【3196】ホットランド(東証一部) --
現在値 1,422円/100株 PER74.7 PBR6.74 12月配当優待 6月優待
「築地銀だこ」「COLD STONE CREAMERY」などの直営・FCによる運営。
配当は年5円のため、配当利回りは0.35%となります。
ホットランドは株主優待制度を導入しており、6月末12月末に100株以上を
保有する株主に対して、1,500円分の株主優待券を進呈しておりますので
配当優待利回りは2.46%となります。
業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 273億円、経常利益 20.5億円、EPS 112円
■2015年12月期 売上高 309億円、経常利益 15.0億円、EPS 42.3円
■2016年12月期 売上高 315億円、経常利益 9.6億円、EPS ▲36.0円
■2017年12月期 売上高 360億円、経常利益 11.5億円、EPS 19.0円 ce
□2017年6月中 売上高 160億円、経常利益 6.3億円、EPS 10.4円
□2017年9月3Q 売上高 244億円、経常利益 9.3億円、EPS 11.3円(10/30)
2017年6月中間期の売上高は前年同期比3.2%増の160億円、経常利益は
同86.0%増6.3億円となり、予算比で売上はショートしたものの、利益は上振
れして着地しました。主力の「銀だこ」の既存店売上高がCM投入効果等で
堅調に推移したほか、不振の「銀のあん」を業態変更等により閉鎖を進め
たため主に利益面が大きく改善しました。
進行期の2017年12月期の売上高は7.8%増の340億円、経常利益は19.2%
増の11.5億円の期初予想を据え置いています。下期は引き続き不採算店
の閉鎖効果が見込まれるほか、前期より「銀だこ」各店に自動たこ焼き器
(人件費10%カット&焼き時間半分)を順次導入しているため、店舗生産性
の向上が期待されます。また、10月30日に3Q決算が開示されていますが
売上高244億円・経常利益9.3億円とここ数期の進捗を見比べる限り、かなり
順調に仕上がっている印象を受け、最終利益こそ減損で削られるものの、
予算達成への期待が高まります。
ただ「銀だこ」に続くブランド育成は進んでおらず、当社の大株主でもある
イオンモールが自社SCの活性化(店舗リプレイス)対策として、合弁会社を
設立してまで展開を進めた「THE COFEE BEAN&TEA LEAF」も大ハズレと
なり、合弁を解消して「ラ・キッシュ」のカフェ店舗へあわてて業態転換して
いるような状況です。「コールドストーン」ものれんの減損や、夏・冬二毛作
を意図した「銀のあん」とのコラボ店舗など、MD戦略が雑なので、ブランド
育成どころか毀損しかねないので、この辺は何とかしてほしいところです。
それでも当社は新業態の成功率こそ低いものの、佐瀬氏のオーナー企業
である強みを生かし、積極的な海外展開や外部提携に踏み切っている点
は評価出来る部分もあり、本年10月には当社の米国子会社(完全子会社)
の三者割当を「かつや」のアークランドサービス(ALS)に引き受けさせ、49%
の持分をあっさりと譲ってしまいました(※なお米国子会社は「ランド・ランド
USA」という、まるでギャグのような商号へ変更する模様です)。ALSは既に
アジアを中心とする海外で店舗網を拡大しつつあり、会社の体力も知見も
段違いに優れているので、巨大市場である米国の利益を約半分諦めても、
成功の確率を高めに行くというのは、潔い好判断であると評価出来ます。
また当社独自の強みとしては、佐瀬氏が鉄工所の次男坊であることから、
たこ焼き器などの厨房什器の製造から、あんやアイスの製造まで自社の
工場で作れる垂直型の自前主義にあり、店舗の方も面積が殆ど要らない
ので家賃負担が比較的軽めであることも踏まえると、普通にやれば構造
的にはそれなりに儲かる点です。ただこの佐瀬社長は既述のとおり事業
意欲が強く、利益を食い潰してしまうところがあるため、「銀だこ」に集中し
つつも、もう少しバランスのよい経営を目指して欲しいところであります。
*参考記事① 2017-04-03 1,203円 --
「自動たこ焼き器」で利益路線に宗旨替えか、ホットランド(3196)。
*参考記事② 2016-09-03 916円 ---
クロワッサンたい焼きの低迷が深刻、ホットランド(3196)。
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