【2686】ジーフット(東証1部) NT
現在値 652円/100株 PER69.3 PBR1.20 2月配当優待 8月配当優待
イオン系の靴小売。中部地盤に全国展開。ツルヤ靴店・ニューステップ合併。
配当金は2月末・8月末の年2回計10円で、配当利回りは1.53%となります。
ジーフットは株主優待を実施しており、2月末・8月末時点で単元株を保有する株主に対して
1,000円分の買い物券(年間2枚)進呈しておりますので、配当優待利回りは4.59%となります。
業績を確認していきます。
■2016年2月期 売上高 1,039億円、経常利益 54.7億円 EPS 67.1円
■2017年2月期 売上高 1,022億円、経常利益 50.2億円 EPS 63.0円
■2018年2月期 売上高 972億円、経常利益 22.7億円 EPS 17.6円
■2019年2月期 売上高 950億円、経常利益 3.8億円 EPS▲34.7円
■2020年2月期 売上高 950億円、経常利益 6.0億円 EPS 9.4円 ce
□2019年8月中 売上高 520億円、経常利益 12.5億円 EPS 16.5円 四e
2019年2月期については、連結決算に移行したため前期との単純比較は出来ないものの、
売上高は前期を22億円下回る950億円、経常利益は同18億円減の3.8億円となり、期初予
算を大きく下回ったほか、壊滅的な減益幅となりました。商品別ではスポーツ靴が比較的
マシだったものの、婦人靴の売上が前期比94.3%に留まったほか、紳士靴が92.5%と大きく
低迷しました。特に婦人靴は昨2018年2月期においても、前年との比較で91.7%、紳士靴も
90.4%だったため、直近2年で実に20%も売上が落ちてしまった格好となります。これは当社
のMDが空回って在庫がダブついているのが直接的な要因ですが、靴小売業界についても
構造的なECシフトが進んでいることが少なからず影響しているものと推察されます。なお、
出退店に関しては、出店34店・退店32店となり、期末の総店舗数は934店となりました。
進行期である2020年2月期の予算については、売上高が変わらずの950億円、経常利益
は54.4%増の6.0億円を予想しています。出退店については、出店20店に対して退店25店を
計画しており、ネット5店の純減であるため、既存店の売上前提についてはマイナス想定し
ているものとみられます。出店業態は主力の「ASBEE」及び派生の子供靴業態、家族向け
業態を中心に据えており、これまで通りイオンモール内の出店が中心となるとみられます。
不採算店の閉鎖が進捗しているわりに、利益の回復が緩慢ですが、これは高水準に膨ら
んだ在庫の処分売りと、消費増税による影響を一部織り込んでいることなどに由ります。
なお、既に5月末までの3ヶ月累計の月次の既存店売上高が開示されていますが、こちら
は95.8%水準に留まっていることから、予算割れ水準で進捗している公算が高そうです。
当社は今2020年2月期を最終年度とする3年中計で、売上高1,040→1,080億円、営業利益
55→65億円の目標を置いていたほか、KPIとして、期末店舗数を880→1,000店とする出店
計画を設定していましたが、今期の予算が表記目標を大幅に下回る水準で置かれたため、
1年残して事実上未達が確定しました。
一応、当社は親会社等に当たるイオン及びイオンモールの靴売り場として、館全体のテナ
ントミックス戦略の中での“役回り”が与えられているため、イオンやイオンモールの出店に
乗じて新店を増やすことが出来ますが、従来のように家賃の交渉に応じて貰っているよう
な印象もなく、約177億円にも及ぶ年間支払家賃が殆ど減らなくなってきました。そのため、
既述のとおりECシフトが進む靴小売業態において、リアル店舗でナショナルブランド品と、
好採算であるPB品を並べ、相対的に安価なPB品を選ばせるというビジネスモデル自体が
行き詰まりつつあることから、イオンやイオンモールに家賃と靴売り場としてのいち役回り
を提供するだけの“貢ぎ物系子会社”と化しつつあります。
なお株主還元に関しては、足許の低調な業績を反映して、今期から従来の半分となる年
10円への減配を予定しています。これでも配当性向は100%超のタコ配となってしまうこと
から、来期は更にその半分となる年5円くらいまでの減配は覚悟する必要がありそうです。
*参考記事① 2018-06-04 784円 OP
高級店順調も、主要業態はMD裏目で在庫過多状態に・ジーフット(2689)。
*参考記事② 2017-12-03 764円 OP
下方修正もなお過大、連続増配はストップか?ジーフット(2686)。
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