中計前倒し達成で完全復調も、株主還元は限定的・ウチヤマホールディングス(6059)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6059】ウチヤマホールディングス(東証1部) ---

現在値 522円/100株 PER11.4 PBR 0.66 3月配当株主優待 9月配当

介護、カラオケ、飲食店が3本柱。介護は入居一時金なしの有料ホーム。
配当金は3月9月で合計10円のため、配当利回りは1.92%となります。

ウチヤマホールディングスは株主優待制度を導入しておりまして、3月末に4単元以上を保有

する株主に対して、お米券5枚を進呈していますので、4単元保有時における配当優待利回り

を算出した場合、約2.96%となります。

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 236億円、経常利益 15.5億円 EPS 59.7円 
■2016年3月期 売上高 238億円、経常利益 3.2億円 EPS 46.1円 
■2017年3月期 売上高 253億円、経常利益 10.0億円 EPS 3.1円 
■2018年3月期 売上高 264億円、経常利益 13.5億円 EPS 41.8円(5/14)

■2019年3月期 売上高 277億円、経常利益 13.7億円 EPS 45.6円 ce
□2018年9月中 売上高 135億円、経常利益 5.1億円 EPS 17.2円 ce

2018年3月期の売上高は前期比4.3%増の264億円、経常利益は同34.1%増の13.5億円となり、

売上は多少未達だったものの、利益は大幅に上振れました。主力の介護事業については、

老人ホーム10棟(ショートステイ2棟含む)、障がい者放課後等デイサービス施設を7ヵ所開業

したことによる増収効果や、近隣病院などとの連携強化による入居率の改善(92.3→94.6%)

により増収増益を確保し、全社業績を牽引しました。また、柏と北九州の2棟をオフバランス

してリースバックしているため、ボトムラインに約4億円の利益がオンされているものの、他の

物件の減損をぶつけて相殺しています。なお、カラオケ事業については4店舗閉鎖したもの

不採算店閉鎖の一巡による収益良化で、セグメント増益に転じています。

進行期である2019年3月期の予算については、売上高が5.2%増の277億円、経常利益は1.4

%増の13.7億円を見込んでいます。介護事業において老人ホームの新設を7棟、その他施設

(愛の家など)を10ヵ所を開業する計画であり、この新規稼働効果と入居率改善(92.3→94.6%)

を予算前提とし、今期も介護事業が全社業績を押し上げます。一方カラオケ事業については

出店1・退店3の計画で依然退店超となるほか、飲食事業も業態変更1・退店2の計画であり、

これらカラオケ・飲食セグメントはいずれも減収減益見通しとなっています。


今期は2019年3月期に最終年度とする3年中計の最終年度となっており、売上高は291億円、

営業利益11.6億円、最終利益6.9億円とする定量目標値を置いていましたが、売上高以外は

実績期で前倒し達成しています。そのため、今期は“長期ビジョン”である売上高1,000億円・

営業利益100億円達成のための準備期間としての色合いが強く、保育園併設型介護施設の

軌道化や障がい者放課後等デイサービス施設の展開エリア拡大、介護人材の確保を狙った

外国人職業訓練校(インドネシア)の開設など、先々を見据えた取り組みを増やします。

 

会社側としては、リースバック取引による利益確保もさることながら、こうした介護会社として

のファンダメンタルズの強化により、公募案件の獲得や、今後市場にあふれると推察される

不採算化した老人ホームのMAの受け皿になることで、長期的な成長を目指すとみられます。

そのため、相変わらず開発型でも介護施設の開設を進めていることや、将来のMAに備える

ための(?)、資金温存意欲は根強いものがあり、年間10円の配当を頑なに維持しています。

また2016年には自己株取得を途中で打ち切った経緯もあるため、こと株主還元については

かなり期待薄なので、あくまでグロース株として捉えた方が良いと思います。

 

*参考記事① 2018-02-05 596円 ---

今期は老人ホーム10棟の開業で、成長再加速へ弾み・ウチヤマホールディングス(6059)。


*参考記事② 2017-07-18  465円 ---

オンバランス経営でも財務良化進む、ウチヤマホールディングス(6059)。

 

 

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