V字回復と高配当施策転換で公募奪回なるか、タマホーム(1416)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1419】タマホーム(東証一部) ---

現在値 738円/100株 PER13.8 PBR1.59 5月配当株主優待 11月優待

注文住宅会社。ロードサイド型独立店を積極展開し大々的な広告で集客。
配当金は5月の年1回26円のため、配当利回りは約3.52%となります。

タマホームは株主優待制度を実施しており、5月末11月末に単元株以上を

保有する株主に対して500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当

優待利回りは約4.87%となります。また3年以上保有を継続する株主に対し

ては、長期優遇制度によりクオカード進呈額が倍の1,000円分となります。

業績を確認していきます。 
■2014年5月期 売上高 1,695億円、経常利益 45.0億円 EPS 57円
■2015年5月期 売上高 1,495億円、経常利益 20.1億円 EPS▲21円
■2016年5月期 売上高 1,383億円、経常利益 10.1億円 EPS▲14円 
■2017年5月期 売上高 1,570億円、経常利益 34.7億円 EPS 30円  

■2018年5月期 売上高 1,702億円、経常利益 36.0億円 EPS 53円 ce 
□2017年11月中売上高 680億円、経常利益▲13.0億円 EPS▲46円 四e

2017年5月期の売上高は前期比13.5%増の1,570億円、経常利益は同3.4倍

の34.7億円となり、期初予想を大きく上回って着地しました。主力の注文

住宅事業において、地域限定販売(という体裁)で棟単価1,000万円前後の

低価格ラインを投入したことが奏功し、販売棟数は2桁の伸びをマークした

ほか、利益率の高いリフォーム事業に関しても順調に推移しました。

進行期の2018年7月期の売上高は8.4%増の1,702億円、経常利益は3.6%増
の3,600億円と続伸を見込んでいます。注文住宅事業における受注残高は

前年同期比13.1%増の930億円とかなり潤沢な状況であり、期中受注数や

販売棟数はこの好調な期初受注残に比べると保守的な想定をしています

当社は月次で受注状況を開示しておりますが、悪天候に見舞われた8月も

昨年対比で96%を確保しており、1Q3ヶ月累計受注高は同106%とまずまず

順調なスタートを切っているものと推察されます。


今期は3年中計「タマステップ2018」の最終年度であり、定量目標に関して

は今期の予算に合わせて売上高2,000→1702億円、営業利益70→40億円

へと減額修正しており、上場前後の営業利益水準である45~50億円水準

の復元すら実現しない公算となりました。それでも既述のとおり、足許での

業績回復のモメンタムは非常に力強く、特に1,000万円以下の低廉な注文

住宅で数を積み上げているにも関わらず、全国で3,000人近い社員に平均

636万円の年収を払った上での大幅増益は、評価出来る部分があります。

 

なお事業構成比は小さいものの、マンション事業や融資絡みの金融事業、

ホテル事業として160室の「タマディアホテル羽田」を昨年3月に開業してお

り、今期は大阪と福岡の自社ビル再開発によりホテルを増やす計画です。

このほか、海外事業としてカンボジアやハワイでも不動産事業を展開して

おり、今後はインド進出も予定していますが、海外の寄与は要時間です。

また当社は13年の東証上場時に調達した約70億円を眠らせていましたが、

業績の回復基調が鮮明になるにつれて、急ピッチで株主還元へ資金を回

すようになってきており、赤字基調が止まらない中での10→15円の増配も

サプライズだったのですが、V字回復後の今期は15→26円と更に増配幅

を拡大してきました。公募価格である@980円を回復出来ていない中での

大盤振る舞いですので、賛否のあるところですが、高配当株の仲間入り

をしたことで、株価水準が復元する目が出てきたこともまた事実ですので、

ひとまずは会社側の方針転換を支持したいと考えます。

*参考記事① 2016-10-16  552円 ---

減益基調からの大幅増配は自信の裏返しか、タマホーム(1419)。

*参考記事② 2015-10-14 473円 --
高値での公募資金が潤沢で実質無借金、タマホーム(1419)。

 

 

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