今期は達成圏だが、今後の“名有り”案件が少ない。ツカダ・グローバルホールディング(2148)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2418】ツカダ・グローバルホールディング(東証1部)  ---

現在値 604円/100株 PER9.6 PBR0.83 6月配当優待12月配当優待

欧米風邸宅での挙式・披露宴を行う婚礼が主力。ハワイ等でも展開。
配当金は6月末・12月末の年2回の5円ずつの配当で、配当利回りは1.66%となります。

ツカダ・グローバルホールディングは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末現在の

単元株主に対して、500円相当のクオカードを年2回進呈しておりますので、配当金と合計

した配当優待利回りは約3.31%となります。

業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 516億円、経常利益 67.0億円 EPS 87.9円
■2015年12月期 売上高 538億円、経常利益 54.3億円 EPS 79.5円
■2016年12月期 売上高 553億円、経常利益 35.9億円 EPS 40.3円 
■2017年12月期 売上高 572億円、経常利益 43.9億円 EPS 46.1円 

■2018年12月期 売上高 615億円、経常利益 50.5億円 EPS 62.8円 ce
□2018年6月2Q 売上高 279億円、経常利益 9.9億円 EPS 12.3円 

□2018年9月3Q 売上高 423億円、経常利益 20.1億円 EPS 25.5円(11/9) 

2018年6月中間の売上高は前年同期比6.3%増の423億円、経常利益は同39.4%増の20.1

億円となり、期初予算を達成しました。主力の国内婚礼については、昨年10月に開業した

ストリングス表参道の通期稼働効果や、3月に開業した芦屋の上乗せがあり、施行組数が

増加しました。また、海外婚礼についても、ハワイの提携販売が好調に推移し、施行組数

は大幅増となりました。ホテル事業についても、旗艦店である竹芝インターコンチや品川

ストリングスが堅調に推移したほか、ウェルネス事業についても旗艦店の大宮・新浦安で

増収基調を堅持したため、概ね全てのセグメントで予算クリアとなりました。


なお2018年12月期の通期予算については、期初予想を据え置いており、売上高が前期比

7.4%増の615億円、経常利益は14.8%増の50.5億円と連続で2ケタ増益を予想しています。

婚礼事業における表参道ストリングスの通年稼働や、ウェルネス事業における新浦安の

通年稼働が寄与するほか、挙式単価の高い芦屋が9ヶ月分オンされます。期初の時点に

おける婚礼受注残高は1年前比で8.5%増の8,056件を確保しているほか、直近で開業した

表参道も芦屋も挙式単価の高い式場であることを踏まえると、通期予算達成の蓋然性は

かなり高く、11月9日に開示されている3Qの数字を踏まえると、増額含みと言えそうです。

 

当社は中長期的な目標値を公表しておらず、マテリアルの棒グラフのグラデーションで

しか今後の業績の伸びが推定出来ないものの、おおよそ2年後に売上高で800億円程度

(利益はグラフなし)を見込んでいる模様です。新たな式場が名有りになっていないため、

婚礼の高単価化や海外式場への送客の強化、ホテルのレベニューマネジメントといった

内部成長がメインの施策になると思われます。一応、再来期である2020年12月期には、

自社開発物件である新宿のホテルが開業予定となっており、当初はANA/IHGのブランド

であるストリングスが冠される予定でしたが、IHGのブティックブランドである「キンプトン」

に変更され、宿泊のオペレーションは当社が行わず、ANA/IHGに丸投げとなっています。

同ホテルは3つの大型バンケットを有しているものの、あくまで“ホテル事業”の位置付け

であり、宿泊と(特にキンプトンの評価が高いとされる)料飲で稼いでいく形となります。

 

最近の当社は財務コントロールをかなり重視しており、配当金を10円に固定化させること

で極力内部留保に回しているほか、自社株買いも枠こそ設定するものの、実際は殆ど買

っておらず、財務良化志向が鮮明となっています。特に今期は固定資産である神宮前の

土地を売却して借金を返済しており、新規の開業予定がないことも相俟って、フリーキャ

ッシュフローが大幅に増加しており、足許のネットD/Eレシオは0.4倍台、自己資本比率も

40%を超える水準まで良化しています。ここ十数年ではかなり財務的に余裕のある状態に

なっており、これを活かすMA案件が出てくるのか、一転して株主還元に振り向けるのか、

分水嶺のようなタイミングに来ていると思いますので、資本政策に注目したいと思います。

*参考記事① 2018-04-23  644円 ---

一段と財務良化で、MA等の“飛び道具”に期待。ツカダ・グローバルホールディング(2148)。

*参考記事② 2017-10-18 584円 ---

上期黒字転換で薄日も、株主還元は期待薄。ツカダ・グローバルホールディング(2418)。

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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