減益予想から一転、8期連続の営業増益にリーチ・日本毛織(3201)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3201】日本毛織 (東証1部) --

現在値 1,020円/100株 PER14.7 PBR0.89 5月配当優待 11月配当優待

羊毛紡織の有力会社だが、利益柱は商業施設賃貸。介護・売電も展開。
配当は5月11月の年2回20円配当のため、配当利回りは1.96%となります。

ニッケは株主優待制度を導入しており、5月末・11月末に100株以上を保有
する株主に対して500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待
利回りは2.94%となります。

業績を確認していきます。 
■2014年11月期 売上高 1,004億円、営業利益 60億円、EPS 47.2円
■2015年11月期 売上高 1,028億円、営業利益 73億円、EPS 62.2円
■2016年11月期 売上高 1,009億円、営業利益 76億円、EPS 67.8円
■2017年11月期 売上高 1,070億円、営業利益 76億円、EPS 69.2円ce修
□2017年5月中間 売上高 519億円、営業利益 40億円、EPS 36.1円(7/12)

2017年5月中間期の売上高は前年同期比4.8%増の519億円、営業利益は

同3.7%増の40.8億円となり、期初予想線を確保しました。本業の衣料繊維

事業は秋冬物の販売不振と羊毛原料の高騰で減収減益となったものの、

産業機材事業において車載電装品製造のFA装置が好調に推移したほか

不動産事業も加古川商業施設のリニューアル効果で増益となりました。

なおこの中間のタイミングで、2011年11月期予算も増額しており、売上高

は前期比6%増の1,070億円(従:UNCH)、営業利益は前期同水準の76億円

(従:74億円)へ修正しており、期初予想から一転して8期連続の営業増益に

リーチがかかります。既述のとおり、産業機材事業において自動車産業を

中心とした高い設備投資意欲が期待されるほか、7月に加古川商業施設

において「TSUTAYA」を含めた体験型のⅡ期改装施設をオープンしたため

下期以降は集客強化による不動産事業の底上げが期待されます。

当社は2019年11月期を最終年度とする新中計「NR130一次中計」において

3年後に売上高1,200億円(CAGR6%)、営業利益90億円(CAGR6%)を定量

目標としています。この3年間260億円の投資を行う計画であり、衣料繊維

事業における高機能材(高級学生服素材、防炎素材、防刃素材)分野のRD、

中国におけるフィルター製造、2大商業施設の改装等に資金を投じていく

計画となっています。特徴的なのはこうした従来型事業の深耕のほかに、

“地域ドミナント”で展開を進めていることであり、市川・加古川といった当

社へ強いロイヤリティを持つ住民が多い地域(※市川では本当に強い)で

介護施設や保育園を開業し、“面的展開”での収益拡大を図っています。

 

一方、株主還元に関しては配当性向30%(ROE7%)を基準としており、配当は

前期の120周年記念配当の2円を剥落させた20円を予想しています。ただ

当社の財務状況としては、借金をほぼ手許現金でネットしている様な状況

であるほか、50億円を下らないメガバンク株や他の繊維株を含めると200億

円強の有価証券を保有しているので、実態は相当な還元余力があります。

そのため、まずは今期の業績を上振れで仕上げて、記念配当分の復元と、

増配(+α円)による3期連続増配(年23円~)の実現に期待したいところです。

 

*参考記事① 2017-03-05 898円 --

7期連続営業増益達成で、新中計へ余裕の移行・日本毛織(3201)。

*参考記事② 2016-08-30 695円 --

千葉県市川市関連銘柄・ニッケ(3201)。

 

 

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