【9384】内外トランスライン(東証一部) OP
現在値 1,389円/100株 PER11.0 PBR1.63 6月配当12月配当優待
独立系の国際海上輸出混載首位。豊富な仕向け地と運航頻度が強み。
配当は6月末・12月末の年2回合計34円のため、配当利回りは約2.45%となります。
内外トランスラインは株主優待を実施しており、12月末現在の100株保有株主に対して、
1,500円相当のカタログを進呈しているため、配当優待利回りは約3.52%となります。
業績を確認していきます。
■2015年12月期 売上高 226億円、経常利益 15.6億円 EPS 94.7円
■2016年12月期 売上高 199億円、経常利益 13.3億円 EPS 45.2円
■2017年12月期 売上高 217億円、経常利益 15.8億円 EPS 122円
■2018年12月期 売上高 232億円、経常利益 16.5億円 EPS 118円
■2019年12月期 売上高 245億円、経常利益 17.9億円 EPS 125円 ce
□2019年6月中 売上高 113億円、経常利益 7.3億円 EPS 51.6円(7/30)
2019年6月中間期の売上高は前年同期比0.4%減の113億円、経常利益は同2.3%増の7.3
億円となり、期初予算を下回りました。主力の輸出混載(LCL)と輸出フルコンテナ(FCL)に
おいて、米中貿易摩擦の影響や、中国自体の景況感悪化にともなって取扱数量減となり、
サーチャージによる転嫁効果では補いきれませんでした。利益面については、トップライン
の低調と、期初に予定していなかった内外釜山物流センターを取得したことによる販管費
の増加が響いた格好となります。なお、当該施設取得による費用増加を控除したとしても、
期初予算の利益水準には届きませんでした。
なお、2019年12月期の通期予算については、期初のものを据え置いており、売上高は前
期比5.4%増の245億円、経常利益は8.0%増の17.9億円を予想しています。中国を主戦場と
する当社には米中貿易摩擦による影響が尾を引くものの、足許では鎮静化の兆しがみら
れるため、良化含みと考えられます。また、2Qから実施したサーチャージ改定による値上
げ効果や、期中取得した内外釜山物流センターが下期からフルで寄与するため、その分
の押し上げ効果が見込まれます。これ以外では、新EPA発効による航空フォワーディング
子会社の欧州産食品の取り扱い数量増等がアップサイドとして期待されますが、如何せ
ん上期の凹み分が大きいため、通期予算の達成はそれなりにハードルが高い印象です。
今期は3年中計の最終年度となっており、売上高300億円(CAGR15%)、営業利益21億円
(CAGR17%)を定量目標としていましたが、仮に今期の予算を達成したとしても大幅な未達
で落着する見通しです。本中計では、国内外のフォワーディング業務拡大と、その関連業
務である通関・梱包・国内配送の取込みによるフルライン化で、オーガニック成長を志向し
ていましたが、米中の貿易摩擦や中国景気の減速といったマクロ影響や、トラック運送料
や倉庫作業料といったコストアップの影響を受けた格好となります。また、この3年では大
きなMA案件もなかったため、トップラインも殆ど伸ばせずじまいとなる公算です。
そのため、基本的には来期からの新中計の発表を待つ形となりますが、当社が主力とす
るLCL事業は、本邦企業の現地調達・現地生産の進展でシュリンクしていく領域のため、
新しい成長シナリオや意欲的な業績目標よりも、新規MA案件の方が待たれる状況です。
一方、財務面については、実質無借金状態が継続しており、企業規模に見合わない水準
であるネットキャッシュ約56億円を丸抱えしている状況です。公募増資などの資金調達を
せずとも、手金でMAを出来る機動性を維持しているものの、現状ではMA案件もないため、
株主還元強化が望まれる状況です。一応、配当性向30%基準で増配基調にはあるものの
【16.3→16.5→25→30→32→32→34円(予】、今期の配当性向は27.2%となり、
30%を下回るため、追加的な増配措置が望まれますが、如何せん今期は業績未達含みで
あるため、その辺の期待度は期初よりも下がってしまっており、株価水準感を鑑みれば、
どちらかというと自社株買いの発動が望まれるシチュエーションではあります。
*参考記事① 2019-04-09 1,344円 OP
業績伸長鈍化も、米中貿易摩擦影響は限定的か・内外トランスライン(9384)。
*参考記事② 2018-11-21 1,671円 NT
財務鉄壁だが、MA案件なく増配も期待薄で迫力欠く・内外トランスライン(9384)。
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