中計目標保守的で、財務改善もハイピッチ・日本コンセプト(9386)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9386】日本コンセプト(東証1部) --- 

現在値 1,260円/100株 PER13.6 PBR2.2 6月配当優待 12月配当優待

タンクコンテナを用いた化学品、薬品、食品など液体物流。輸送は外注。
配当は6末12末の2回・合計30円のため、配当利回りは2.38%となります。

日本コンセプトは株主優待制度を実施しており、6月末現在の単元株主に

対して2,000円分のカタログギフト、12月末に1年以上長期保有する単元株

主に対して1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、合算した配当

優待利回りは約4.76%となります。

業績は以下の通りとなっています。
■2014年12月期 売上高 103億円、経常利益 18.2億円 EPS 88.6円
■2015年12月期 売上高 110億円、経常利益 19.8億円 EPS 99.3円
■2016年12月期 売上高 104億円、経常利益 15.8億円 EPS 82.4円
■2017年12月期 売上高 110億円、経常利益 17.2億円 EPS 92.6円 ce
□2017年6月中 売上高 56.3億円、経常利益 9.2億円 EPS 49.5円(8/10)

2017年6月中間期の売上高は前年同期比3.8%増の56.3億円、経常利益は

同5.8%増の9.2億円とおおよそ期初計画水準での着地となりました。日本を

起点とする輸出・輸入・国内輸送が営業積極化により堅調に推移したほか

昨年に実施した借換により、上期6ヶ月あたりの支払利息が60→32百万円

に大きく減少したことが寄与しました。

なお2017年12月期の通期予想に関しては、売上高が5.0%増の110億円、

経常利益は9.0%増の17.2億円と何れも期初の予想を据え置いています。

中間時点のタンクコンテナの本数も前期末との比較で、6,756→6,970本へ

と200本強増加させており、既に今期末の計画数である7,000本にリーチ

しているほか、本年2月には富津に京葉臨海支店の開設も済ませている

ため、あとは受注さえ順調であれば、通期業績は走破圏と思われます。


当社はローリング形式の3年中計値を公表しており、2019年12月期に経常

利益18.9億円の目標を置いています。保有コンテナの増加(6,756→8,000

本)による受注可能キャパの引き上げや、海外(特に米国)の現法による受

注体制の強化などが本中計での中心施策となりますが、足許では主力の

ケミカルコンテナ以外に、ガスタンクコンテナという代替フロン等を輸送す

る事業を開始させております。当該事業は、顧客のコンテナレンタルから、

法定検査、保管まで一貫受注するほか、顧客の専用容器として長期契約

するモデルの事業であるため、今後はストック的な貢献が期待されます。

いずれにせよ、東証一部へ指定変更となり、コンテナの借金の金利負担

の追加削減も十分期待できるような状況ですので、現在の中計目標値は

かなり保守的であり、前倒しの可能性も十分にある様な印象を受けます。


株主還元については、前の期に配当金を年間20→30円へ1.5倍に大増配

しておりますが、今期の配当は変わらずの30円予想を据え置いています。

当社はコンテナの減価償却費が年8~9億円があり、定常的に利益を大き

く押し下げているものの、キャッシュアウトしていないため、財務状況の改

善がハイペースで進んでおり、自己資本比率はついに50%台となりました。

そのため、還元余力も相当程度向上しており、今期は東証一部への指定

替えも達成していることから、「記念配+α」の増配も期待される状況です。


*参考記事① 2017-04-17 1,191円 --

成長鈍化も財務良化で還元余地大きい、日本コンセプト(9386)。

*参考記事② 2016-09-24 850円 ---
円高で中計赤信号も、底堅さ見られる。日本コンセプト(9386)。

 

 

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