「アロハテーブル」統一化で、採算性は改善傾向・ゼットン(3057)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3057】ゼットン(名証セントレックス)  OP

現在値 920円/100株 PER14.9 PBR75.35 2月配当 株主優待 

東海、関東地区で飲食店運営。チェーン展開せず公共施設出店に注力。
配当金は2月の年1回5円のため、配当利回りは0.54%となります。

ゼットンは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する2月末の株主に対して、
食事券3,000円分を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.80%となります。また、

1年超の保有株主には4,000円分を進呈しているため、同利回りは約4.89%となります。

業績を確認していきます。
■2016年2月期 売上高 101億円、経常利益 0.2億円 EPS▲54.2円  
■2017年2月期 売上高 99億円、経常利益 3.3億円 EPS ▲102円   

■2018年2月期 売上高 92億円、経常利益 4.4億円 EPS 36.1円

■2019年2月期 売上高 97億円、経常利益 4.9億円 EPS 48.8円   

■2020年2月期 売上高 101億円、経常利益 4.2億円 EPS 61.3円 ce  
□2019年8月中 売上高 57.0億円、経常利益 3.6億円 EPS 50.9円 ce

2019年2月期の売上高は前期比5.4%増の97億円、経常利益は11.0%増の4.9億円となり、

売上高・利益ともに期初予想をクリアして、最高益を更新しました。台風等の天候不順の

影響があったものの、既存店売上高は予算前提の100.7%を大きく上回る103.1%を確保し

たほか、不振店クローズによる採算性の向上やコスト抑制策が奏功し、利益は一段増と

なりました。特に派生ブランドを多く抱え、カスタムロスが大きかった「アロハテーブル」に

おいて、オペレーションの統一化が進んだことが寄与しています。なお、店舗については

7店を出店し、6店を閉店した結果、純増1店となり、期末の店舗数は72店となりました。


進行期である2020年2月期の予算については、売上高が4.3%増となる101億円、経常利

益は14.6%減の4.2億円と一転して減益を予想しています。予算前提となる既存店売上高

は100.0%で設定しており、出退店についても10店の出店・3店の退店と純増7店を予定し

ているものの、出店に伴う費用増加にくわえ、SDGsを意図したプラスチック削減などの

リプレイス費用の発生や従業員のダイバーシティ推進などの定性施策によるコストの増

加を相当程度見込んでいるものとみられます。なお、既に3-5月の3ヶ月分の月次売上が

開示されていますが、軒並み100%を超過しており、今期の滑り出しも順調と言えます。

 

このたび当社は、4年間の中期経営計画を公表しており、最終年度となる2023年2月期

に売上高120億円(CAGR5%)、営業利益8.4億円(CAGR16%)をそれぞれ計画しています。

当社は2015年9月にダイヤモンドダイニング(DD社)が、当社創業者の稲本健一氏らから、

TOB(@790円)で当社株式の42%を取得して、連結子会社に収めていますが、中計を公表

するのは今回が初めてとなっています。本中計期間における取り組みについては、主力

の「アロハテーブル」の出店ピッチを落とし、パッケージ化の推進により採算性の向上を

図る(キャッシュカウ化)一方、その他のダイニング業態については、エスニック業態や、

和食業態の開発といった当社らしいオリジナリティのある業態開発を進める方針です。

ビアガーデン事業についても、より広義となるアウトドア事業へと改組し、バルニバービ

が得意とするような公共関連事業や、居抜き物件の再開発を狙っていく方針です。ただ

今回が初中計となることから、初年度である今期は取り敢えず様子見したいと思います。

 

なお、株主還元については、今期も年5円配当を予想していますが、上記の中計で自己

資本比率40%(足許27%)の“安定経営”も併せて掲げられてしまっているため、財務改善

のため株主に回ってくる公算は低く、当面は配当が据え置かれる可能性が高そうです。

 

*参考記事① 2018-06-08  994円 NT

不振店閉鎖でV字回復も、DDHD傘下で“没個性化”?ゼットン(3057)。


*参考記事② 2017-06-08 850円 NT

台所事情は苦しいも、DD社のために復配か・ゼットン(3057)。

 

 

会社四季報 2019年3集夏号

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