を32.6%まで引き上げたほか、同社が本社を構える秋葉原の富士ソフトビルにわざわざ本社を再移転するなど急接近しています。そしてTCは昨年NTTに対して三者割当増資を実施するなど、NTT陣営とも接近しているため、営業のバックボーン自体はかなり強化されている状況です。実際に昨年12月には清水建設が開発した建物OSとTCのサブスク「TCplats」の協業モデルに当社がOEM供給するなど、業界を代表する大手企業との協業が具現化してきているようにみられます。

 

財務の状況については、利益剰余金欠損状態であるため配当が難しいものの、自己資本比率自体は42%水準を維持しているほか、東京センチュリーの傘下入りにより信用力は担保されているので、問題ないものと考えています。なお赤字状態により付されていた重要事象注記も既に削除されています。

 

*参考記事① 2020-08-11  1,779円 OP

【4381】ビープラッツ/東京センチュリーとNTTの資本業務提携で本格化の兆し。

 

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