中間絶好も下期は原油・為替で綱引きか、スターフライヤー(9206)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9206】スターフライヤー(東証二部)  ---

現在値 3,555円 PER7.28 PBR1.87  3月無配優待 9月優待

北九州空港を拠点とする新興キャリア、座席広めの独自戦略。ANA傘下。
配当実績は3月末一括20円のため、実績の配当利回りは0.56%でしたが、
今期の配当予想は0円であり、現時点では無配見込みとなっています。


スターフライヤーは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する
3末と9末の株主に対して、半額割引券を各回3枚進呈しておりますので、
1枚1,500円換算した場合の配当優待利回りは約2.53%となります。


業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 330億円、経常利益 ▲26億円 EPS▲1,061円
■2015年3月期 売上高 347億円、経常利益 9.0億円 EPS 150円
■2016年3月期 売上高 344億円、経常利益 26.5億円 EPS 892円
■2017年3月期 売上高 333億円、経常利益 25.0億円 EPS 488円ce修正
□2016年9月中 売上高 168億円、経常利益 18.9億円 EPS 470円(10/28)

2016年9月中間の売上高は前年同期比2.3%減の168億円、経常利益は同
52.4%
増の18.9億円となり、会社側2Q 予算は非開示のため比較できない
ものの、コンセンサス比では上振れした模様です。当社の運用する航空機
は9機しかなく、そのうち2機が6年定期点検にかかって計画運休したことが
主な減収要因ですが、利益面に関しては円高・原油安の恩恵をフルに享受
したため、大幅な増益を確保するに至りました。

なお、2017年3月期通期予想についても、1Q時点で増額しており、売上高は
前期比3.3%増の333億円、経常利益は5.7%減の25.0
億円に修正しています。
座席利用率は高水準をキープしており、レベニューマネジメントも相俟って、
営業自体が好調に推移しているのも修正要因の一つですが、サーチャージ
のない当社の場合、円高・原油安が非常に色濃く効く見通しとなっています。

ただ問題なのは、足許のトランプ相場による大変急激な円高・原油高傾向で
あり、当社の現在の想定レートはドル円を110円・原油をバレル52ドルで置い
ているため、本日現在のレートを参照するに、既に想定外水準と思われます
ので、一転して減額修正の可能性があることを留意する必要があります。
(※2Q-4Q間の利益感応 1円高で▲39百万円、バレル1$高で▲29百万円)

なお当社は2019年3月期を最終年度とする中計を本年4月にローリングして
おり、3年後の売上高382億円・経常利益18.6億円を見込んでいます。既に
利益水準は今期で超過達成してしまう見込みですが、既述のとおり当社の
利益は為替次第でいくらでも振れる"水物業績"なので、売上高CAGR約4%
が達成されるかどうかが焦点と言えます。本年12月から、親分のANAより、
エアバス320を追加で1機リースを開始しており、総運航機数が10機になった
ため、中長期的に事業規模拡大に寄与してくるものと思われます。

また同中計内で、経営安定化のためのKPIとして「純資産67億円」の数字を
置いていますが、こちらに関しては直近の6ヶ月で12億円積み増し、54億円
となっていますので、急速で財務状態の改善が進んでいます。そのため、
前期は「就航10周年記念配当」という体で20円の配当を出しましたが、今期
はこの記念配を剥落させないで維持してくる可能性もあるように思います。

*参考記事① 2013-11-29 1,925円 --
業績のヤバすぎるスターフライヤー(9206)から株主優待が届いたので分析。

*参考記事② 2013-05-09 2,351円 --
スターフライヤー(9206)の反省・第2弾。


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