【2686】ジーフット(東証1部) ---
現在値 784円/100株 PER37.0 PBR1.29 2月配当優待 8月配当優待
イオン系の靴小売。中部地盤に全国展開。ツルヤ靴店・ニューステップ合併。
配当金は2月8月の年2回計20円で、配当利回りは2.55%となります。
ジーフットは株主優待を実施しており、2月末・8月末時点で単元株を保有する株主に対して
1,000円分の買い物券(年間2枚)進呈しておりますので、配当優待利回りは5.10%となります。
業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 1,034億円、経常利益 54.6億円 EPS 67.2円
■2016年2月期 売上高 1,039億円、経常利益 54.7億円 EPS 67.1円
■2017年2月期 売上高 1,022億円、経常利益 50.2億円 EPS 63.0円
■2018年2月期 売上高 972億円、経常利益 22.7億円 EPS 17.6円(4/11)
■2019年2月期 売上高 975億円、経常利益 27.0億円 EPS 21.1円 ce
□2018年8月中 売上高 520億円、経常利益 19.0億円 EPS 21.2円 四e
2018年2月期の売上高は前期比4.8%減の972億円、経常利益は同54.6%減の22.7億円と
期初予想を大きく下回ったほか、中間時点で減額した修正予算よりも下で着地しました。
商品別ではスポーツ靴・子供靴が前年比98%強とまずまずだったものの、婦人靴が91.7
%、紳士靴が90.4%と大きく低迷しました。靴の市場規模自体はここ数年さほど変化してい
ないものの、服装のカジュアル化傾向にともない、婦人靴・紳士靴のシェアがスポーツ靴
に奪われており、当社はそれに対応するMD策が採れておらず、過剰在庫を抱える結果
となりました。なお、出退店に関しては、出店37店・退店27店で期末の総店舗数は890店
と10店純増したにもかかわらず、売上高が約5%も減少する冴えない結果となりました。
進行期である2019年2月期の予算については、売上高が0.2%増の975億円、経常利益は
18.4%増の27億円を予想しています。出退店については、出店35店に対して退店20店を
計画しており、ネット15店の純増であることを踏まえると、既存店の売上前提はマイナス
として置いているものと推察されます。出店業態は「ASBEE」の家族向け業態がメインと
なり、このほか店舗数が限られていたキッズ向けの専用業態も大幅に増やす計画です。
当社は2020年2月期を最終年度とする3年中計で、売上高1,040→1,080億円、営業利益
55→65億円の目標を置いており、この他のKPIとして、期末店舗数を880→1,000店とする
出店計画を設定していますが、1年経過した時点で全指標とも未達が確実となりました。
基本的な成長シナリオとしては、親会社であるイオンの内外での店舗数の拡大に乗じて
コバンザメ的に出店し、ABCマート(2670)でいうところの「Hawkins」「VANS」のようなPB
商品(オリジナル/ライセンス独占)比率を上昇させて、利益率を向上させる青写真でした
が、肝心のPB品のMD戦略がコケて逆回転しているような状況です。ただここまで戦略
が裏目に出て大減収になっても赤字にはほど遠いため、出店しているイオンモール等
との賃貸借契約は歩合賃料の設定などで“配慮”されている可能性がありそうです。
(※実際、店舗純増にも拘らず、この1年で支払家賃が実に23億円も減少しています)
ということで、実際に減少基調が続く在庫回転率や、3割を切る水準まで落ち込んだPB
販売比率の反転が確認できない限りは中長期的な展望を出来る状況ではありません。
昨年2月に三菱商事から会社分割で買い取った高級靴販売の「Trading Post」事業
は順調に推移しており、この辺が新たな成長ドライバーとなる可能性はあるものの、
MD的にイオンモールとはなじまない業態なので、現時点でアテにしずらいところです。
なお株主還元に関しては、実績期についにタコ配圏へと沈んでしまったものの、今期は
配当性向94.5%水準となる20円配当の据置を予想しています。自己資本比率はまだ4割
強をキープしていますが、当社のBSは商品(在庫)ばかりで手許現金も多くなく、借金も
そこそこあるため、業績が浮上しない場合は減配も視野に入る頃合かと思われます。
*参考記事① 2017-12-03 764円 ---
下方修正もなお過大、連続増配はストップか?ジーフット(2686)。
*参考記事② 2017-05-21 769円 ---
まさかのトップライン減少で、採算性重視へ変更か・ジーフット(2686)。
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