低簿価の青葉台の本社屋と隣地の売却で、予想外の連続増益へ・オオバ(9765)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9765】オオバ(東証1部)  --

現在値 522円/100株 PER13.0 PBR1.46  5月配当優待 

調査測量、計画設計、区画整理、地理情報システム等のコンサル。
配当は5月一括の12円配当のため、配当利回は2.30%となります。

オオバは株主優待を実施しており、5月末時点の単元保有株主に対して、

お米券を1枚進呈しておりますので、配当優待利回りは3.14%となります。

業績を確認していきます。
■2014年5月期 売上高 141億円、経常利益 6.1億円 EPS 28.4円
■2015年5月期 売上高 154億円、経常利益 8.6億円 EPS 45.0円 
■2016年5月期 売上高 154億円、経常利益 9.8億円 EPS 41.4円 
■2017年5月期 売上高 155億円、経常利益 10.9億円 EPS 39.1円 

■2018年5月期 売上高 163億円、経常利益 11.6億円 EPS 39.9円ce修正
□2017年11月中 売上高 50億円、経常利益▲1.0億円 EPS▲5.6円 四e

2017年5月期の売上高は前期比0.4%増の155億円、経常利益は同11.5%増

の10.9億円となり、多少利益率が改善した以外は期初予想ピンポイントで

の着地となりました。前期に続き公共工事で予算配分の多い防災関連や

都市再生関連の受注が堅調に推移したため、期初時点で94.1億円の豊富

な受注残をこなして、連続で2桁増益をキープしました。


一方で、進行期の2018年5月期の予算については、売上高が8%減の143

億円、経常利益は15.2%減の9.3億円と一転して大幅減益となる予算を組ん

でいました。引き続き防災関連やインフラ維持関連は底堅いものの、震災

復興関連については一巡しつつあり、実際に期初の受注残も94.1→89.6

億円に減少しています。そのため、今後の復興関連の営業重点エリアは、

これまでの宮城・岩手から、福島・熊本へ移行させていく模様です。減益幅

が一段と大きくなるのは人件費(働き方改革費用?)の増加も影響します。

ただ足許の9月14日にこの予算を増額しており、売上高は163億円・経常

利益11.6億円に修正し、結局今期も連続で増収増益を確保する見通しと

なりました。修正事由は、老朽化の進む青葉台の本社屋(注・目黒区です)

を譲渡すること及び、既に確保している隣地駐車場を売却することによる

ことが理由ですが、このカラクリとしては“固定資産”である本社屋は来期

(2019年5月期)であるものの、“販売用不動産”に計上してある隣地駐車場

は今期に売上高段階から計上されるため、トップラインから一気に数字が

良化します。なお、駐車場の売却額は約20億円(180坪@1,138万円)です。

 

ちなみに固定資産のため、本社屋の方は特別利益にしかなりませんが、

来期は14億円がボトムラインにオンされるので、他の減損をぶつけてこな

いことを大前提として、予想PERは4~5倍程度になると計算されますが、

新たに発生する支払家賃負担については別途考慮する必要があります。

株主還元については、引き続き配当性向30%水準を維持する方針であり、

今期も12円配当を予想しています。ただ既述のとおり、本社屋と駐車場の

売却で13億円の有利子負債を一瞬で出来るだけのキャッシュが入るので

自社株買いや増配なども期待しやすい財務状況になります。

(※但し、この手の公共コンサル会社はどこも好財務で低還元の傾向有)

 

抜群の業績信頼度も、人材面強化で雌伏期入り・オオバ(9765)。


*参考記事② 2015-09-12  539円  --
中計前倒し達成も割安感薄れる、オオバ(9765)のレビュー。

 

 

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