【3676】デジタルハーツホールディングス(東証1部) --
現在値 1,527円/100株 PER21.7 PBR9.88 3月配当優待 9月配当
専用機、モバイル向けゲームソフトの不具合検出(デバッグ)主力。非ゲーム分野に注力。
配当は3末・9末の合計13円配のため、配当利回りは0.85%となります。
デジタルハーツホールディングスは株主優待制度を導入しており、3月末の単元株保有株
主に対して、お米券を3枚進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.71%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 132億円、営業利益 15.1億円 EPS 22.6円
■2016年3月期 売上高 150億円、営業利益 19.3億円 EPS 15.7円
■2017年3月期 売上高 154億円、営業利益 19.0億円 EPS 35.6円
■2018年3月期 売上高 173億円、営業利益 17.3億円 EPS 55.1円(5/11)
■2019年3月期 売上高 210億円、営業利益 22.0億円 EPS 70.3円 ce
□2018年9月中 売上高 82億円、営業利益 7.0億円 EPS 21.6円 四e
2018年3月期の売上高は前期比12.4%増の173億円、営業利益は同9%減の17.3億円となり、
期初予想を下回って減益落着となったものの、トップラインは2桁の伸びを奪回しました。
家庭用ゲームを始めとするCS分野は、任天堂「Switch」の普及拡大によるタイトル開発の
活性化を背景に堅調だったほか、ソシャゲ中心のDS分野についても、運営段階に入った
タイトルからの受注が好調だったことにくわえ、中でも高付加価値のシステムテストが5割
増となり業績をけん引しました。一方、遊技機中心のAM分野が規制強化で続落したほか、
全社的な人員増強や、経営層のスカウトによるコストの増加が利益を押し下げました。
進行期の2019年3月期の予算については、売上高が21%増の210億円、営業利益は26.7%
増の22億円と2割以上の大幅な増収増益を計画しています。今期よりセグメントを主力の
エンタメ事業(従来のCS、AM、DSの一部)とエンタープライズ事業(従来のDSのシステム
テスト部分)の2区分に再編成します。旧AMの落ち込みがキツいエンタメ事業は、GC(旧
CS)の売上増加で補うほか、前の期に人員増強による投資が先行したエンタープライズ
事業は足許の3Q、4Qで急速に人員の稼働率が向上して売上が激増しているため、今期
は2倍以上のセグメント売上を叩き出すことが予想されている状況です。
当社はこれまでの従来中計で、今2019年3月期の売上高を300億円、営業利益48億円を
目指していましたが、創業者の宮澤氏からローソン前会長の玉塚氏へとバトンが渡って
一年経ったこともあり、この中計は取り下げられています。そして玉塚体制の下で新たに
策定された新中計では、2021~2023年3月期(要は3~5年間)で売上高500億円、EBITDA
100億円を目指す計画であり、売上高はエンタメで250億円、システムテストで100億円、
ITサポート・セキュリティで100億円、海外事業で50億円を稼ぎ出す内容となっています。
玉塚社長に対する毀誉褒貶はあるにせよ、ユニクロやローソンで代表を歴任してきた点
については、当社の経営資源が8,000人の(テスター)バイトであることを考慮すると非常に
親和性が高いと思われ、今後はタレントマネジメントシステムの構築により、バイトの人材
管理や、インセンティブを含む人事制度の構築といった受注体制の整備が期待されます。
5月にはドイツ証券を割当先に最大110億円のMSワラントを発行しており、スペシャリスト
人材採用やAI自動化ツールの開発に35億円を投じるほか、75億円を関連事業へのMA
や資本参加などの“飛び道具”に使う方針です。当社はあのZMPと合弁会社を設立したり
今を時めくHEROZにも資本参加していることなどから、出来れば資本を入れて業務提携
したい意向が強いとみられ、このワラントはその軍資金確保の性格が強いと思われます。
(※本ワラントは行使価額修正なしのため、全く行使が進まない可能性もあり留意が要)
つらつら書きましたが、長らくオーナー経営をしてきた当社が、いきなりプロ経営者(?)の
玉塚氏を代表に連れてきて1年ほどしか経っていないため、少なくとも今期あるいは来
期くらいまでは“お手並み拝見”とし、暫くは様子を見るだけでもいいのかもしれません。
*参考記事① 2013-07-07 1,280円*分割修正済 --
*参考記事② 2013-04-18 974円*分割修正済 --
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