安定的な2桁成長続くも、パナ系の特色薄れる・三機サービス(6044)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6044】三機サービス (東証一部)  --

現在値 1,469円/100株 PER19.6  PBR4.8 5月配当株主優待 

パナソニック製大型空調機器保守と飲食、小売向けメンテナンス手掛る。

配当は5末一括の23円配予想のため、配当利回りは1.57%となります。

三機サービスは株主優待制度を導入しており、5月末に単元株以上保有する

株主対して、1,000円分のクオカードを進呈していますので、優待利回りは約

2.24%となります。

業績を確認をしていきます。
■2014年5月期 売上高 54.8億円 経常利益 2.8億円 EPS 42.8円
■2015年5月期 売上高 58.9億円 経常利益 3.5億円 EPS 54.1円
■2016年5月期 売上高 66.1億円 経常利益 3.5億円 EPS 45.8円
■2017年5月期 売上高 87.7億円 経常利益 5.3億円 EPS 64.5円 

■2018年5月期 売上高 100億円 経常利益 6.2億円 EPS 74.6円 ce
□2017年11中 売上高 47.8億円 経常利益 2.6億円 EPS 31.9円 ce

2017年5月期の売上高は前期比32.6%増の87.7億円、経常利益は同49.0%

増の5.3億円となり、期初予想を大きく上回りました。トータルメンテ事業に

おいて前年に取引開始したライフコーポ向けが寄与したほか、新冷媒空調

の更新工事の拡大、セブンイレブンの保守案件開始により当該セグは5割

を超える増収増益を果たしました。一方、本来は利益の柱である空調機器

メンテ事業は、同様に更新工事の受注が拡大したものの、大型空調機の

メンテ案件が天候要因が低調で前期並みの結果となりました。

進行期である2018年5月期通期の売上高は13.9%増の100億円、経常利益

は16.8%増の6.2億円と、今期も売上段階から2桁の伸びを予想しています。

なお今期からセグメント区分も一本化しているものの、従来セグの基準で

分解した場合、セブン案件の通期稼働や、コールセンター本格稼働・社内

エンジニアの内製化の進展で更なる受注増加と採算性向上が期待される

トータルメンテ事業が業績を牽引するものとみられ、空調機器メンテ事業

は今期も横ばい程度に留まるものと推察されます。


これまで会社側は短期的な目標として「売上高100億円」を目指してきまし

たが、今期予算でリーチする水準にまで成長しました。中長期の売上高の

目標値は500億円であり、所要年数は明らかにしていないものの、会社側

はおよそ10年程の時間軸を持っているようです。また、その際の海外売上

比率は2割を目標としており、再来年までにASEANへ進出する方針です。

 

当社はこれまで旧三洋電機(現パナソニック)のメーカー系メンテ会社として

半ばその独占的な地位により利益を享受してきましたが、他社製品保守や

一般メンテ業務も広く受け付ける体制を構築したことで、トータルメンテ会社

としての色が強くなり、パナソニックへの収益依存は分散しつつあります。

反面、シンプロメンテ(6086)あたりとの差別化要素が減少しているほか、

業歴・社格が圧倒的に格上の日本空調サービス(4658)と比べると、株価

のバリュエーション的には割高ですので、成長力だけを評価して、特色の

薄れつつある「メンテ会社」をピックするには別の理由が欲しいところです。

 

また当社は一昨年のJQ上場から、昨年に二部指定替えとなり、そして本

年4月に一部市場への上場を果たしました。一部上場により主にトータル

メンテ事業においては営業上プラスになる可能性がありますが、そもそも

パナ系であり、相応の信用があるので、その分のアップサイドは微妙です。

今後はライフコーポやセブン以外の全国チェーンの大型得意先が獲得出

来ればストック的に効いてくるので、定量的な数字の伸びよりも、そういう

得意先の獲得状況といった定性的な部分に注目していきたいと思います。

 

*参考記事① 2016-09-09 638円 --

ライフコーポから大型受注で今期も続伸、三機サービス(6044)。

 

 

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