【7038】フロンティア・マネジメント/SBI的な地銀支援で、中期的な高成長に期待がかかる。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7038】フロンティア・マネジメント(東証マザーズ)  OP

現在値 2,287円/100株 PER23.4 PBR5.97  12月配当 株主優待あり

企業再生を手掛けた大西・松岡両氏が設立。コンサルとM&A助言が主力。


配当(実績)は12月末一括の23円配のため、配当利回りは約1.00%となります。
フロンティア・マネジメントは株主優待制度を実施しており、12月末時点の単元株主に対して1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.44%となります。

業績を確認していきます。 
■2016年12月期 売上高 33.3億円、営業利益 0.1億円 EPS▲4.4円  
■2017年12月期 売上高 38.8億円、営業利益 2.5億円 EPS 28.8円 

■2018年12月期 売上高 46.9億円、営業利益 6.7億円 EPS 91.3円 

■2019年12月期 売上高 47.7億円、営業利益 6.6億円 EPS 75.3円(2/13) 

■2020年12月期 売上高 53.0億円、営業利益 8.0億円 EPS 97.6円 ce 
□2020年6月中間 売上高 23.0億円、営業利益 1.0億円 EPS 12.4円 四e 

 

2019年12月期の売上高は前期比1.7%増の47.0億円、営業利益は同1.4%減の6.6億円となり、減益となったもののほぼ期初予想ピンポイントでの着地となりました。FA(ファイナンシャル・アドバイザリー)事業において前期計上の大型案件(4億円超)が剥落したものの、再生支援事業が前期の2倍強にまで増加したほか、主力の経営コンサル事業も堅調に推移しました。なお利益面については、各種案件の高単価化が進んだものの、前述の大型案件剥落やオフィス移転(九段→住友不動産/六本木グランドタワー)に伴う費用に0.5億円要したほか、積極的な人材採用により微減となりました。


進行期である2020年12月期の予算については、売上高が11.1%増の53.0億円、営業利益は20.6%増の8.0億円と2桁幅の増収増益を予想しています。FA事業については、国内の中小企業の相続に絡んだ事業承継型案件の増加や、クロスボーダーMA案件の増加が見込まれるほか、経営コンサル事業についても高単価の大型案件を獲得済のため好伸が見込まれます。そのため、引き続き高水準の中途採用を実施するほか、年5~10人程度の新卒採用も実施するため、人件費の一段の増加が見込まれるものの、これら費用増をこなして2割強の増益を確保する見通しです。

 

当社はこれまで年率10%の売上高成長(営業利益率20%)を掲げてきましたが、この度最終年度を2020年12月期に定めた3年中計を改めて公表しており、最終年度に売上高47億円→65億円、営業利益6.6→12.0億円を業績目標値、その他KPI目標として従業員数177人→240人を定めています。当社はそもそもの出自がリサ・パートナーズ(旧8924)から6割出資を受けて、代表の大西氏と松岡氏(ともに2割出資)が設立した会社ということもあり地銀ルートが強く、地銀の抱えている再生案件に限らず、地銀自体の統廃合案件のFA等にも広く対応可能なことに特徴があります。折しも新型肺炎影響で地方の中小企業、ひいては地銀の経営難が見込まれるため、SBIHD(8473)のような“地銀の駆け込み寺”的なポジションで当社の出番は増えることが予想されます。

 

また海外事業にも注力しており、ニューヨーク支店を拡充したほか、2019年にはシンガポールにも拠点を開設してアジア案件の獲得に着手しています。このほかGEのDX部門のスピンオフであるジェンパクト社との協業によるBPO手法活用や、クロスボーダーなどは既に案件が顕在化してきているため、これらの案件増加がある程度見込まれます。一応、本中計に関しては当社自身のMA(※ドーガンとの資本提携は既に破談)やファンドExit利益を除くベースのためアップサイド残しではあるものの、掲げている数値自体は大分意欲的なので、先ずは初年度である今期の数値達成を確認したいと考えています。

 

株主還元については、(基本的には)資金を必要としないビジネスモデルのため、配当性向30%基準で配当を実施しています。今期の配当予想は未定となっているものの、この公表配当性向を単純に当てはめれば、今期の配当額は29円~30円となりそうです。

 

*参考記事① 2019-04-02 1,428円*分割修正済 OP

地銀統廃合案件の獲得が成長の鍵、フロンティア・マネジメント(7038)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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