アジア向け好調で最高益連続更新を見込む、内外トランスライン(9384)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9384】内外トランスライン(東証一部) ーー

現在値 1,789円/100株 PER13.3 PBR2.31 6月配当12月配当優待

独立系の国際海上輸出混載首位。豊富な仕向け地と運航頻度が強み。
配当は6月12月の年2回合計32円のため、配当利回りは1.79%です。

 

内外トランスラインは株主優待を実施しており、100株以上の株主に対して
1,500円のカタログを進呈しているため配当優待利回は約2.62%となります。

業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 200億円、経常利益 12.0億円 EPS 20.2円 
■2015年12月期 売上高 226億円、経常利益 15.6億円 EPS 94.7円 
■2016年12月期 売上高 199億円、経常利益 13.3億円 EPS 45.2円 
■2017年12月期 売上高 217億円、経常利益 15.8億円 EPS 122円 

■2018年12月期 売上高 230億円、経常利益 17.5億円 EPS 114円 ce
□2018年6月中間 売上高 112億円、経常利益 8.4億円 EPS 63.9円 ce


2017年12月中間期の売上高は前期比8.7%増の217億円、経常利益は同19.1%増の15.8

億円となり、期初予想を上回りました。主力の輸出混載(LCL)と輸出フルコンテナ(FCL)

において、得意とする中国・アジア向けの取扱量が増加したほか、国際一貫輸送子会社

のフライングフィッシュ(FF)も国内向けの欧州食料品輸入が堅調に推移し、国際航空海上

フォワーダー子会社であるユーシーアイエアフレイトジャパン(UCIAFJ)社も関空・成田に

おける通関業務が順調に推移しました。また、韓国・釜山の「内外銀山ロジスティクス」も

今期初からフルに業績寄与しました。


進行中の2018年12月通期の予算に関しては、売上高が5.9%増の230億円、経常利益は

10.2%増の17.5億円を予想しています。引き続き中国・アジア向け輸出が堅調に推移する

とみられるものの、予算前提の取扱数量は微増程度を見込んでいます。また、子会社に

よるフォワーディング事業の強化や、手薄だった米国子会社の梃入れを図ります。ただ

原価面については、コンテナ船の運賃が上昇傾向にあるほか、日本郵船・商船三井・

川崎汽船の定期コンテナ船の統合会社“オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)”が

4月から発足することによる競争鈍化で、仕入運賃が高止まりしてしまう可能性がある

ことから、会社側はサーチャージや国内配送料値上げで転嫁していく考えのようです。

今期は2019年12月期を最終年度とする中計の中間年度となっており、3年後を目安に

売上高を300億円(CAGR15%)・営業利益を21億円(CAGR17%)を目指しています。基本

的には国内外のフォワーディングの拡大によるオーガニック成長を志向しており、昨年

8月にミャンマーの同業を買収・当社現地法人に衣替えしたほか、タイ最大の貿易港

であるレムチャバンに支店を開設し、好調なASEAN地域での新荷主獲得を目指して

おります。また、売上高構成比10%程度と手薄な米国・欧州向けをこの中計期間中に

20%にまで引き上げる方針であり、そこに関してはMAの出物待ちをしているようです。

一方、財務面については、直近で借り入れをおこした5億円を速攻で返済しており、

現金を50億円を丸抱えした無借金企業に戻っています。そのため、MA原資は潤沢

なのでPO等の必要は当分ないと思われます。また、株主還元については配当性向

30%基準で増配【16.3→16.5→25→30→32→32円(予】基調を継続してはいるものの、

今期の予想EPSベースで洗い替えた場合23.8%にまで落ちてしまうので、MA案件が

なければ、40円(約29.8%)程度まで、一段の増配を期待したいところではあります。

 

*参考記事① 2017-11-11 1,727円 --
今期は業績順調で増配期待かかる、内外トランスライン(9384)。

 

*参考記事② 2017-03-27 1,111円 --
無借金脱却でリスクオン志向か、内外トランスライン(9384)。

 

 

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