【3548】バロックジャパンリミテッド(東証一部) ---
現在値 965円/100株 PER15.6 PBR2.22 1月配当優待 7月優待
若い女性向けの衣料、服飾雑貨SPA。多品種小ロット、中国・日本が二本柱。
配当金は1月に一括38円配当のため、配当利回りは約3.94%となります。
バロックジャパンリミテッドは株主優待制度を実施しており、1月末・7月末の
単元以上の株主に対して2,000円分の買い物券を進呈しておりますので、
配当優待利回りは約8.08%となります。
業績から確認していきます。
■2015年1月期 売上高 625億円、経常利益▲8.7億円 EPS ▲74.8円
■2016年1月期 売上高 687億円、経常利益 61.4億円 EPS 134.9円
■2017年1月期 売上高 694億円、経常利益 53.8億円 EPS 108.3円
■2018年1月期 売上高 688億円、経常利益 36.7億円 EPS 61.1円 ce修正
□2017年7月中 売上高 306億円、経常利益 ▲3.7億円 EPS ▲14.5円(9/14)
2017年7月中間期の売上高は前年同期比5.2%減の306億円、経常利益は同
赤転の▲3.7億円となり減収減益となりました。「AZUL」を中心とする国内の
SC向けブランドの苦戦が著しく、売上構成比も高いため全社業績を大きく
押し下げることとなりました。一方、駅ビル向けの「MOUSSY」や百貨店向
けの「EMFOLD」が健闘したほか、中国事業も概ね計画線で推移しました。
なお、2018年1月期通期の予想も修正しており、売上高は前期比0.9%減の
688億円(従予:762億円)、経常利益は同31.8%減の36.7億円(従予:66.4億円)
と大幅に減額しております。国内事業における上期既存店売上が88.9%で
落着したことによる落ち分を反映させたほか、下期もその半分程の落ち分
まで今回の修正で織り込んでいますが、開示されている月次情報によれば
3Q累計期間の既存店売上高は90.0%に留まっているため、台風・曜日影響
があるものの、減額後計画の達成には暗雲が立ち込めている状況です。
今期は4年中計の初年度となっており、最終年度の2021年4月期に売上高
694→1015億円(CAGR10%)・経常利益は53.8→111.9億円(CAGR20%)と
連続2桁成長を計画していましたが、こちらは初年度であえなく頓挫する形
となり、今期末で大きくローリングされる見通しとなりました。苦戦続く国内
事業は店舗と通販の融合、ポイントによる囲い込み、店舗人員効率化等
により、新規出店以外の部分でテコ入れを図る方針となっております。
他方、第二の柱である中国事業は順調に推移しており、今期についても
期末店舗数187店から、純増で60店ほどの積み増しを計画しています。
中国事業における(ほぼ)イコールパートナーである百麗国際(HK:1880)は
中国本土に靴・衣料小売店舗を2万店抱えており、当社ブランドの展開力
についても、注文通りかそれ以上の成果を残しています。利益の半分は
同社に取られてしまうものの、同社は主力の靴事業からスポーツウェア・
アパレル事業にドメインをシフトさせつつあることから当社ブランドの拡販
に注力しているため、合弁相手先としては十分評価出来ます。中計では
海外売上比率を2割へと引き上げる計画ですが、確度は高めと言えます。
株主還元については、欠損状態だった利益剰余金が今期からプラスへと
転じているため、配当方針に関しても性向30~40%を基準に株主還元を
始めています。昨年のIPO時の公募価格(@2000円)の半分以下の株価で
今期業績も大減額している中での大幅増配予想(10→38円)となりますが、
当社大株主は百麗の完全子会社やオリックスであることや、会社側から
改めて配当据置のアナウンスがあったことから、再減額修正があっても、
今期は38円配当が実施される公算が高いものとみられます。
*参考記事① 2017-05-17 1,267円 --
中国提携先は強力だが、本邦が微妙。バロックジャパンリミテッド(3548)。
![]() |
新品価格 |
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。