地銀統廃合案件の獲得が成長の鍵、フロンティア・マネジメント(7038)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7038】フロンティア・マネジメント(東証マザーズ)  ---

現在値 2,857円/100株 PER18.1 PBR4.29  12月配当 株主優待なし

企業再生を手掛けた大西・松岡両氏が設立。コンサルとM&A助言が主力。


配当(実績)は12月末の50円一括配のため、配当利回りは1.75%となります。
フロンティア・マネジメントは株主優待制度を実施しておりません。

業績を確認していきます。 当社は昨年9月のIPOです。
■2016年12月期 売上高 33.3億円、営業利益 0.1億円 EPS▲8.7円  
■2017年12月期 売上高 38.8億円、営業利益 2.5億円 EPS 57.6円 

■2018年12月期 売上高 46.9億円、営業利益 6.7億円 EPS 182.6円 

■2019年12月期 売上高 47.0億円、営業利益 6.5億円 EPS 157.2円 ce 
□2019年6月中間 売上高 25.0億円、営業利益 1.5億円 EPS 70.2円 四e 

 

2018年12月期の売上高は前期比20.9%増の46.9億円、営業利益は同167.4%増の6.7億円

となり、IPO時の落着予想を上回っての増額着地となりました。主力の経営コンサル事業

が継続案件の増加で底堅く推移したほか、FA(ファイナンシャル・アドバイザリー)事業

も、案件大型化により大きな増収を確保しました。特に当社が得意とするB2C領域に

おいて、飲食・サービス業向けの案件が増加した模様です。


進行期である2019年12月期の予算については、売上高が0.2%増の47.0億円、営業利益

は3.3%減の6.5億円とまさかの減益を予想しています。クロスボーダー型のMAや、中堅・

中小企業における事業承継MAの増加傾向により、MAの市場自体は引き続き活況を呈

することが予想されるものの、実績期における大型案件の剥落や、オフィス移転(九段→

住/不・六本木グランドタワー)に伴う費用が0.5億円かかるほか、積極的な人材採用に

よる人件費の増加もあり、期初予想としては横ばいに近い内容になったとみられます。

 

以下、3月28日に出席した株主総会の質疑を記します。

---

Q:事業内容毎の収益性はどうか?

A:MAアドバイザリー>コンサル、だ。

 

Q:販管費(人件費)と売上原価の違いがよくわからない。

A:案件ごとに使ったコストやフロントのマーケティングコストなど、案件によって何処に

 算入するかまちまちだったりする。

 

Q:5年後、10年後の姿を教えて欲しい。

A:中計を作っていないので数字の用意はないが、売上高CAGR10%、営業利益率20%

 を一つの目標とはしている。

 

Q:採用ルートはどうか。

A:社員紹介、新卒、人材紹介の3ルートだが、新卒のコンサル人気は高いのは追い風。

 

Q:案件のパイプラインについてはどうか。

A:金融機関に関してはコンスタントに案件が出てきている。一般の事業会社も増えてき

 ているので、ここを増やしていきたい。

 

---以上

 

というわけで、一応中計らしきものとして、年率10%のトップライン成長(営業利益率20%)

が示されたのですが、初っ端の翌期ガイダンスでは横ばいが示されているので、現時点

では何とも言い難い状況です。当社はかつてリサ・パートナーズ(8924)から6割の出資を

受けて、大西氏と松岡氏(ともに2割出資)が設立した会社ということもあり、地銀ルートは

強いはずなので、今後の地銀の統廃合案件を獲得していけるかどうかが、中長期的な

成長の鍵となると思われますので、その辺の獲得状況を注目していきたいと思います。

 

なお当社は、大して資金を必要としないビジネスモデルのため、既に株主還元を始めて

おり、今期は配当予想額こそ示してはいないものの、公表配当性向である30%水準を参

考にすると、年間50円配当が維持する公算が高そうです。 

 

 

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