【3167】TOKAIホールディングス(東証1部) NT
現在値 956円/100株 P/E14.8 P/B1.81 3月配当優待9月配当優待
東海地盤。LPガスのザ・トーカイとCATV等のビック東海が統合。
配当は3月末・9月末の合計28円配のため、配当利回りは2.93%となります。
TOKAIホールディングスは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末の年2回、単元株を保有する株主に対して、500円分のQUOカードや"水セット"など選べる優待を進呈しております。なお、クオカードを選択した場合における配当優待利回りをは約3.97%となります。
業績を確認をしていきます。
■2017年3月期 売上高 1,786億円、営業利益 127億円 EPS 64.5円
■2018年3月期 売上高 1,860億円、営業利益 109億円 EPS 51.1円
■2019年3月期 売上高 1,916億円、営業利益 130億円 EPS 59.3円
■2020年3月期 売上高 1,959億円、営業利益 142億円 EPS 62.9円
■2021年3月期 売上高 2,053億円、営業利益 150億円 EPS 64.6円 ce
□2020年9月2Q 売上高 898億円、営業利益 54.5億円 EPS 25.0円
□2020年12月3Q 売上高 1,397億円、営業利益 99.0億円 EPS 45.3円(1/28)
2020年9月期中間期の売上高については、前年同期比3.4%減の898億円、営業利益は同0.9%減の54.5億円となり期初予算との比較は無いものの、小幅な減収減益で踏みとどまりました。主力のLPガス事業については、顧客純増数が同3割増となる+3千件と急速に拡大したほか、CATV事業についても同8割増の+25千件と大幅増となりました。これらは商圏買収効果が大きかったほか、新型肺炎禍でWEB商談やテレアポ等といった非対面営業が想定超で進捗したことに由ります。なお、この主力2事業が好調だったのに減収減益なのは、油価値下がりによるLPガスの売値/原価の減少(利益影響なし)、ISPの解約増加、その他建設事業や婚礼事業で新型肺炎の影響を受けたことによりますが、非開示の会社予算に対しては上振れ着地した模様です。
2021年3月の見通しについては期初のものを据え置いており、売上高は前期比4.8%増の2,053億円、営業利益は同5.5%増の150億円を予想しています。継続契約顧客数は期初の3,003千件から102千件純増させ期末3,105千件まで積み上げる計画ですが、上期時点で3,042千件まで積み上げています。去る1月28日には3Qを開示しており、売上高は前年同期比1.2%減の1,397億円、営業利益は同6.7%増の99.0億円と利益面は上期末から一段と上伸しています。主力事業の顧客増にくわえ、LPガス・CATV・光コラボのクロスセルが確り推移しており、大手との競合激しいISPやMVMOも解約歯止めで良化傾向がみられます。そのため、顧客数前提は計画やや未達とみられるものの、P/L自体は好進捗を背景に上振れ期待が高まります。
今期は4年中計の最終年度となっており、この2021年3月期にも売上高3,339億(CAGR17%、その後2,743億円に減額)、営業利益225億円(CAGR15%、その後185億円に減額)を目標としていましたが。新型肺炎による影響もあり減額後修正計画にも大きく届かない見通しですが、顧客獲得費用の減少等もあり、営業利益だけはある程度(160億円前後)の水準を確保して着地するとみられます。当初の成長ドライバーとしては、MAやアライアンス投資に1,000億円の巨費を投じ、MA等による商圏拡大と、CATV・ガス石油・情報通信等の既存会員に他商品も売るクロスセルの比率を7%から20%へ引き上げることを基本戦略としていました。
MAについては、この4年間で13案件を実施し、350千件の顧客増加と売上高85億円(営業利益6奥円)の上乗せを実現したものの、投資額としては計画の1,000億円には程遠い130億円止まりとなりました。2019年9月には岐阜の建設業者である日産工業買収(年商20億円)、2020年3月には仙台CATV(年商10億円)、同8月には中央電気工事(年商不詳)などガス事業以外の分野に関してもMAを進めており、ドメイン拡大志向がありそうです。実際に足許では、沼津のビルメン業者であるイノウエテクニカ(年商5億円)を買収しており、当社既存事業の売上高が1.5億円にすぎない領域であることから、例えばこうした管財事業を拡大する意向があるとみられます。
財務面については、2015年に100億円規模のMSCBを発行したほか、その後の順調な業績により自己資本の積上げが進んでいるため、自己資本比率は4割を超える水準にまで回復しています。然しながら、会社側は引き続きMAによる外部成長志向が強く、財務温存意向もあるとみられるため、配当については「継続的かつ安定的な配当」方針のもと、年28円配(配当性向44.3%)の据置が見込まれます。これは財務体質のわりに手許のキャッシュが少ないのも一因と思われます。
*参考記事① 2020-08-16 1,010円 NT
【3167】TOKAIホールディングス/見えがかりは堅調だが、営業費の未消化寄与が大きい。
*参考記事② 2020-01-20 1,067円 OP
【3167】TOKAIホールディングス/全セグメント順調で、通期は上振れ濃厚か。
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