業績底堅く、新業態続々きちりホールディングス(3082)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3082】きちりホールディングス(東証1部) --

現在値 761円/100株 PER46.6 PBR4.2 6月配当 12月株主優待

女性向け居酒屋『きちり』等を直営展開。関西から関東に軸足移行。
配当金は6月末一括の7.5円配当であり、配当利回りは0.99%となります。

きちりは株主優待制度を実施しており、12末現在の100株以上の株主に対して3,000円

分の食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りを算出すると約4.92%となります。

業績を確認していきます。
■2015年6月期 売上高 73.7億円、経常利益 4.3億円 EPS 11.5円 
■2016年6月期 売上高 80.3億円、経常利益 4.3億円 EPS 25.7円  
■2017年6月期 売上高 88.4億円、経常利益 3.1億円 EPS 16.9円  

■2018年6月期 売上高 92.0億円、経常利益 3.5億円 EPS 20.5円 

■2019年6月期 売上高 98.0億円、経常利益 4.0億円 EPS 16.3円 連ce
□2018年12月中 売上高 50.2億円、経常利益 2.2億円 EPS 5.4円(2/5)

2018年12月中間期の売上高は前年同期比8.0%増の50.2億円、経常利益は同3.0%増の

2.2億円となり、中間時点では期初予算水準を確保して着地しました。既存店売上高も

概ね前年クリアとなり底堅く推移したほか、新店についても新宿ミロードにビビンバ専門

店の「VEGEGO」を開業させたほか、表参道にミルクティー専門店「CHAVATY」、お台場

のダイバーシティ東京にカツ煮業態の「かつゑもん」を開業するなど、数多くの新業態の

出店を果たしており、上期は数字だけでなく定性面からも悪くない仕上がりとなりました。

なお2019年6月期予算については、期初の予想を据え置いています(純利益除)。連結

決算へ移行することもあり単純な前期比較はできないものの、売上高は前期比6.0%増

の98.0億円、経常利益は同11.2%増の4.0億円を予想しています。今期の出退店計画は

退店1店に対して、出店を10店ほどを見込んでいるため、出店による成長がメインとなり

ます。既存店売上に関しては、上期に多少上振れした分の貯金があるほか、既に開示

されている1月・2月の月次も100.9%・104.3%とそれぞれ前年クリアしているため、現時点

において会社通期予算は走破可能圏にあると言えそうです。


当社の強みは、主力の「KI・CHI・RI」ブランドが成熟化(もっと言うと陳腐化)が進んで

しまっていることに危機感を持ち、新業態の開発を進めている点にあると言えます。

平河町に220坪もの規模で出店した「Anchor Point(ステーキ・クラフトビール)」や、

「とん久(黒豚とんかつ)」、「マジックインワンダーランド(手品ショー付ダイニング)」、

またこれらに加えて、冒頭に記したようなビビンバ店などの新業態の出店を進めて

います。また、ルクア大阪内にグロサリーとレストランを融合した“グローサラント”の

新業態を500坪超級で開業しています。これは成城石井が京王調布などで既に展開

しているものと似たような業態かと推察され、出店当時の当社には三井物産と協業

していたイタリア食材事業の「EATALY」があったのでこれがコア・コンピタンスとなる

はずでしたが、既に「EATALY」からは撤退しているので、退店含みかもしれません。

(地下2階とはいえルクアの家賃は安くないはずなので・・・)

 

この他に当社の特徴と言えるのが、外食プラットフォーム事業の展開であり、相手先

ブランドでの飲食アウトソーシング受注を進めているほか、小規模ながらCVC事業も

展開しており、iPadを利用したPOSレジ会社や、労務管理システム会社などの飲食に

関連する出資先のサービスを、自社で活用したり提携先に活用させたりするなどして

収益の多角化を図っています。また相手先ブランドでの受注とは逆となる所謂FCでの

ビジネスも展開しており、昨年5月には小売大手イズミの飲食子会社と提携し、中国

エリアにおける同社商業施設内での展開を加速させるとともに、ロイヤルティー収入

による収益の安定化を狙っているような状況です。

 

なお、株主還元については、今期は前期の20周年記念配当2.5円を剥落させて、期末

一括の7.5円配当を予想しています。財務的には余裕もありますが、従業員の待遇が

あまりよくないのでそちらに回して欲しいのと、新業態開発(と出店のための内装等の

投資)のための資金も必要かと思われるので、手元現金の絶対額が少ない当社として

はまぁ妥当な減配かと考えています。

 

*参考記事① 2018-03-17 718円 --

久々に中間で予算水準を確保だが、手品業態にはリスクも・きちり(3082)。

 

*参考記事② 2017-03-12 663円 --
平河町の大型店や新業態注力はリスク高め、きちり(3082)。

 

 

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基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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