減益基調からの大幅増配は自信の裏返しか、タマホーム(1419)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1419】タマホーム(東証一部) ---

現在値 522円/100株 PER37.2 PBR1.17 5月配当株主優待 11月優待

注文住宅会社。ロードサイド型独立店を積極展開し大々的な広告で集客。
配当金は5月の年1回15円のため、配当利回りは約2.87%となります。

タマホームは株主優待制度を実施しており、5月末11月末に単元株以上
を保有する株主に対して500円分のクオカードを進呈しておりますので
配当優待利回りは約4.78%となります。また3年以上保有継続する株主
に対しては長期優遇制度により、クオカードが倍の千円分となります。

業績を確認していきます。
■2013年5月期 売上高 1,523億円、経常利益 50.0億円 EPS 112円  
■2014年5月期 売上高 1,695億円、経常利益 45.0億円 EPS 57円
■2015年5月期 売上高 1,495億円、経常利益 20.1億円 EPS▲21円
■2016年5月期 売上高 1,383億円、経常利益 10.1億円 EPS▲14円 
■2017年5月期 売上高 1,588億円、経常利益 24.0億円 EPS 16円 ce 
□2016年8月1Q 売上高 245億円、経常利益▲25.8億円 EPS▲69円(10/14)
□2016年11月中売上高 610億円、経常利益▲20.0億円 EPS▲56円 四e

2016年5月期の売上高は前期比▲7.5%減の1,383億円、経常利益は同
▲49.6%減の10.1億円となり2期連続で期初予想を大きく割り込んで、減収
減益となりました。主力の住宅事業において、消費増税の影響の長期化
を原因とした期初段階での受注低迷の影響が大きく、期中で低価格の
規格商品を投入してやや持ち直したものの、計画には至りませんでした。


なお2017年6月期の売上高は14.8%増の1,588億円、経常利益は136.1%
増の28億円と3期ぶりの増収・4期ぶりの増益を見込んでいます。先述の
低価格規格商品の投入により、期初受注残高が前年比101%と持ち直し
ているほか、毎月開示されている足許の月次受注残高も毎月飛躍的に
回復しており、6月-9月の4ヶ月間累計で昨対137%をマークしています。
(※10/14開示の1Qで売上高・利益ともに大幅な改善傾向を確認済)


2018年5月期を最終年度とする3年中計「タマステップ2018」では売上高
2,000億円(CAGR約10%)、営業利益70億円(CAGR
約46%)を計画してい
ましたが、残り2年弱でこの定量値の達成はほぼ確実に無理ですので
いくらかマシな形で次の3年に繋げるかということが焦点となりそうです。
そもそも当社は低価格を売りにマス層にも注文住宅を提供するという
のが一番のウリですので、他のデフレ関連企業同様、微妙な景況感も
当社にとっては”追い風”となる可能性があります。


また再来年に創業20年を迎えるため、過去請負した住戸のリフォーム
需要や再販・流通ニーズに応えるべく不動産事業にも注力しはじめて
いるため、この辺の周辺ドメインをきちんと育てることが出来るかどうか
も鍵となりそうです(だから流行のホテルなどやってる場合ではない。)


当社は2013年の上場時に調達した約70億円(@980円)をほぼ眠らせる
形で実質無借金状態が続いていましたが、減益が続くこのタイミングで
配当を10→15円へ5円増配予想を出し、株主還元へと舵を切りました。
今の段階で業績回復への確信を持つことは難しい筈ですが、会社側と
しては底打ちの手応えを感じているか、あるいは株主への向き合い方
を変える決意をした可能性があるので、この増配自体は大きな意味が
あるように感じています。


*参考記事① 2015-10-14 473円 --
高値での公募資金が潤沢で実質無借金、タマホーム(1419)。

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