「自動たこ焼き器」で利益路線に宗旨替えか、ホットランド(3196)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3196】ホットランド(東証一部) --

現在値 1,200円/100株 PER63.1 PBR5.88  12月配当優待 6月優待 

「築地銀だこ」「COLD STONE CREAMERY」などの直営・FCによる運営。
配当は年5円のため、配当利回りは0.41%となります。

ホットランドは株主優待制度を導入しており、6月末12月末に100株以上を保有
する株主に対して、1,500円分の株主優待券を進呈していますので、配当優待
利回りは2.91%となります。

業績を確認していきます。
■2013年12月期 売上高 205億円、経常利益 10.3億円、EPS 42.1円  
■2014年12月期 売上高 273億円、経常利益 20.5億円、EPS 112円
■2015年12月期 売上高 309億円、経常利益 15.0億円、EPS 42.3円
■2016年12月期 売上高 315億円、経常利益 9.6億円、EPS ▲36.0円 
■2017年12月期 売上高 360億円、経常利益 11.5億円、EPS 19.0円 ce
□2017年 6月中 売上高 168億円、経常利益 4.1億円、EPS 21.2円 
ce 

2016年12月通期の売上高は前期比1.9%増の315億円、経常利益は同35.7%減
9.6億円となり、中間時点の減額水準での着地となりました。主力の「銀だこ」
は既存店売上高が低調に推移したものの、ハイボール酒場の積極出店による増
収効果で増益となりました。しかし、クロワッサン鯛焼きの「銀のあん」が
ブーム一巡で大きく落ち込んだほか、有名パティシエの鎧塚氏とコラボした
キッシュ事業の立上げコストが収益を押し下げ、今期も未達となりました。


なお進行期の2017年12月期の売上高は7.8%増の340億円、経常利益は19.2
%増の11.5億円と反発を見込んでいます。「銀だこ」の既存店売上100%
キープと、前の期に続きハイボール酒場の積極出店が前提となっており、
為替影響によるタコの仕入価格上昇と、20周年販促の費用が経費として
織込まれています。また、前の期に不採算の焼き鳥事業である「ほっと屋」
事業を他社に手放したことにより、利益率も若干の回復が見込まれます。

やはり「銀だこ」に続くブランド育成が課題となっており、肝入りの「THE
 COFEE BEAN&
TEA LEAF」も、外から買った時は既に相当のブランド力を
有していた
「コールドストーン」も、CF見込外れにより、店舗資産に限らず
のれんの減損まで強いられており、前の期に10億円弱の特損を計上しています。
また、今期も
「コールドストーン」を中心に改装・復旧で特損が発生する見
込み
のため、最終利益の段階では"水面より少し上"程度に留まる公算です。

かような状況のため、当面は足場固め中心の事業展開なると思われ、中長期
的な計画が描ける状況にありませんが、導入の始まった「自動たこ焼き器」
は人件費10%カット&焼き時間半分、という経費削減インパクトがかなり
高い機械です。会社側は20年に8割の店舗への導入を目指しており、これは
億単位の利益改善に繋がるので、この辺の効率化に期待したいところです。

以前、当社佐瀬社長は「タコ焼きは焼いているところが見えるので、待ち
時間も楽しんでもらえるエンタメ機能を有する飲食だ」的な趣旨で、待ち
時間の付加価値解説をしておられ、似たような観点から「コールドストーン」
を買収したものと思ってましたが・・最近では宗旨替えをされたようです。



*参考記事① 2016-09-03 916円 ---
クロワッサンたい焼きの低迷が深刻、ホットランド(3196)。

*参考記事② 2016-04-03 1,095円 ---
東証一部指定で配当開始、ホットランド(3196)。


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