無借金脱却でリスクオン志向か、内外トランスライン(9384)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9384】内外トランスライン(東証一部) ーー

現在値 1,111円 /100株 PER10.8 PBR1.67 6月配当12月配当優待

独立系の国際海上輸出混載首位。豊富な仕向け地と運航頻度が強み。

配当は6月12月の年2回合計30円のため、配当利回は2.70%です。
内外トランスラインは株主優待を実施しており、100株以上の株主に対して
1,500円のカタログを進呈しているので配当優待利回は約4.05%となります。

業績を確認していきます。
■2013年12月期 売上高 167億円、経常利益 12.0億円 EPS 68.9円  
■2014年12月期 売上高 200億円、経常利益 12.0億円 EPS 20.2円 
■2015年12月期 売上高 226億円、経常利益 15.6億円 EPS 94.7円 
■2016年12月期 売上高 199億円、経常利益 13.3億円 EPS 45.2円 
■2017年12月期 売上高 215億円、経常利益 15.0億円 EPS 113円 ce
□2017年6月中間 売上高 104億円、経常利益 7.0億円 EPS 51.6円 ce

2016年12月期の売上高は前期比11.8%減の199億円、経常利益は同15%
減の13.3億円となり、期初予想水準を割り込み、減収減益で落着しました。
円高により主力の輸出混載輸送が低調に推移し、数量減少以上に単価下落と
為替差損が大きく影響しました。また経常外で子会社フライングフィッシュの
のれんの減損を4.6億円計上したため、最終益は更に大きく落ち込みました。


進行中の2017年12月通期の予算に関しては、売上高が7.6%増の215億円、
経常利益は12.5%増の
15億円と一転して増収増益を見込んでいます。去年
末よりアジア向け輸出が回復傾向にあることにくわえ、海外では昨年11月
に稼働を開始した韓国・釜山の「内外銀山ロジスティクス(内外釜山倉庫)」
がフルに寄与します。なお為替レートはドル円:108円で想定しています。

なお前の期が最終年度だった3年中計は、売上高230→199億円、営業利益
は16.1→13.0億円と相当な未達で終わりました。既に2019年12月期を最終
年度とする新中計の目標も公表されており、3年後の目標売上高を300億円・
目標営業利益を21億円の数字を置いています。前回がボロボロだったので、
今回も数値自体は"画餅"なのですが、子会社のユーシーアイフレイトジャパン
やフライングフィッシュが伸びて(伸ばして)いるので、売上高の300億円
は新規のMA抜きでは苦しいものの、利益面は達成可能性があるとみます。

当社は借金なしの超優良財務を売りにしてきましたが、既述の内外釜山倉庫
の新設絡みか、長期で5億円の借入をおこしています。それでも借金をネット
して40億円を超える必要以上の現金を抱えているのも事実ですが、これまで
になかった動きですので、意図がありそうな気がします。特に配当については
配当性向30%基準を公言していながら、今期予想は据置きの30円予想であり、
また20%台に沈むことから、増配がない場合はMAないしオンバランス経営
に舵を切るシグナルかもしれません(リスクを取る経営に変化するという意)。


*参考記事① 2015-09-11 1,119円 ーー
久々に会社計画線で進捗、内外トランスライン(9384)のレビュー。

*参考記事② 2014-09-22 721円* 投資判断Outperform継続
今期も期中で下方修正、内外トランスライン(9384)の業績レビュー。


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