平河町の大型店や新業態注力はリスク高め、きちり(3082)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3082】きちり(東証1部) --

現在値 663円/100株 PER42.6 PBR3.87 6月配当 12月株主優待

女性向け居酒屋『きちり』等を直営展開。関西から関東に軸足移行。
配当金は6月に一括の7.5円配当であり、配当利回りは1.13%となります。

きちりは株主優待制度を実施しており、100株以上の株主に対して3,000円
分の自社お食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りを算出すると
約5.65%程度の利回りとなります。

業績を確認していきます。
■2013年6月期 売上高 62.2億円、経常利益 6.0億円 EPS35.0円  
■2014年6月期 売上高 69.1億円、経常利益 5.1億円 EPS29.1円 
■2015年6月期 売上高 73.7億円、経常利益 4.3億円 EPS11.5円 
■2016年6月期 売上高 80.3億円、経常利益 4.3億円 EPS25.7円  
■2017年6月期 売上高 87.3億円、経常利益 2.6億円 EPS15.4円 ce修正 
□2016年12月中 売上高 44.2億円、経常利益 1.6億円 EPS9.2円(2/3)
※2018年6月期 売上高 100億円、経常利益 16億円 EPS95円 中計e

2016年12月中間期の売上高は前年同期比9.1%増の44.2億円、経常利益は同
52.9%減の1.6億円となり、期初予想を大きく下回りました。前期出店の店舗の
立ち上がりの遅れが響き、全社既存店売上高も約96.7%に留まりました。前期
は中間時点で久々に予算を達成しましたが、今期はまた未達となっています。


なお2017年6月期通期の予算についても、1Q後に減額しており、売上高
前期比8.7%増の85億円(従来95億円)、経常利益は同38.7%減の2.6億円
(従来
5.5億円)にそれぞれ修正しています。先述の既存店売上の低迷のほか、下期
の出店予定だった新店も一部見送りとしたため、トップラインから減少します。


そのように業績が冴えないため、一昨年に引き続いて昨年11月に恒例の1億円
自社株買いを発表したものの、3月10日時点で1株も買っていません。これは、
当社の株主還元は配当性向30%を目標とした、配当による還元を志向している
ことが主な要因と思われ、業績の悪化により自ずとタコ配的に達成してしまう
見込のため、配当維持のため自社株買いを諦めたのだと思われます。6ヵ月前
と比べて、借金が倍増(長期/7→14億)していることもあり、財務状況が悪化
していることも、株主還元施策に影響している可能性がありそうです。


主力の「KI・CHI・RI」が関東においても目新しさが薄れてしまったこともあり、
新業態の開発に余念がなく、日本海運会館?から賃借して、平河町に220坪で
出店した「Anchor Point(ステーキ・クラフトビール)」や「とん久(黒豚とんかつ)」な
ど、会社規模のわりにかなり攻めているのは評価出来ます。が、一頃のダイヤ
モンドダイニングのように業態開発や提携ありきで、既存店のテコ入れが後回
しになっているような印象が強く、経営の安定感が薄れている気がします。



*参考記事① 2016-03-10 646円 ---
タニタ食堂との提携は解消、きちり(3082)。

*参考記事② 2015-03-06 699円 ---
長野県と業務提携を締結、きちり(3082)の定期レビュー。


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