【9384】内外トランスライン(東証一部) --
現在値 1,671円/100株 PER12.4 PBR2.08 6月配当12月配当優待
独立系の国際海上輸出混載首位。豊富な仕向け地と運航頻度が強み。
配当は6月末・12月末の年2回合計32円のため、配当利回りは1.92%です。
内外トランスラインは株主優待を実施しており、12月末現在の100株以上の株主に対して、
1,500円のカタログを進呈しているため、配当優待利回りは約2.81%となります。
業績を確認していきます。
■2015年12月期 売上高 226億円、経常利益 15.6億円 EPS 94.7円
■2016年12月期 売上高 199億円、経常利益 13.3億円 EPS 45.2円
■2017年12月期 売上高 217億円、経常利益 15.8億円 EPS 122円
■2018年12月期 売上高 230億円、経常利益 17.5億円 EPS 134円 ce
□2018年6月2Q 売上高 113億円、経常利益 7.2億円 EPS 49.7円
□2018年9月3Q 売上高 171億円、経常利益 11.0億円 EPS 75.8円(10/30)
2018年6月中間期の売上高は前年期比7.9%増の113億円、経常利益は同3.6%減の7.2億円
億円となり、期初予想をやや下回りました。主力の輸出混載(LCL)と輸出フルコンテナ(FCL)
において、中国・アジア向けの取扱量が堅調に推移したほか、国際航空と海上輸送をになう
子会社のユーシーアイエアフレイトジャパン(UCIAFJ)社も増収を確保しました。その一方、
利益面については運賃や作業料の高騰により原価が高騰したほか、円高による為替差損
もあり、経常利益ベースでは期初予想から一転して減益での着地となっています。
なお2018年12月通期の予算に関しては期初予想を据え置いており、売上高は前期比5.9%
増の230億円、経常利益は10.2%増の17.5億円を予想しています。トランプ政権による保護
貿易政策により、当社が得意とする中国向けの減退が懸念されますが、引き続き前年比の
取扱量は増加傾向を維持していることから、トップラインに関しては達成可能とみられます。
また、国内事業においては作業料や配送運賃に関して価格改定を実施したため、足許の
利益率が回復してきているとみられ、10月30日に開示済の3Qの経常利益は前年同期比で
トントンまで持ち直してきていますが、1割増を見込んでいる経常利益予算はサーチャージ
を追加で乗せてもキャッチアップ出来ない公算が高く、下振れ懸念が燻っている状況です。
今期は3年中計の中間年度となっており、最終年度の2019年12月期に売上高を300億円
(CAGR15%)、営業利益を21億円(CAGR17%)を定量目標としています。基本的には国内外
でのフォワーディング業務の拡大と、その関連業務である通関・梱包・国内配送の取込み
によるオーガニック成長を志向しており、簡易な手続きで税関を通せる“AEO通関業者”の
認定を取得するなどして、受注強化に繋げる考えです。また、特に海外については、昨年
8月にミャンマーの同業を買収して、当社の現法に衣替えしたほか、タイ最大の貿易港で
あるレムチャバンに支店を開設して、ASEAN地域での新荷主の獲得を目指しています。
基本的に国内は得意先の工場現地移転などの影響で頭打ちのため、海外拠点の拡大や
(これまで当社が行ってきた)同業他社のMAが成長のドライバーになろうかと思いますが、
現在の業績モメンタムでは、3年中計に掲げる業績目標の達成は難しいと思われます。
一方、財務面については、再び無借金状態に戻っており、現金で50億円を丸抱えしてい
る状況です。そのため、公募増資などの資金調達をせずとも、手金でMAを出来るような
機動性を保持していることが特徴と言えます。また、株主還元については、配当性向30%
基準で増配【16.3→16.5→25→30→32→32円(予】基調を継続しているものの、今期予想
の32円配では、計算上の配当性向23.8%となり、配当基準を大幅に下回るところでしたが、
既述のとおり今期の利益予算は下振れ含みのため、結果的に配当性向30%になりました、
というオチに収まりそうな感じが何とも残念なところではあります。
*参考記事① 2018-03-27 1,789円 --
アジア向け好調で最高益連続更新を見込む、内外トランスライン(9384)。
*参考記事② 2017-11-11 1,727円 --
今期は業績順調で増配期待かかる、内外トランスライン(9384)。
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