現在値 898円/100株 PER15.5 PBR0.81 5月配当優待 11月配当優待
羊毛紡織の有力会社だが、利益柱は商業施設賃貸。介護・売電も展開。
配当は5月11月の年2回・20円配当のため、配当利回りは2.23%となります。
ニッケは株主優待制度を導入しており、5月末・11月末に100株以上を保有
する株主に対して500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待
利回りは3.35%となります。
業績を確認していきます。
■2013年11月期 売上高 976億円、営業利益 55億円、EPS 44.2円
■2014年11月期 売上高 1,004億円、営業利益 60億円、EPS 47.2円
■2015年11月期 売上高 1,028億円、営業利益 73億円、EPS 62.2円
■2016年11月期 売上高 1,009億円、営業利益 76億円、EPS 67.8円
■2017年11月期 売上高 1,070億円、営業利益 74億円、EPS 67.8円 ce
□2017年5月中間 売上高 510億円、営業利益 39億円、EPS 32.6円 四e
2016年11月期の売上高は前期比1.8%減の1,009億円、営業利益は同3.8%増
の76億円となり、売上こそ期初予想をやや下回ったものの、逆に営業利益は
上ぶれて着地し、7期連続の営業増益を果たしました。主力の衣料繊維事業
で学校制服の反動減があったものの、高機能材の開発・拡販が効き収益率
が改善したことが大きく、収益源の不動産事業の休業減をカバーしました。
なお、進行期である2017年5月期の売上高は6%増の1,070億円、営業利益は
2.9%減の74億円と8期ぶりの減益を予想しています。主力の衣料繊維事業に
おいては、戦略商材の「MIRAIZ」の拡販が進むことに加え、他の機能素材の
海外拡販が進むため増収増益となるものの、不動産事業における加古川の
「ニッケパークタウン・本館」の改装休業が今期にまで跨るため、収益を押し
下げる見込みです。また構成比は少ないものの、産業機材事業に関しては
FA装置の需要の好調推移が予想されるため、2割を超える増益となります。
当社は2019年11月期を最終年度とする新中計「NR1301次中計」を開示して
おり、3年後に売上高1,200億円(CAGR6%)、営業利益90億円(CAGR6%)を
目指しています。この3年間累計で260億円の投資を行う計画であり、設備
投資に140億円、MAとRDに120億円を投じます。おそらく衣料繊維事業に
おける高機能材の開発や産業機材事業におけるエネルギー・環境関連の
技術伸長絡みのRDや、不動産事業における加古川・市川の商業施設の
改装がメインになると思われますが、かなり攻めている印象はあります。
当社は業暦120周年の歴史ある会社であり、前3年中計「NN120ビジョン」も
予算を確実に上ぶれ着地させているため、予算信頼度がかなり高いです。
マテリアルでもESG観点や成長持続性にも触れられているほか、株主還元
に関しても、配当性向30%(ROEは7%)の目標数値を明示しています。財務も
手許現金で有利子負債をほとんどネットしているほどの好財務ですので、
向こう3年の株主還元は会社側の公表以上の水準が十分期待出来ます。
(※120周年記念優待のクオカード/+700円、はその象徴だと思います)
あとは工場跡地や遊休地がまだまだあるみたいですので、本気を出せば
その辺の“隠し玉”で数字が作れるのは、老舗企業のアドバンテージです。
*参考記事① 2016-08-30 695円 --
千葉県市川市関連銘柄・ニッケ(3201)。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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