【4381】ビープラッツ/東京センチュリーとNTTの資本業務提携で本格化の兆し。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4381】ビープラッツ(東証マザーズ)  OP


現在値 1,779円/100株 PER684.2 PBR312.0 3月無配 株主優待なし
 

サブスク(定額課金)サービスに必要な各種機能を基盤として提供。トヨタ「KINTO」も採用。
配当基準日は3月末ですが配当実績はありません。株主優待制度も実施していません。

業績を確認していきます。  
■2017年3月単 売上高 5.0億円、営業利益▲0.3億円 EPS▲16.2円 
■2018年3月単 売上高 5.6億円、営業利益 0.4億円 EPS 20.7円

■2019年3月単 売上高 6.3億円、営業利益 0.0億円 EPS 3.7円 

■2020年3月連 売上高 5.3億円、営業利益▲1.7億円 EPS▲80.1円

■2021年3月連 売上高 7.8億円、営業利益 0.2億円 EPS 2.5円

□2020年9月中 売上高 3.3億円、営業利益▲0.4億円 EPS▲17.3円 四e

2020年3月期から連結決算に移行したため単純な比較は出来ないものの、売上高は前期比15.5%減の5.3億円、営業利益は赤転の▲1.7億円となり、期初予算を大幅に下回って着地しました。主力のサブスク事業において、顧客ごとのカスタムを必要とする「Bplats Channel Edition」から、汎用型新製品である「Bplats Platform Edition」への戦略的な商品切替を図ったため、ストック型収入は漸増したものの、カスタム部分によるスポット収益が落ち込んだことにより反落となりました。また、切替にともない商談が長期化したことによるトップラインの減少にくわえ、R&D費用の増加とシステム投資増強による減価償却費の増加が響き、利益は一気に水面下の水準まで潜ってしまいました。


進行期である2021年3月期の予算については、期初段階から開示しており、売上高は46.5%増の7.8億円、営業利益は黒転の0.2億円を予想しています。販売パートナー(OEM供給、代理店)を8社まで広げたため大幅な受注の拡大が期待されるほか、商談長期化によって後ろ倒しになった案件の刈り取り、および実績期より本格的に切替を図ったた汎用型新製品のストック型収入の積み増しが寄与する見通しです。なお、昨年6月に光通信と合弁で立ち上げたサブスク関連サービス子会社のサブスコアが通期算入されますが、こちらの数字はまだ軽微と思われます。

 

当社は中長期的な業績目標として、5年以内(2025年3月期まで)に売上高20億円を数値目標にかかげており、その戦略として①商品力向上、②販売力向上、③市場展開スピード向上、の3点を挙げています。①の商品力は機能拡充により高単価化を進めるといった内容なのでさておくとして、②の販売力向上については、この1年で販売パートナーが大幅増強されており、目覚ましい向上をみせています。親会社となった東京センチュリー(※後述)をはじめ、NTTコムや富士通といったネームの強いSIer等にOEM方式で提供を始めたほか、販売代理店としてはデジタル化の推進が著しい電通グループの中核子会社であるISIDや、PCI、都筑電気、GMOPGと提携を済ませており、これら販売パートナーの大幅拡充により、少なくとも②は相当程度の水準まで既に達しているものと考えています。

 

特に東京センチュリーとの関係性については、2018年8月に同社が当社株を9万株(分割前)買い付けて、22.1%を握って持分法適用会社に収めたほか、昨年5月には更に当社創業者から追加買取をして持分を32.6%まで引き上げるなど、関与の度合いを大幅に強化しています。実際に昨年1月からは東京センチュリーが本社を構える秋葉原の富士ソフトビルに本社を再移転するなどしており、単なる資本関係の強化のみならず接近度合いを急速に縮めています。目下、東京センチュリーは今年に入ってNTTに対して三社割当増資を実施するなどNTTグループとの関係強化に動いており、その恩恵として(?)、当社もこの6月にNTTデータと電力事業者向けサブスクサービスの提供で業務提携を成就させることが出来ており、自身も業容拡大意欲の強い東京センチュリーによる後ろ盾強化は並々ならぬものが期待できます。

 

なお財務の状況については、利益剰余金欠損状態であるため配当が難しいものの(そもそもすべきでないが)、自己資本比率38%水準を維持しているほか、東京センチュリーの傘下入りにより信用力は担保されているので、全く問題ないものと考えています。実績期で営業利益以下の利益が全て赤字のため継続前提に重要事象が注記されていますが、此方も現時点では不問として捉えて問題ない範囲とみられます。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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